想像と創造。
ソレから…。
「想像は創造へと変化する。幽霊とは想像が産み堕としたモノだ。」
と続けた。
僕の内で底知れぬ不安が膨らむ。
「だったら幽霊は存在しないと云う事になるじゃないですか?だったら…何故、僕には死んだ女の姿が見えるんですか?」
「慌てるな笠原。あたしは存在しないと言ったか?」
『えっ?』
存在するとも言ってないけどな。そう言って夢見る少女の様にクスクスと笑った。
「巫山戯ないで下さいよ。」
彼女はいつもそうだ。人で遊んでいる。人が寄り付かないのは、その所為だ。美しい容姿は、まるで意味が無い。この性格が、人との付き合いを疎遠にしているのだ。呆れた眼で彼女を見ていると、総てを見透かすかの様な儚い表情を見せ…。
「今の言葉が世界の真実だ。」
と言った。
「世界の真実?」
「そうだ。この世界の唯一の真実だ。何故だと思う?」
僕は言葉に詰まる。
「この世界は何処に在ると思う?」
彼女は続けて質問をした。まるで…僕を試しているかの様に…。
少しの間、沈黙が続いた。暫くすると彼女は自らの頭を指差し、【世界は自分自身の頭の中だけに存在している。】と云った。