犠儀式②
言い忘れてました。と七瀬は云った。
「3枚のカードに書かれた言葉はカードを引いた方の運命をも示すと云われてます。何故なら【生贄様】は相性の合う人を探しているからです。知りたい事を教える代わりに、生贄を求めていると云われてます。何度遊んでも、1つだけ変わらない事があります。初めて引いたカードが、その人の運命を決めるのです。」
七瀬は1呼吸置いた。
「そして…。【生贄様】が禁止されたのも、ソレが関係しているのです。ある人はパニックになり、ある人は意識を失いました。そう云った事が続いたからです。」
其れは先日、神木に【生贄様】を調べてもらった際、解っていた事だった。水瀬の自殺を皮切りに、【生贄様】を行なった人の何人かが、儀式中、或いは儀式の後、パニックになったり、意識を失っていた事があったのだと云う。
『だろうね…。そもそも、こういった遊戯は、そう云ったモノだし…。』
「私の親友も、選んだカードの運命から逃れられなかったのです。水瀬は【殺されてから供えられた物】のカードを引き…。片桐は【供えられてから殺された物】のカードを引きました。パニックになった人も意識を失った人も、この2枚のカードを引いたからだと云われています。」
七瀬は俯きながら、言葉を飾る。
「と云う事は…。【殺されずに神域で飼われた物】が無難なのかな…。まぁ。実際にはどれ引いても何も変わらないんだけどね…。』
天乃が考えている最中、七瀬は、もう1度カードを手に取りシャッフルする。そして…。3枚のカードをテーブルへと並べていった。
「1人1人順番に、選んでいって下さい。私は以前に引いて【私の運命のカード】を知っていますので、最後に残されたカードで良いです。では…。運命に身を任せてカードを引いて下さい。引いたら他の人には見せない様にして下さいね。」
『ふぅん。そう云う事になるのか…。』
「はい。」
伶音は左、真ん中、右の3択から真ん中を選ぶ。
『まぁ。真ん中のカード取るわな…。で、もしもコレを意図的にやっているのなら、【殺されずに神域で飼われた物】が残ってる可能性が高い…。そして…。次はあたしの番と云う訳か…。』
「七瀬さん。お先にどうぞ。」
天乃はそう云って、右手をチョコンと差し出した。対面にいる七瀬は…。そうですか…。では…。と云って七瀬から見て、右側の方へと手を伸ばす。
「あっ…。やっぱり私で良いですか?」
そう告げて、天乃は七瀬より先に、そのカードを取った。七瀬の表情は少し曇る。
『さぁ。どうでる?』
天乃は引いたカードへ眼を向ける。
【殺されずに神域で飼われた物】
と、書かれていた。天乃は七瀬の方へと視軸をずらす。
「あっ…。凄い…。あの人の言った通りだ…。あの子、あのカード引いた…。」
と七瀬は小さく呟いていた。




