アリア、オリエンテーションを受ける
アリアは見事に初級魔術師試験に合格した。正式に初級魔術師に認定されるには、魔術師協会本部で行われるオリエンテーションを受講しなければならない。
もちろんアリアも受講することになった。オリエンテーションでは朝から夕方まで、魔術師としての心構えやマナーなどをみっちりと仕込まれる。
ロジーナはアリアにお弁当を持たせ、本部に連れて行った。
コーネリアが受付のところで手を振っていた。
「あなたがアリアちゃんね~」
「アリア。コーネリア先生よ。きちんと挨拶しなさい」
「コーネリア先生。よろしくお願いします」
アリアはペコリとお辞儀をする。
「かわいい~。よろしくねぇ~」
コーネリアは胸元で指を組んで小首をかしげる。アリアはちょっとはにかみながら微笑む。
「ロジーナちゃん、うらやましぃ~。私もこんなかわいいお弟子さんががほしい~」
コーネリアは身悶えながら言う。
「いいでしょ~。あげないわよぉ」
「うふふ。ロジーナちゃん、忘れてるわよぉ。アリアちゃんは今日は私のだも~ん」
コーネリアはアリアの両肩を押さえる。
「アリアちゃん。会場に行きましょうね~」
アリアは不安げにロジーナの顔を見る。
「アリア。コーネリア先生のお言いつけをきちんと守るのよ」
「はい」
アリアはこくりと頷く。
「コーネリア、頼むわね」
コーネリアはニッコリ笑うと、アリアを会場へと誘導していった。




