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此のアクアリウムの様な世界で…。②
幼い頃。傷付いた仔猫を道端で見つけた。車に足を轢かれてしまっていたのだろう。其の仔猫は深く傷付いており、傍らには親猫と思われる死骸があった。
可哀想だと思った私は…。
仔猫を拾った。
だが家に連れていっても家族に怒られてしまうと思い、誰も知らない秘密の場所で飼う事にした。仔猫は怪我が酷く治療しなければならない状態だったけれど、当時の私は幼かったし、子供1人ではどうしようも無かった。
「死なないで。」って願い続けている私だけを仔猫は頼りにする。円らな瞳で私を視て、甘えた声で私に擦り寄ってくる。
毎日毎日、私は仔猫の様子を観に行った。仔猫が弱らない様に。仔猫が死んでしまわない様に。神様に頼んだ。仏様にも頼んだ。でも…。ある日の事。仔猫は動かなくなっていた。氷の様に冷たくなって死んでしまった。
悲しくて泣いた…。
哀しくて泣いた…。
ずっとずっと泣き続けた。
思い返せば…。
仔猫が死んだのは…。
当たり前の事だった…。
だって…。
私は…。
ただ観ていただけなのだから…。




