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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄様 ラプラスの悪魔
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ラプラスの悪魔①


 「あぁ…。天乃?どうだった?」

 天乃はベットの上で寝転がりながら神木とスマホで会話をしていた。


 「んあ?やっぱり七瀬紗希が関係してそうな気がするなぁ。色々と仕掛けてみたんだけどさ、思ってた以上に収穫はあった。」

 「どんな収穫があったの?」

 「【生贄様】を考えた奴が別にいるか、或いは共作。少なくとも【生贄様】に関して関わっている奴が他にいるって事だなぁ…。生贄様の儀式の途中で彼奴あいつ、ポツリと聞こえない程の声で言ったんだよ。」

 「何を?」

 「理央が聞き込みしてくれたお陰で、水瀬智絵と片桐響子、そして…。七瀬紗希の運命のカードを知っていたからさ。何もしないのもしゃくだったから、わざと七瀬が引いたカードを狙ってみたんだけど、その時に…。【あっ…。凄い…。あの人の言った通りだ…。あの子、あのカード引いた…。】って。」

 「あぁ。なるほど…。」


 神木は少し沈黙した後で言葉を置いた。

 

「と云う事は…。七瀬さんに何かを吹き込んでいる人物がいるよね。」

 「多分なぁ。となると、笠原を殺害した奴にも関係してくるよなぁ。本人か或いは助言しているのか…。七瀬の【あの人の言った通りだ…。】って言葉を真に受けるとしたら…。其奴そいつの預言者じゃね?」

 「そうだよねぇ。その言い方だと…。そうなるよね…。」


 うーん。と2人の声が重なる。


 「未来が視えてるって事だよね…。未来視や千里眼とか云われてる能力かぁ…。」

 まるで神様みたい…。神木はポツリと言葉を吐息の様に吐いた。


 「んあ?何で神様になっちゃうの?前にも思ったんだけどさ…。悪魔じゃなくて?」

 「ん?」

 「あたしは【ラプラスの悪魔】が思い浮かんだんだけど…。」

 「【ラプラスの悪魔】?」


 そうそう。【ラプラスの悪魔】だな。と、天乃は云い…。


 「フランスに天文学者であり、数学者でもあったピエール=シモン・ラプラスって人がいたんだよ…。そのラプラスって人が提唱した仮説がある…。【ある瞬間の総ての物質の力学的状態と力を知る事が可能な存在がいると仮定したのなら、未来を完全に予測する事が可能だと云った仮説だ。」


 と続けた。

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