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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
中級魔術師編
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サーナ、森の中で遊びまくる

 よろよろしながら必死についていったアリアは、へろへろだった。

 

「お帰りなさい。クレメンスとサーナちゃんは? 」

 館では朝食の支度を終えたロジーナが待っていた。

「もう少し森の中にいるそうです。食事を先にすませるよう言われました」

 アリアはロジーナとルーカスの会話も耳に入ってない様子で、ぜぇぜぇはぁはぁしながら手を洗うと無言で席に着いた。

 いつにも増してテンションの低いアリアに、心配になったロジーナは、

 「アリア、どうしたの? 大丈夫? 」

 と、尋ねてみた。

 アリアは目を伏せながらポツリと言った。

「サーナちゃん、ちょっとこわい……」

 何があったかは分からなかったが、ロジーナはなんとなく想像できた。

「とりあえず、食べちゃいましょ」

 そう言って、アリアの前にスープを置いた。


*************


 ロジーナは朝食を終えると、洗い物をしているルーカスにアリアを託して、自身はリュックを背負って裏山を足早に登りはじめた。


 しばらく行くと、ふっとクレメンスの魔力の気配が弱くなった。

 ロジーナは首を傾げつつも、微かな気配を頼りに進んだ。

 鬱蒼と茂った木立の中にクレメンスを見つけたロジーナは静かに駆けよると声をかけた。

 

「サーナちゃんは? 」

「しっ」

 クレメンスが口に人さし指をあて、ロジーナに黙るよう促した。ロジーナは息をひそめ、クレメンスの視線の先をみる。


 木漏れ日に照らされたサーナの姿が見える。

 サーナのすぐ横に真っ白な牡鹿がいた。

 鹿はサーナの顔に鼻をこすりつけ、サーナは鹿の身体を優しく撫でている。

 それはとても神秘的な光景だった。


 しばらくすると、鹿は森の奥へと消えていった。

 

「サーナ殿。ロジーナが朝食を持ってきてくれたぞ」

 クレメンスが声をかける。

「わぁ。ありがとうございます」

 サーナは跳ねるようにこちらへやって来た。

 ロジーナは倒木に腰かけたサーナにサンドイッチの入った包みを渡した。

「美味しいです」

 サーナはサンドイッチを頬張り、ニッコリとした。

「それは良かったわ」

 ロジーナは微笑みながら、美味しそうに食べるサーナを眺めていた。


「サーナ殿。あの山にも行くか?」

 クレメンスは隣の山を指しながら言った。

「いいんですか?」

 サーナは瞳をキラキラと輝かせる。

「ああ、気のすむまで遊ぶといい」

「お昼のお弁当もおやつも用意してあるわよ」

「ありがとうございます」

 サーナは大声で叫ぶように言うと、ぱっと頭を下げた。


 ロジーナはクレメンスとサーナを見送ると、館へと戻っていった

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