01
―空手からの帰り道
はぁー今日も疲れた。何時間延長すれば済むんだか
いつもは8時で終りなんだけど
現在の時刻…10時前。
まぁ時間はどうあれいつもの様に帰っていると某コンビニ付近に見覚えのある人が…
「あ、」
お兄ちゃん…見付からない様にしないとね。お兄ちゃんの友達かなんだか知らないけどそんな人等も居るしお兄ちゃん一緒の制服を着てたのを見たことがある人までいる…
遠回りしてもいいから此処から逃げよう!
元来た道に戻ろうとしたら
目があってしまった。
「やばっ。」
「あ、おい。雅!!」
「……な、何?」
あーぁ最悪
「お、龍の妹じゃねーか!?」
「雅ちゃんだぁ〜」
「今帰りか?」
「うん。」
早く帰らしてよ
「送ってく」
「大丈夫だよ…ってかお兄ちゃんも帰ったらいいじゃん!」
何言ってんのお兄ちゃん…
「…お兄ちゃん…良いなぁ〜俺も言われてぇ!!」
と、龍児の後ろに居る奴等が騒いでいた。
「お前ら……まぁ良い…今日は解散!!散れ!」
「え、は?おい、龍!!」
そして、龍児は雅の腕をつかみ帰って行った
はぁー昨日は疲れた…
何で昨日あそこ通ろうとしたんだろ…これも師範のせいだ!!あんな時間じゃなかったら会わなくてすんだのに!!
昨日―
「お兄ちゃん」
「ん?」
「離してよ!」
「やだ」
「あーもぉ…分かった!一緒に帰るから!!」
「………分かった」
そう言って龍児は雅を掴んでいる手を離した
………一緒に帰るなら帰るで何か話せばいいのに…
しかもさ駐車場にバイク取りに行って乗ったんだけど…とばしすぎでしょアレは。お兄ちゃんの背中にしっかりと掴まってないといけなかったし。
………はぁ…まぁ良いや着替えて下に降りよっと
雅は着替えて朝食を食べ学校へと行く
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい雅」
「うん。お母さんは仕事頑張ってね」
ガチャ
ドアを開け、雅は深呼吸をするのが日課になっていた
よーし今日も1日頑張ろっと!
っと決意し学校へと向かうために自転車に乗って最寄の駅へと行く。
電車に乗って入り口付近に立っていると後から声を掛けられた
「みーやびっ。おはよ!」
「おはよ!寧々」
彼女は櫻井寧々小学校からの友達である。まぁ腐れ縁かな!?そして同じクラスでもあった。
「雅ぃー今日も可愛いよぉ」
「……それ身長の事言ってる?寧々が高すぎなんだって!」
雅は150?前半寧々は170?前半の身長だった…
「もぉ。そんな事誰も言ってない!ってぇ〜。まぁそんな事は置いといて、今日体育有るね!」
「……………うん。そーだね」
今日体育が有るだけで何でこんなにテンション高いんだろ?寧々って体育苦手じゃなかったっけ?
「でね。体育で何の種目やるか知ってる?」
「知らないけど…」
寧々が体育で好きな種目あったっけ?
「柔道だって!!良いよねぇ雅は!柔道子供ん時からやってるんだっけ?」
………確かに子供ん時からやってるし黒帯まで行ったけど
「……全く良くないよ…全然」
「えぇー何で?」
「柔道やってるのは寧々しか知らないし…やってる事言いたく無いし、今日帰っても柔道やらないといけないし…」
うん。絶対他の人に言いたく無い!か弱き乙女でいたしね!…そんな事は思ってないけど…何かね抵抗有るんだよねぇ。はぁーー
「そっか………面白くなぁい!」
「…………面白くないって……もぅ良いよ…置いてくよ?」
2人が話しているうちに学校の最寄りの駅に着くところだった
「え、ちょっと待ってよ!雅」
「行くよ。寧々」
雅は寧々を置き去りにして学校へと向かって行った