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憂鬱な天国 Ⅰ 幽霊  作者: 倉木英知
蠱毒 毒と成る。
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私は…。毒に成り得るのだろうか?


 私は子供の頃からの夢だった薬剤師をしている。勤め先は月ケ丘総合病院の近隣にある規模の大きな薬局だ。此処は都内にあり、廻りには様々な施設が隣接している。ショッピングモール、広大な公園、スポーツ施設、リゾート施設、高等学校、大学。


 近くには海があり、潮の香りが風に紛れて運ばれてくる。月ケ丘総合病院は海側の突き当たりにあたる場所に建設されていた。   


 薬には様々な種類がある。錠剤、カプセル剤、散剤(粉薬)、顆粒剤、液剤、坐剤、膣剤、貼り薬、塗り薬、点眼薬、吸入剤、噴霧剤、エアゾール剤、点鼻剤、点耳剤、浣腸剤…。


 そして注射剤。


 《医薬品》

 病気を治療や予防する事を目的とする有効成分の効果、効能が厚生労働省によって証明されている薬。そして、内服や注射をした時など体内に吸収された時人や動物に副作用などの危害を起こしやすい毒性・劇性の強いモノを【毒薬・劇薬】と云う。


 《医薬部外品》

 厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が一定の濃度で配合されたモノ。治療と云うよりかは防止、衛生を目的に造られてたモノ。


 《毒物・劇物》

 生物の生命活動にとって不都合を起こす物質の総称。毒性の強いものが毒物。やや弱いものが劇物。


 薬とは人を生かし、人を殺す。私は人体に侵入し、その体内を駆け巡り影響を与える薬の魅力に憑かれてしまったのだろう。


 16世紀生存していた医師パラケルススは総ての物質は有害である。有害でない物質はない。用量に依って毒であるか薬であるかが決まる。と説いている。


 ならば私も毒に成り得るのだろうか?人の生き死にを決定する…。そんな毒薬になれるのだろうか?

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