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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
幽霊 彷徨うモノ
9/106

想像と創造。


 ソレから…。


 「想像は創造へと変化する。幽霊とは想像が産み堕としたモノだ。」

 と続けた。


 僕の内で底知れぬ不安が膨らむ。


 「だったら幽霊は存在しないと云う事になるじゃないですか?だったら…何故、僕には死んだ女の姿が見えるんですか?」


「慌てるな笠原。あたしは存在しないと言ったか?」


 『えっ?』


 存在するとも言ってないけどな。そう言って夢見る少女の様にクスクスと笑った。


 「巫山戯ないで下さいよ。」


 彼女はいつもそうだ。人で遊んでいる。人が寄り付かないのは、その所為だ。美しい容姿は、まるで意味が無い。この性格が、人との付き合いを疎遠にしているのだ。呆れた眼で彼女を見ていると、総てを見透かすかの様な儚い表情を見せ…。


 「今の言葉が世界の真実だ。」

 と言った。


 「世界の真実?」


 「そうだ。この世界の唯一の真実だ。何故だと思う?」


 僕は言葉に詰まる。


 「この世界は何処に在ると思う?」

 彼女は続けて質問をした。まるで…僕を試しているかの様に…。


 少しの間、沈黙が続いた。暫くすると彼女は自らの頭を指差し、【世界は自分自身の頭の中だけに存在している。】と云った。

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