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アリア、初級試験をうける
初級魔術師試験当日。
アリアは魔術師協会本部の荘厳な建物に見惚れていた。
「アリア。ぼーっとしてると迷子になるわよ」
ロジーナはアリアの腕を掴むと引っ張った。アリアは天井にくぎ付けだった。天井は吹き抜けになっていた。朝日がステンドグラス越しに入ってきて七色に輝いている。
「ちょっと、ちゃんと歩きなさいよ。田舎者丸出しでみっともないでしょ」
ロジーナはアリアを引きずりながら歩く。アリアは心ここにあらずで、口をぽかんと開けながら、周りを見回していた。
「この師匠にして、この弟子ありだな」
嫌味な声がした。ロジーナとアリアの横を、ハンスを先頭に一列に並んだ鉢巻集団がすり抜けていく。その一糸乱れぬ行進ぶりに、さすがのアリアも反応する。
「すごいですね。あの人たち」
「どうでもいいから、さっさと歩いてちょうだい」
ロジーナはアリアをじろりと睨む。アリアは首をすくめると、ロジーナの後を追いかけた。
「エイ、エイ、オ~」
受験会場の入り口付近で鉢巻集団が騒いでいる。
「お師匠様。あれは……」
アリアが指をさす。
「しーっ。見ちゃダメ」
ロジーナは慌ててアリアの腕をむんずと掴むと、強引に別の入口へ引きずって行った。




