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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
初級魔術師編
41/101

ロジーナ、アリアを説得する

 アリアは眉間にしわを寄せうつむいた。

「お師匠様じゃダメなんですか?」

「私は火の術は得意ではないの。カルロス先生の火の術はすごいわよ」

アリアはうつむいたままだ。

「そうね、きっと協会では一番じゃないかしら。火の術に限って言えば、私はもちろん、クレメンスだって敵わない」

アリアは口をへの字に曲げて唸っている。

「カルロス先生に教われるなんて、すっごくラッキーなことなのよ」


「でも、お師匠様がいいです」

アリアは顔をあげ、きっぱりと言った。

「だから、私じゃ限界があるの。これはあんたのためなのよ」

「でもでも、私はお師匠様に習いたいんです!!」

アリアは拳を握って叫ぶと、ロジーナを見据え、口をへの字に曲げた。

ロジーナは盛大なため息をついた。


こうなったアリアはテコでも動かない。

座り込みをしたときや、ヘレンとケンカしたときと同じ状態だ。

カルロスの元に強引に引きずって行くことは簡単だ。

しかし、それでは意味がない。


教える側がいくら教えても、習う方がその気にならなければ、単なる時間の無駄だ。

水飲み場に連れて行くことはできるが、その水を飲むか飲まないかは本人次第なのだ。

アリアが固く心を閉ざした状態では、カルロスの元に連れて行っても、徒労に終わる。

カルロスにも失礼だ。


どうにかして、アリアをやる気にさせなければならない。


「ねぇ、アリア。あんたは一流の魔術師になりたくないの?」

「なりたいです」

「なりたいのに、なんで一流になる近道を嫌がるの?」

「……」

アリアは無言でうつむく。

「私のこと、信用してないの?」

「そんなことないです。お師匠様のおっしゃることは絶対です」

「なら、なんで拒否するの?」

「……」

「一生懸命あんたのこと考えて、カルロス先生のところに頼みに行ったのよ?私の顔をつぶす気なの?」

「それは……」

アリアは顔をあげる。

「他の先生のところに行くのも、結構楽しいのよ。お友達もできるし」

「お師匠様も行ったんですか?」

アリアの眉間のしわが消える。


見つけた。

ここが糸口だ。

ロジーナはニッコリと笑った。


「そうよ。私もいろんな先生のところに教わりに行ったのよ」

「そうなんですか?」

「そうよ、だからあんたも行くのよ」

アリアはホッとしたような顔をした。

ロジーナはニヤリと笑う。

「行く気になった?」

「はい」

アリアはこくりと頷いた。


こうしてアリアは週に一度、カルロスの元に通うことになった。


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