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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄様 犠儀式
85/106

生贄様解体新書⑤


 「そうだとしてもさ。1つだけ解らない事があるんだけど…。」

 「んあ?」

 「水瀬さんが憑依されている動画見たよね?思い込みだけで、あぁなってしまったりするの?」


 うーん。と天乃は顎に指を添えた。


 「例えば…。狐憑きやら悪魔憑きと呼ばれるモノの殆どが【精神疾患】とされているんだよ。所謂いわゆる、精神の病だな。【生贄様】の様な遊戯ゲームでパニックになったり、意識を失ったりするのは、思い込む事で、なったりはするんだけど…。水瀬智絵の事に関しては、違う様な気がする。水瀬智絵が【精神疾患】だったとは思えないし、調べて貰ったけれど、そう云ったは無かったからな…。」


 「だとしたら…。」


 まぁ。【生贄様】の様な存在が全く存在しないとは言い切れないのだが…。と天乃は云った。


 「【生贄様】が実在している可能性もあるって事だよね?」

 「だから…。最初に云ったじゃないか…。存在もするし存在もしないって…。まぁ。真実を突き止めないと、解らない事もあるよ…。だからこそ、視てはいけないモノは視なくて良いし、知らなくて良いモノは知らなくても良い…。でも…。」


 「でも?」


 「あたしの後輩だった笠原が絡んでいるんだ。迂闊だったよ…。あたしには知る権利があるって事だ。例えソレが知ってはいけない事でもな…。」


 あっ…。遅くなったな。帰ろうぜ。と天乃は伶音の背中を軽く叩いたのだった。

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