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蒸気ロボット仮想戦史 ゴールドラッシュ&ゴールデンエイジ  作者: 白金桜花
第六章:大逆境!それでも私はくじけない!
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幕間

遺跡の隠し入り口、それを遺跡の前に陣取って居たアレン達は探し出し、そしてそこからの侵入を果たし中枢まで調査を行おうと潜入をする。。


正面の入口からは2つの鍵となるカードが必要だったが、裏口はカードを必要としない道であり、恐らくアレンはそこが、臨時の入口であると考えた。

黙々と通路を蒸機鎧で歩く、照明は灯されず、持ってきた大型のガスランプの炎が唯一の明りであった。

「たまげた光景だなぁ、罠とかあるんかい?」

「大丈夫だろ、あったのなら電源が点いてる筈だ」

心配する部下に対し、アレンは返す。

「ふむ……ロビー、マッピングは済んでますか?」

「は、はい」

ブラッキーの問いかけに対し、ロビーと呼ばれた新兵が返事をする。

彼はフットペダルだけで機体を制御しているのか、乗ってる機体の腕はだらしなく垂らされていた。

「ええ、きちんと地形の把握をしましょう、ここはいい防衛陣地として使えます」

「抜け目がねぇな、流石は英国紳士か」

拡声機を使いアレンはブラッキーを褒める。

「万全を以って対応を取らないと、敵は倒せませんよ」

そう、ブラッキーは冷淡に答えた。


探索は続き、様々な個所の装置や情報を入手する、船内には人気が無く、人の死骸も見当たらず、清潔感はある。

だが生活感が欠片も感じられないこの船に対し、非常に不気味な感覚をアレン達は覚えていた。

そして中枢の制御室……蒸機鎧が座れるぐらいの椅子と、周囲を見渡すモニターがある空間にアレンは到着する。

「どうやらここが制御フロアみたいですね」

「薄暗いな、何処で電源点ければ良いんだ?」

アレンが遊び半分でコレクターを動かし座る。

次の瞬間であった。

ぐらぐらと揺れが起き、そして室内の電気が全て灯り、モニターに周囲の情報がどんどんと表示された。

<アクセスキー01の存在及び、対応MAOSの確認、臨時用第二級権限を臨時ユーザーに与えます>

女のような電子音声が、アレンと同じ言語で紡がれる。

「どういうことだ?」

「はぁ……どうやらその椅子に鍵を持った貴方が座った事で、勝手に起動したみたいですね。ただ、第二権限というのが引っかかりますが」

溜息をつきながら、ブラッキーは返す。

「なるほど、じゃあとりあえず適当に動かすか、おい嬢ちゃん。今の権限でどのぐらい動かせる?」

<第二級権限で動かせるのは船の操作及び非攻性バリアフィールドの操作、火器などの使用は権限にありません>

「よし、ならあれだ、とっとと浮上しろ、あとハッチも開いてくれ、入れる仲間が居るんだ」

アレンが命じると船は浮上し、武装が使えないもののハッチは開く。

それらの様子はモニターに表示され、アレンはある程度が表のハッチから入り陽動を行いつつ、裏口経由で仲間に入り込めとモールス通信を送った。

「運がいいな俺は、ああ、実に運がいい」

2対の遺跡の鍵を一つしか持っていないと言うのに上手くある程度動かせ、アレンは上機嫌に呟く。


だが、その時であった。

<第一級の正式キーを保持するユーザー反応の接近を確認……正式ユーザーのMAOSへの連絡不能。よって一時的に臨時ユーザーの権限を凍結し、保留段階とさせていただきます>

だが、浮上した戦艦は何かを感知すると、動きを止める。

「うげ、やっぱ鍵は一つじゃ無茶だったか?」

アレンは自嘲気味に笑う。

そもそもが隠し入口を発見した為に試しに蒸機鎧で調査をしたら、戦艦が起動したというのはタナボタのような、嬉しい誤算だったからだ。

「ふぅむ……正規ユーザーが近くに居るため、どうにもハブられてるみたいですね」

そう、ブラッキーが拡声機を使い言う。

「正規ユーザーか……頼む、そいつの居場所を教えてくれ、俺も仕事があるんだ、頼む」

アレンが頼み込むとモニターが周囲の地図に代わり、そして一つの場所を拡大する。

拡大され光景は解りづらいが、飛空艇の上に乗った、蒸機鎧に見えた。

「……あいつらももう来たか」

アレンは呟く、恐らくは撃退した軍と保安官の連中だと。

<情報習得中……ユーザー名:キャロル・ホリディ……彼女が正規ユーザーです>

「最悪だ」

アレンはその名前を聞いた途端にぼやく。

よりによって一番交渉もなにも通用しそうにない相手が、一番探し求めている宝を持っていたからだ。

「……キャロル……ああ、あの蒸機鎧のパイロットですか……見逃して居て正解だったですね」

「そうだな……最悪な事にアレで諦めると思いきゃまだしぶとくきやがるか……さて、どうする?」

アレンも流石に彼女の執念というか、しぶとさに呆れる。

普通ならあれだけやられてしまえば心が折れるだろうに、それでもまだ自分を殺そうと牙を剥くのだ。


そして彼女は今、自覚は無いだろうが最大のカードを持っている。

そもそも、ただ撃退するだけで済ますというのがまず甘かった。

殺しておくべきだったか、そうアレンは考える。

ゴールド・オブ・コレクターはあの戦いでのダメージで、大部分の駆動部に損傷があり、修理をしたものの、それでもあの時のような力は出せそうにない。

真作鎧の欠点は整備部品の少なさであり、アレンの機体と共通規格の贋作鎧は彼の手の元には存在しなかった。

次戦えば、自分は負けるかもしれない、そうアレンは考える。


「そうですね……まぁ、逆卍党と共食いをさせて、弱った所を叩きましょう」

ブラッキーが愉しげに笑いながら提案する。

共食いをさせる、という構想はキャロルと同じであった。

だが、彼の方が策士としては年季もあり、そしてキャロルを迎え撃つ側という利点もあった。

その為ブラッキーは上手く主要戦力を艦内に侵入させ、ここの地理を把握させ、この場所を防衛拠点として利用しようとしたのである。

「そうだな、だが油断すんじゃねぇぞ?最善を取るんだ、最善をな」

アレンは内心にある不安を拭い去ろうと考えながら、ニヤリと笑いながら言う。

自分は西部最強の蒸機鎧乗りだ、だからなんとかやれると。

「ええ、さっきも言ったでしょう?万全を以って対応を取る、それが私の信条ですので」

ブラッキーも、同じようにニヤリと笑った


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