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第二話 広場での違和感

その時、収穫祭で賑わう広場を鋭い目付きで睨みつける、軍服に身を包んだ親子がいた。


エレニア軍を統括する将軍ファルカンと、その息子ファビア。

ファルカンは、小国エレニア軍の精鋭を持って、大国と互角に渡り合う名将。がっちりとした体格が、威圧感を醸し出す。ファビアはまだ、王国の士官学校で学ぶ、あどけない少年。


ファルカンは、息子と共に広場の監視を続ける。

この祭りには、隣国であるシャフタル帝国の商人も多く訪れる。それ自体は珍しくない。

しかし、今年の商人に、ファルカンは違和感を感じていた。


目付き、身なりが商人とは明らかに異なる。

そう、屈強な軍人が擬装しているような……

そう、何かを視察するような鋭い目付き。


その嫌な予感は最悪の形で的中する。

その話はまた後ほど……


ーーーーーーーーーーーーーーーー

最後に、このお話の背景を説明しますね。既にご存知の方は、読み飛ばしてくださいませ。


舞台は、アゼニア大陸と呼ばれる大きな大地。

西にシャフタル帝国という大きな国、東に…えーと、名前忘れましたが、同じくらい大きな国があります。


そして、両大国にちょうど挟まれた所に、小さなエレニア王国というのがあります。

大国に挟まれたエレニアは、緩衝地帯として侵攻を受けず、聡明な女王のもとで自由で笑顔あふれる、活気にみちた豊かな国へと成長しました。


国を治めるのは、女王ビアンカ一世。

慈悲あふれる彼女の治世に、民は最大限の敬意を払います。


女王の美しいブロンドの髪は、太陽のように輝き、同じ色の髪を持つプリンセス、クレア姫も女王と民の寵愛をうけ健やかに育ちます。


これは、そんな国の物語。

あ、あと私の事も少しだけ。


私は歴史の語り部。

……というか、ただの歴史オタクでございます。

せっかくの知識を、みなさまにお伝えしたく、お時間を頂戴しております。

私情、感情は「一切」挟みません!

淡々と、正確に、歴史を綴ってまいります。


どうぞ最後まで、お付き合いくださいませ。


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