見るに目の毒触るに煩悩②
「何だコレ?」
天乃はポツリと言葉を零す。
「左眼が消えた人形が五体…。まさかとは思うが…。」
天乃は指を折り数を数えていく。
親指を曲げる。
『自殺をした水瀬智絵。』
人差し指を曲げる。
『笠原に殺された折原響子。』
中指を曲げる。
『誰かに殺された笠原慎二。』
残った薬指と小指を眺め…。もしかして、後2人犠牲者が?と呟く…。
『いや…。其れは考え過ぎか…。だとしても、何故…。笠原の家にこんなモノが?コレも偶然なのか?』
天乃はアクアリウムの中を覗き込んだ。
中央にあるビルの屋上。ビルの隅。自動販売機の裏。倒れかけた信号機の傍。自動車の中…。
『まぁ。遠からず近しいか…。中央のビルの屋上は水瀬智絵。ビルの前が片桐響子。自動販売機の前に笠原慎二…。だとすれば信号機と車の中か…。』
天乃の脳裏に過る記憶…。
【あたしの目は左右で見える光の加減が違う。右目は鮮明に色を見る事が出来るが、左目は色褪せた色を見る。】
天乃は小学生の頃、事故に巻き込まれて左眼を損傷し後遺症があるのだった…。その時に天乃がいたのは車の中…。
『あたしも生贄様に選ばれているのだとしたら…。』
ゾクリとした感覚が脊髄にあった。最悪な考えを振り切る様に天乃は…。笠原に聞いていた、とある場所へと眼を向ける。
アクアリウムの置いてある机の下。聞いていなければ解らないであろう床下収納庫。天乃は手を伸ばしてソレを開ける。
ギィギィと少しの音を立て蓋が開いた。
『ビンゴだな…。』
其処には日記帳があった。




