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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄 片桐響子 供えられた後に殺された物
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不条理劇 貴女へ


 私は廃墟と化したビルにいる。数年前までアパレル関係の事務所に使われていたビル。ビルの中には、朽ちたマネキンが乱雑に倒れている。此処は貴女が飛び降りて死んだ場所…。


 貴女は【生贄】になったのでしょう?


 貴女が持ってた身代わり人形…。左眼が無くなってたんだよね?私、聞いたの…。左眼が無くなった人形は【生贄】の証なんだって…。


 貴女は逃げられたのね…。

 この世界の不条理から…。

 でも…。

 其れが正しい選択だったのか…。

 私には解らない。


 『ねぇ…。知ってた?』

 『私は貴女を愛してた。』

 『貴女は気付いていなかったでしょう?』


 貴女が存在しない世界は…。

 まるで色褪せた絵画の様…。


 貴女が居なくなって…。

 不条理の矛先は私に向けられた。

 次は…。

 私が…。

 【生贄様】に選ばれるのでしょう。


 私の身代わり人形…。

 貴女の時と同じ様に…。

 左眼が無くなってたから…。


 きっと…。

 私には耐える事が出来ないと思う…。

 その時は…。

 貴女が待っている世界に行くからね…。


 この考えは…。

 不条理なのだろうか…。

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