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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
初級魔術師編
30/100

アリア、初仕事に行く

登場人物紹介(追加)


ルーカス・・・薬師。中級魔術師。

サムエル・・・上級魔術師。

待ち合わせの場所に一人の青年がいた。

足元には背負い籠がおいてある。


「ルーカス殿ですか?初めまして。クレメンスと申します。これはロジーナの弟子、アリアです」

アリアは緊張しながらペコリとお辞儀をする。

「ロジーナが体調を崩しまして、代わりに私が同行することとなりました。何卒よろしくお願いいたします」

クレメンスは深々とお辞儀をする。

アリアも再度お辞儀する。

ルーカスは慌てふためいた。

「あ、いや……その、こちらこそ、よろしくお願いいたします」

ルーカスも深々と頭を下げる。


「クレメンス先生にご一緒していただけるとは光栄です」

ルーカスは少し緊張した面持ちで続ける。

「ロジーナ先生は大丈夫なんですか?」

「大したことはありません。お気遣い痛み入ります」

「それは良かったです」

ルーカスはホッとした表情を浮かべる。


よかった。

いい人っぽい。

緊張していたアリアはホッとした。

なにしろ初めてのお仕事だ。

ロジーナは「ただのハイキング」とはいっていたが、街場育ちのアリアは山歩きすらほとんどしたことがない。

それに、今回の付き添いはロジーナではなくクレメンスだ。

慣れないことばかりで、不安だらけだった。

アリアは依頼主がコワそうな人だったら嫌だな、と思っていたのだ。


「あ、サムエルさんもいらっしゃいました」

アリアはルーカスの言葉に振り向いた。


ローブにサンダルという軽装の男がこちらに向かってやってくる。


アリアは目を丸くした。

ロジーナが言っていった「近寄らない方がいいバカ」そのものが目の前にいるのだ。

アリアはチラリとクレメンスを見上げる。


クレメンスは何事もないように普通に挨拶を交わしていた。

三人はそのまま打ち合わせに入ったようだ。


つまんない、とアリアは思った。

ロジーナならどう反応したのだろう。

きっと目で合図してくれたり、耳打ちしたりしてくれたはずだ。

今、誰もアリアの存在なんか気にしていないようにみえる。

なんだか仲間はずれみたいだ。


つまんない。

アリアはふてくされて、足元の石ころをつま先で転がしていた。

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