ハッシュヴァルトについて
星十字騎士団団長。
最高位。
見えざる帝国の実質的No.2。
次期皇帝とも称される男。
『ハッシュヴァルト』について考えてみたいと思う。
ハッシュヴァルトの
『デタラメさ』について考える際に分かりやすく、
『ハッシュヴァルトVS星十字騎士団のその他全員』
という戦い(if)が起こった場合について考えてみよう。
前提として、
ハッシュヴァルトの能力は、
『攻撃全部跳ね返す系』である。
そのため、星十字騎士団のほとんどの団員の攻撃はハッシュヴァルトには『全く通じない』。
『我が身に起こる“不運”は全て』身代わりの盾で受け止めるハッシュヴァルトには、
炎も、毒も、監獄も、恐怖も、
全く効果がない。多分。
攻撃を放った本人に、そのまま跳ね返されて終わりだろう。
『リジェさん』の攻撃ならどうだろうか?
……おそらく、通じないと筆者は思う。
ハッシュヴァルトは、身代わりの盾で『我が身に起こる“不運”は全て』受けて、
しかもそれをそのまま『跳ね返す』。
万物貫通のリジェさんとハッシュヴァルトの間で、攻撃の『跳ね返し合戦』が起こり、その巻き添えを喰らって次々と倒れていくその他の星十字騎士団団員達、という図式が筆者の頭の中に思い浮かぶ。
『跳ね返し合戦』を生き延びるのは、
リジェさん、グレミィ、ペルニダ、ジェラルドさん
……くらいだろうか。多分。
ここで、一旦ハッシュヴァルトの
『攻撃能力』についても考えてみたい。
ハッシュヴァルトは
一護の天鎖斬月を『自らの剣で斬り折っている』。
非常に霊圧高度が高いハズの『一護の卍解』の刃を、ハッシュヴァルトは腰に帯びた剣で『普通』に切断している。
さらに、
ハッシュヴァルトが『蒼都』を斬った時の描写。
蒼都が『鋼鉄』でハッシュヴァルトの刃を一回肩で受け止めた直後、マンガのコマの中に『天秤のイメージ』が現れて、結局蒼都はハッシュヴァルトに袈裟斬りにされている。
これらの描写からして、
ハッシュヴァルトの能力
『世界調和』は、
強制的に周囲の世界のバランスを崩して、
相手側に対して一方的に『結果』だけを押し付けるということが可能なのではないか。
つまり、『世界調和』は
ハッシュヴァルトの意思次第で、
『斬れません』→『斬れました』
『防げません』→『防げました』
に強制的に変換することが出来る能力。
さらに、攻撃を躱す、あるいはすり抜けることが出来る相手に対してさえ、
『当たりません』→『当たりました』
『効果ありません』→『効果ありました』
に強制的に変換することすら可能かもしれない。
もしそうであるとして、
先の『跳ね返し合戦』を生き延びた四名が
ハッシュヴァルトと相対したとする。
その場合、
リジェさんは、
『万物貫通できます』→『貫通できません』
グレミィは、
『想像力で回復できます』→『回復できません』
ペルニダは、
『体表で吸収できます』→『吸収できません』
ジェラルドさんは、
『力の奔流で押し潰します』→『押し潰せません』
このように、ハッシュヴァルトと相対した者それぞれの能力が、『世界調和』によって強制的に崩され、変換されてしまうだろう。多分。
さらに、『斬れません』→『斬れました』に
『世界調和』を崩し、『跳ね返し合戦』を生き延びた四名を次々とその刃で屠っていくハッシュヴァルト、という図式が筆者の頭の中に思い浮かぶ。
ノーダメージで星十字騎士団を一人で全滅させたハッシュヴァルトの前に最後に立ちはだかるのは、
『陛下』その人である。
ここで一旦、
『陛下の性格』について考えてみよう。
陛下は、
『自らの理解を越える者を側に置きたがる』
という性格をしている。陛下は『藍染惣右介』でさえ自らの傍らに置こうとした経歴がある。
これはおそらく、『全知全能』の陛下にとって、『自らを脅かす可能性のある者』こそが、『自らの友として相応しい』という陛下の『誇り高さ』の表れなのではないか。多分。
ハッシュヴァルトや、エス・ノトや、雨竜や、一護を『陛下自ら』ヘッドハントしに行ったのも、
自らの理解を越える者・自らを脅かす者に、ある意味『敬意を評して』の行動なのではないか。
デタラメなハッシュヴァルトの能力ならば
『未来改変のバランスを崩して、陛下を斬る』
ことが可能なのかもしれない。
それが、ハッシュヴァルトをして、
仲間達から『次期皇帝』と称される所以
なのかな、と思う。多分。
「お前が見せた夢だと思っていたよ」
「ハッシュヴァルト____……」
つまり、陛下自身、
『自分を倒すヤツが現れるとしたら、それはハッシュヴァルト…かな?』
と心密かに思っていたのではないか。多分。
しかし、ハッシュヴァルトは
陛下に『忠誠』を誓っている。
故に、
仮に陛下を倒せるほどの力を持っていたとしても、
ハッシュヴァルトは陛下に刃向かうことは
しないだろう。
自らの能力、『世界調和』よりも
さらに大きな『世界の調停』を考えての
『自分が思う世界のバランスの為の忠誠心』。
……こいつ死神に向いてんな、と誠に勝手ながら筆者は思う次第である。
バランスだけでは
『頂点に立てない』。