36/106
降霊
「生贄様に取り憑かれてる。」
クラスの生徒に、そんな事を云われた。あの時の動画が拡散されたらしかった。私達は常に3人で遊んでいたのだから、あの時の動画を拡散したのは残りの2人の誰かとなる。でも、私達3人は幼稚園の頃からの幼馴染で、険悪では無かった。寧ろ他のグループよりも、絆はあったとは思う。2人が動画を拡散するとは到底思えなかった。
私達3人は常に同じ様な格好をしていた。同じ髪型。同じ服装。似たような喋り方。身につけるアクセサリーも、鞄に付けていたアクセサリーすらも同じだった。
「私達、ソウルメイトだね。」
幼馴染の1人、七瀬沙希は、そう言っていた。ソウルメイトとは、魂の世界や前世から深い縁で繋がっている存在。魂の使命を教示してくれる存在、或いは、前世から深い関わりがある存在と言う事になる。
私達は何をするのも一緒だった。同じモノを共有し、同じモノに共感する。だから、裏切る様な事はしない。
だとしたのなら…。
あの動画を拡散したのは…。
誰なのだろう…。
学園内で…。
会う人会う人が…。
すれ違う度…。
指を指しながら…。
私に言う。
「生贄様に取り憑かれてる。」
幾度も。幾度も。
聞かされると…。
私は…。
取り憑かれているかも知れない…。
そう思う様になっていった…。




