表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄 片桐響子 供えられた後に殺された物
45/106

不条理劇 正邪


 私と紗希の仲に、少し溝が出来た。その溝に互いの感情が流れると、急激に溝は深く広くなっていった。築くよりも壊れてしまうのは容易いのだろう…。紗希は別人の様になった…。髪を短く切り、服装も変わり、喋り方も変わった。彼女は、もう私の知る彼女では無くなってしまった…。


 紗希が私から離れてしまうと、全ての矛先は私に向けられた。智絵の時と同様、陰口を言われ、無視をされる…。私の存在を否定するかの日々が訪れた。紗希は、何をする訳でも無く、ただ無言で此方を視ているだけだった…。


 きっと…。

 其れも間違ってはいないのだろう…。

 自己保身の為だ。

 仕方無い事だとも思う。

 

 でも…。

 悲しかった。


 『信じていたのに…。』


 哀しかった。


 『何で視て視ぬ振りをするの…。』


 私は、私の存在を否定される。此方が語り掛けても、誰も振り向きはしない…。視えているのに…。視えている筈なのに…。私は存在しない様に扱われる。


 【幽霊】にでもなった気がした…。


 いるのに…。

 私は此処にいるのに…。

 何かを伝えようとしても…。

 誰も聞き入れてはくれない…。

 いるのに…。

 私は此処にいるのに…。

 視界に映り込もうとしても…。

 その瞳に私は映ってはいない…。


 あぁ…。

 智絵も、こんな感じだったの?

 こんなにも息苦しくて…。

 こんなにも苦しかったの?


 『お願い…。』

 『誰か助けてよ…。』

 『この不条理な世界から…。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ