生贄様解体新書①
「純粋な奴程、そうなるわな。」
と天乃はアニメで観る様なヤレヤレと云う素振りをして云った。
「【生贄様】の儀式をする前の事を覚えているか?前の事…。」
「前の事?」
伶音はキョトンとしている。
「儀式で使用するテーブルなんだけどさ。部屋の入口付近に、あんな大きな良いテーブルがあるのに何で態態部屋の奥に置いてあった小さいテーブルを使ったと思う?」
「えっ?言ってたじゃん。【生贄様】が大きなテーブルを嫌がって、なかなか来てくれないってさ。」
天乃は、おぅのぉ…。とポーズを取った。
「違う。違う。アレは小さいテーブルの方へと移動させる為の嘘だよ。嘘。」
「嘘?」
いや。嘘ではないのか…。【生贄様】を呼び出す為には、あの小さいテーブルが必要なのだから…。とケラケラ笑いながら天乃は云う。
「小さく少し不安定なテーブルが必要なんだよ。多分、対角線にある2つの脚が数ミリ程、短くなってるんだろうな…。少し、ほんの少しだけグラグラしていたから。」
そして問題なのがだ…。【生贄様】が巧妙に創られていると云う事だ。と、欠伸をしながら続けた。
「そもそもだ。【生贄様】って聞いて【生贄様】に、どんな印象を持つ?」
「生贄って云うぐらいなんだから禍々しくて善く無い事をするんじゃない?」
「そうなるよな…。其れが既に、こう云ったモノの術中って訳だよ。イメージしやすくなるんだ。【生贄様】って名前を与えられたソレは受け取り側の人間の中で、ある程度の姿を植え付けてしまう…。人によって姿が変わるのだけれども、明確なのは【生贄様】は善く無いモノって事だけが共通認識となる。生贄だったのだから、そうゆうモノなんだってね。」
「確かに…。僕の中では、山羊。そう黒山羊の姿をイメージしてたよ。智絵さんの動画を視てしまうと尚更ね…。四足歩行っぽかったし、涎垂れ流してたし、理性が無くなっているみたいだった。」
伶音は自らの言葉に身震いをしていた。




