表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
見習い魔術師編
14/100

アリア、ケーキに騙される

 幸せそうにケーキを頬張るアリアをロジーナは眺めていた。

「アリア。そこのお店に行きたいでしょ」

 アリアは目をキラキラさせてうなずく。

「ふふふ。予約しといたわよ」

「本当ですか!!」

 ロジーナはニッコリ笑う。

「いつですかぁ?」

 アリアはケーキで口にをいっぱいにしながら尋ねる。

「初級試験の次の日~」

 ロジーナは鼻歌混じりにこたえた。

「へ?」

 アリアの動きが止まる。

「特製合格ケーキも注文してあるからね」

 ニッコリと小首をかしげるロジーナ。

「ちょ、ちょっと待ってください」

 アリアはフォークを置くと、ロジーナの方に身を乗り出した。


「私もご相伴に与れるのかな?」

 クレメンスがニヤリとしながら言った。

「もちろん。こぉぉんな大きさのケーキですもの」 

 ロジーナはクレメンスに向かって両手で輪を描く様にジェスチャーする。

「ちょっと、お師匠様……」

 冷や汗を浮かべるアリアを無視して、ロジーナとクレメンスは会話を続行させる。

「ほぉ。それは楽しみだな」

「でしょ~。もちろん名前入り」


「お師匠様!!」

 アリアは大きな声で言った。

「ん?アリアどうしたの?」

 ロジーナは小首をかしげてアリアをみる。

「初級試験なんて無理です」

 アリアは立ち上がる。

「あんたなら大丈夫よ」

 ロジーナはこともなげに言った。アリアはブンブンと首を振る。

「大丈夫だって。ねぇクレメンス」

「うむ。アリアの実力ならば問題はない。私も太鼓判を押す」

「でも……」

 アリアはうつむき、視線をキョロキョロさせる。

「あら?私のいうことが信用できないわけ?」

「そういうわけじゃ……」

 アリアはボソボソと口ごもる。

「とにかく。試験も申し込んで来ちゃったし、今さらキャンセルできないから」

 ロジーナは立ち上がるとドアの前に移動した。

「アリア。頑張ってねぇ」

 ロジーナはドアを開け、振り向きざまににこやかに手を振ると退室していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ