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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
見習い魔術師編
13/101

ロジーナ、お土産を買ってくる

「ただいま」

「お帰りなさいませ。お師匠様」

 アリアがニコニコしながらやってくる。

「うふふ。お土産買ってきたわよ」

 ロジーナはケーキボックスを掲げる。講習会の後、コーネリアとお茶会をしてきたのだ。

 アリアの顔がみるみる輝きだす。

「お紅茶の用意してきます」

 アリアはスキップをしながら台所へと向かった。


 アリアは口元で祈るように手を合わせて、ロジーナの手元を見つめていた。ゆっくりとケーキボックスが開く。淡いピンク色の彩り豊かなフルーツケーキの姿があらわれた。

「うわぁ、かわいいぃぃ」

 アリアが感嘆の声をあげる。

「でしょ。ここのお店すごくセンスいいのよ。さすがはコーネリア」

「ほぉ。彼女のお勧めなら間違いないな」

 クレメンスが目を細める。コーネリアのグルメ好きは、本部ではちょっぴり有名なのだ。

「そうなのよ。味もも~最高。ここのクリームってね……」

「お師匠様ぁ。早く食べたいですぅ」

 アリアが待ちきれずにロジーナの袖を引っ張った。

「ごめんごめん」


 ロジーナはにこにこしながらケーキナイフで切込みをいれた。

「どれくらい食べる?」

 アリアは「うーん」と悩んでいる。

「クレメンスは?」

 ロジーナは四分の一のあたりにナイフをあてる。

「私はその半分でかまわない」

 ロジーナはクレメンスの分を取り分けると、悩み中のアリアを覗き込んだ。

「残り全部、いっちゃえば?」

 ロジーナは囁き声で言った。アリアはフルフルと首を振る。


「お師匠様の分が……」

「私はもうお腹いっぱい。ちょっと食べすぎちゃったのよ」

「旦那様は」

「私はこれで充分だ」

 アリアは二人の顔を代わる代わる見て「うーん」と悩んでいる。


「食べきれない?ホールにしない方がよかったかしら。困ったわねぇ~」

「食べれます」

 首をかしげながら呟くロジーナにアリアは慌てて言った。

「アリア無理しなくてもいいのよ?」

 ロジーナが優しい声色で言う。

「無理してません」

 アリアは首を左右に振る。

「ほんとにぃ?」

 ロジーナはちょっぴり意地悪な笑みを浮かべ、アリアの顔を覗き込む。

「遠慮してただけだろ?」

 アリアはクレメンスのつっこみに思わず「はい」と返事をしてしまう。

「あ……」

 慌てて口元をおさえたが、もう遅かった。ロジーナは大笑いしながらアリアのお皿に残りのケーキをおいた。

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