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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
生贄 水瀬智絵 殺された後に供えられた物。
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限界


 限界になった。


 悪質で陰湿な虐め程、悲惨なモノは無い。誰かに訴えた所で此方が不利になるだけだった。証拠と云う証拠が無かったからである…。してや、あの動画の姿を視る限りでは、私の気が触れていると、逆に責められても仕方無い事…。幼馴染の2人は私を擁護してくれてはいたのだが多勢に無勢で、両親に相談してはみたけれど体裁を気にしていたからなのか、ろくに話も聞いてはくれなかった…。


 そう。限界になったのだ。

 負の感情が飽和し、臨界となったのだ。

 その頃から…。

 私は悪夢を視る様になった…。

 其の夢は、こんな夢だ…。


 私はアクアリウムの中にいる。その水槽の中で、私は1人孤独にユラユラと泳いでいる。しかし、夢であるのにも関わらず、呼吸する事は出来なかった…。息苦しくて、息苦しくて、藻掻もがいて、藻掻いて、足掻あがいた。助けを求めようと声を出そうにも口腔は水で満たされ、声にはならない…。死ぬ事が出来ない様で、苦しみだけが続くのだった。嫌になって、逃げたくなって、水槽の硝子ケースに、ひたすら頭を打ち付ける。でも、水の抵抗で勢いは消されてしまう。其れでも頭を打ち付け続けた。気付くと私の顔は肉瘤にくこぶだらけになるのだ…。


 現実も夢も私を責め立てる…。嫌になって…。逃げたくなって…。死にたくなった。

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