表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄 七瀬紗希 殺されず神域で飼われた物
54/106

此のアクアリウムの様な世界で…。⑦


 私は悪夢を視た。


 自殺をした水瀬みずせ智絵ちえが横たわりながら、此方に向かい呪詛のことばを吐いている。


 【何で…。】

 【何でなの…。】


 水瀬の姿は…。

 まるで魚の様だった。


 焦点が合わない虚ろな眼。

 左眼の箇所は穴が空いている。

 パクパクと動く青白い唇。

 生々しく蠢く肉瘤。

 呼吸する度に伸縮する胸。

 グニャグャニとした骨が砕けた両足。


 其れは壊れた玩具みたいに…。

 同じ動きを繰り返している。


 【私が嫌いになったの?】


 「そうよ…。貴方がいなければ…。彼女は私のモノになったのに…。」


 【だから私を殺したの?】


 「人の所為せいにしないでよ。貴方が勝手・・に死んだんじゃない。」


 【私の《左眼》を返してよ。】


 「それは生贄の印でしょ?」


 【私は何の為に生贄になったの?】


 「それは…。」


 【答えられないの?】


 「………………。」


 【答えられないわよね。】


 「五月蝿い。」


 【願いが叶わなかったから?】


 「煩い。」


 【そうよね。だって響子は…。】


 「五月蝿い…。五月蝿い…。五月蝿い…。」


 【紗希の事なんて…。】


 「五月蝿い。喋るな…。」


 【愛してなかったんだもん。】


 「もう1度…。死ね。」


 そうして私は傍にあったコンクリートブロックで水瀬の顔を幾度と無く殴り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ