表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/123

第十一話 ビアンカ女王の面影

翌朝、今日もエレニア軍の訓練が始まる。

参加者たちは、思い思いの装備で村から草原へと移動する。


「ふんふんふん〜ドはど根性のド〜、レはレモン汁のレ〜」


そんな中、なんかご機嫌なセリーナ姫は、今日も変な鼻歌を歌いながら道端をほうきでお掃除中。そこに、シリウスがおっきな槍を携えてやってくる。


「セリーナ姫!おはよう!」

「……それは何?」

「女王様の槍!これを、クレア姫に渡そうと思って!」


挨拶を交わした後、早々にシリウスは道の先にある、クレア姫の家を訪れる。


手にするのは……オレンジ色の装飾が施された、立派な大槍。穂には木製の剣が付いているが、取り外して刀剣に差し替える事もできる。

それは、ラガルトに頼み込んで、特別にあしらえた、女王ビアンカの槍!


「おはよう!」

シリウス、クレア姫の部屋に着くなり、ひざまずいて大槍を差し出す。

クレア姫が戸惑いながら尋ねる。

「え……これは……」

「女王様の槍!受け取って、欲しいんだ。」


クレア姫、ひざまずくシリウスに、静かに歩み寄り、大槍を手に取る。遠い記憶が、鮮明に蘇る。

長い柄は、鮮やなオレンジ色をまとう。槍を手に直立する、凛とした母親、偉大なる女王ビアンカの面影が駆け巡る。


「お母さま……」

クレア姫の眼に、涙が浮かぶ。


シリウスが、優しく手を差し出す。

「さあ、行こう。」

「……うん!」

クレア姫、深くうなずいて、シリウスの手を取る。


シリウスとクレア姫、手を取りあって、エレニア軍の訓練に向かう。サイラスが与えた指令、ここに完遂!


「おはよう!」

「おはようございます!」

すれ違う村人と、明るく挨拶を交わす。

「え……と……なんか、はずかしいかも……」


大丈夫、もう、村の人はみんな、知ってるから!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ