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蒸気ロボット仮想戦史 ゴールドラッシュ&ゴールデンエイジ  作者: 白金桜花
第四章:いざ荒野!さよなら東部アメリカ!
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その5

こうして数回の補給と休憩の後、私達は何事も無くフェニックス市の上空から、基地に向け降下している。

私とビルは、甲板の上で蒸気鎧に乗り、待機していた。


万が一ではあるが、敵に買収されていた時の対処の為だ。


「一応基地とは連絡が取れますね……ええ、降下は大丈夫のようです、今から降下しますね」

来夏の通信がくる、私はキャリバーの機関砲を構え、警戒をする。


高度がどんどんと、ゆっくりと下がっていく。

私が地上を見ようと少し機体を動かし覗くと、そこは荒野の中にある町、木造りの家が立ち並ぶ西部の世界が見えた。

基地は町の少し外れにあり、それなりの大きさはあるけど、何かボロボロに見えるわね……


そうしてまもなく飛空艇は着地し、エンジンを止める。

上から見るよりも基地の損害はひどく、スクラップになった蒸気鎧が転がってる程だ。


「ふむ……荒らされておるのぅ」

ビルだ、そんな事言わなくても解ってるわよ……どうすんのこれ。

周囲を見回していると、ひとりの女の子がやってくる……ロングスカートのきれいなブロンドの髪の女の子ね。

「……お待たせしてすみません、アリゾナ州警察の保安官をやっている、リチェット・アープと申します……」

女の子……いいえ、リチェットはそう言って、胸のバッジを取り、私立ちに向け見せる。


軍の人間じゃなかった……保安官?

「ちょっと待って、保安官と言ったわよね?ここは州軍の基地では?」

私は怪しく感じ、彼女に追及する。

「数日前、あの荒々しい南軍の残党の攻撃で壊滅しました……私達保安官も軍と一緒に応戦し、何とか追い返したものの……このザマです」

リチェットは頭を下げる、その仕草は社交界のものであり、気品に満ちていた……何で保安官なんてやっているのってぐらいに。


「そう、解ったわ……紹介が遅れたわね。私はキャロル・ホリディ、階級は大尉、アメリカ陸軍第333独立特殊蒸機鎧部隊、コードネームはデルタフォースの隊長よ」

「特殊部隊……ですが……数が少なくありませんこと?」

リチェットは先ほどの反撃か、疑いのまなざしを向ける……悪かったわね、私の小隊は人員不足よ。

「少数精鋭を突き詰めた結果こうなりました」

事実だけど、酷いジョークのような言葉になる。

「はぁ……解りました、それではようこそフェニックス基地へ、私達は貴方を歓迎します、くれぐれも無駄死になさらぬように……早く降りてくれません?」

リチェットは呆れた様子で嫌味を言う、さっき疑ったことを根に持ってるのか……はたまたそういう性格なのかしら?


私はそう思いながら、ビルや来夏、博士が降りるのを確認してから機体から降りる。

降りた後、格納庫の方を見ると、何機かのピースメーカーと、茶色い、無骨なピースメーカーの改造機が見えた。

けど数は少なく、とてもじゃないけど、軍事基地と言った感じじゃないわね……


「ついて来てください、状況を説明しますから」

リチェットは顔色一つ変えずにそう言って、基地に向かって足を進める。

「何か嫌味な女ですね、きっと名家のお嬢様とかそういうのですよ」

来夏はぼそっと、私の近くで小声でしゃべる。

「私も母型は名家のお嬢様よ」

来夏に意地悪そうな笑みを浮かべる、来夏ってそういう失言をしやすいタイプよね……

「……そうでしたね、すみません」

来夏は謝る、何かこれ以上苛めても可哀想なので、何か言うのはやめておこう。


基地の中は惨状だった、何十名ものけが人が横たわっており、腐臭だのなんだので酷い状態である。

「これがこうなった原因ですわ、既に医務室も満杯、こうやってシートを敷いた廊下に人を置くしなない……蒸機鎧の損害はおよそ40機、現在稼働可能なのは保安官3機、軍7機……死者数に至っては数えるだけでも身の毛がよだつ彼らは絶望と恐怖を撒くだけ撒いて、去りました」

リチェットは悲しげな顔で言う。本当に最悪ね……

こういう事があるのは知ってたし、逆卍党との決戦後も負傷者の収容とかで見たけど、本当に良い気分じゃないわ。

「けが人の搬送は?」

「残った飛空艇が1機、それに4機のピースメーカーがつけて送ってる最中です。彼らに目を付けられぬよう独自の空路で行ってますが……焼け石に水ですわね」

「状態は切迫してる、と言う事ね……今の司令は?」

「司令は今は医務室にて治療中。保安官側のリーダーである私が彼の推薦により代理をつとめております……形式的には軍の徴兵を受け、実質的な階級は少佐と言った所ですわね」

「なるほど、なら貴方他に指揮官クラスの人間を集め、当面についての会議を行う必要があるわね……こんな状況では対処をしようにも不可能よ」

ここまで酷いと言うのは想像していなかった。けど、この状況で手をこまねいていても何もならないわよね……

「ええ、それについては私も同じことを考えてましたわ」

私と同じ意見を持ったからか。リチェットの厳しい顔が、僅かに綻びを見せたように見えた。


凄い久しぶりの投稿……でもここ1月から1章から2章まで多少の文書改正をやりました。

これで少しは読みやすくなったかな?


感想、誤字脱字の報告お待ちしております。

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