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SOYUZ ARCHIVES 整理番号S-22-975  作者: Soyuz archives制作チーム
Ⅲ-7. 対 究極兵器 前編
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Chapter164. Shining unity

タイトル【輝く結束】

冴島率いる部隊の総攻撃によってポポルタ線に移動した改造地竜。


度重なる集中砲火によってダメージを蓄積し、主砲は暴発し脱落。

逃走を図ろうとした瞬間、重機によって動きを止められた挙句、ソフィア駆るイデシューが立ちふさがったのである。



部位破壊を試みるも、スキを突かれ腕を噛みつかれエネルギー源である魔力を吸われていた。


関節がない機動立像だが、実体部を抑えられてしまえば意味がない。

人間にしてみればすさまじい勢いで血を抜かれているようなものだ。



だがソフィアは焦ることも、ましてや恐れることは一切ない。

表情はむしろ「()()()()」と言いたげだ。



VVVVVVVVVVVV!!!!!!!!!!


頭つかみかかると上顎を馬鹿力で引きはがし、開いた口にありった23mm機関砲を叩き込んだのである!


こちらも逃げられないのならば、敵も動けない。



丁度いい。


魔力の塊を吐き出して様々な魔法に変化する厄介な「闇のブレス」や噛み付きを封じるいい機会だ。



どのみち硬い表皮に当てても意味がない、ならばここで一気に使い切ってやろうではないか。

そう言わんばかりに、限界まで出力を上げ鋭い指を皮に食い込ませ、凄まじい勢いで機関砲弾が流れ込む。



その勢いはガトリング砲の一斉砲火を弱点に受けているに等しいのだ!

同時に役目を終えた薬莢が滝の様に降り注ぐ。


だがまだまだ、イデシューの巨大な手を突っこむには入り口がまだまだ小さい。



ならばこじ開ければ良いこと。


————GRaaaCH!!!!!



関節と肉が引き裂かれる生々しい音と共に地竜の口が空きっぱなしになってしまった。

力任せに顎を外したのである!


いくら無敵の地竜と言えど、粘膜である口の中をコンクリ壁すら貫く機関砲弾を受ければただでは済まず、血しぶきが舞う。


閉じれないのなら好都合。


ブレスを封じるため猛禽のように鋭い指先が竜の口腔内にある魔線、即ち人間でいう舌付け根に掴みかかる!




それに加え、まるで舞踊のように怪物の背中を火砲が飛んできた咆哮に向けさせた。

今や口に爆弾を放り込まれた状態に等しく、肉塊の一つや二つ引きちぎることも可能。



【砲撃急いでください!】



「そぉら撃てェェェ!!!!」



既に突撃砲・主体砲部隊は装填を済ませている、動かない目標など扇の的。

砲術長の一声で流星のように砲弾が撃ちあがる!



———ZDoooOOOOONGGGG!!!!———ZLDaaaaaAAASH!!!!!———



いくら頑丈とは言え、魔導シューターがはがれた場所は弱点に他ならない。

凄まじい爆風と破片が肉を切り裂き、血を飛ばす。



【く、クソォッ!殺して、殺してやるゥゥ…!】



本気で殺される事を悟ったゲイルは哀れにも悪あがきを続けていた。

鋭い爪でイデシューの重要なものが括り付けられている背中を爪で切り裂こうとするも、情け容赦のない裏拳で左腕の鉤爪が粉砕される!



砲撃が止んだことを悟ったソフィアは、舌根を握ったまま頭をスレッジハンマーのように何発も何発も殴りつけるのだ。


———GRASHHH!!!GRASHHH!!!!!———……————GRaaaCH!!!!!


殴打の末、ついに魔線が生理的嫌悪を抱かせる音と共に千切れる。まるで手についた生ごみの破片を振り払うが如く投げ捨て、間髪入れず刃のようなレバーキックが炸裂した。



それでもゴジラは倒れない。だが静かに怒れる彼女にとっては都合の良いサンドバッグと化してしまう!


間接武器を失ったゲイルは懲りずに爪を突き立てようとするが呆気なく弾かれ、首根っこを掴まれる。絞殺しようというのか。









—————————







残念ながら、静かに怒れるソフィアはそこまで情け深い人間ではなかった。

自分の魔力によって引き出される最大出力にモノを言わせ、中央広場にたたきつける。


暴走はその程度で収束するわけでもなく、竜に馬乗りになると上から顔を抑え眉間にひたすら拳を振るう。更には頭についた機関砲で滅多打ちにし、追い打ちも欠かさない。


もう一度息を吹き返すせないよう、確実に殺すためにこの手を取ったのだ。


それに殴る蹴るや豆鉄砲ではまだまだ確実性に欠ける。


機関砲の残弾が出なくなった直後。

彼女は迷いなく、コックピットにある箱の黒いボタンを一気に押した。




それ即ち、グラード用6連装122mmロケット砲の一斉掃射を意味する!



—————BLAAASHHHH!!!!!KA-BooooOOMMM!!!




挿絵(By みてみん)



建物すら抉る爆薬の塊が虫の息となった改造地竜を襲いかかり、辺りには鉛色の煙が広がった。






だがまだ、まだまだ足りない。

怒れる人間は決して彼女だけではないのである!ここを職場にしていた建設機械師団の面々。


ゲイルにとては虫けら以下の雑魚ども。動けなくなった竜に重機が群がる。




HITACHI


KOMATSU


KOBELCO




3つの威圧的ロゴマークが掛かれた油圧ショベルが一斉に中央広場に進軍を始めたのである。戦闘車両ではない彼らが何故。


作業が中断、進捗が破壊。苦労した設備を菓子のように破壊され怒り狂ったスタッフが、確固たる殺意に触発されたからだ。



「やってやるぞ嬢ちゃん!」



「野郎、好きなだけぶっ壊そうとしやがって。責任もって俺達がぶっ殺してやる!」



「作業場滅茶苦茶にしようたァいい度胸じゃねぇか!マグロでも食ってろこの野郎!」



トーチカ解体用の強力ブレーカーを装備した無数のショベルが、マウントパンチで殴られ続ける地竜に押し寄せ、生きたまま頭をカチ割るべく突き付けた。



———GRRRRRRRR!!!!!!!



本来は石膏や石造りの建物を解体するための設備。ここでゲイルにとって不幸なことがあった。


地竜の皮膚は「()()()()」固いのだ。

チェーンソーと生木の関係に近く、一方的な蹂躙が可能である。



最初は武器もない人間をなぶり殺しに来た蛮族が、逆鱗に触れ生きたまま解剖される。

なんと皮肉的な末路だろうか。



抵抗を試みようとするが増援でやってきたバックホン、いわゆるショベルに取り押さえられ、ガリバーのように縛り付けられたまま解体が再開される!



この状況を一言で言い表すなら地獄がふさわしい。














———————————————
















蓄積されたダメージ、イデシューによる質量暴力、重機有志連合の尽力でついに改造地竜は殺すことが出来た。



亡骸はひどいもので、レントゲンに通さなくとも分かる位に頭は変形し、後頭部に至っては脳に至るまでえぐれていた。

恐らくこれが死因となり、生き地獄のような苦痛を味わいながら死んでいったことが想像できる。



どんな生き物も脳を破壊されれば死ぬ。たとえ戦車砲をモノともしない怪物であっても。



被害状況の確認と復旧は建設機械師団が、死体はバイオテックの管轄になった。

さっそく白衣をきた研究員が砕けた爪破片や肉片まで回収し保管する。



ソフィアが出来る限り損害を出さずに戦ったため、四散した資材などをかき集める程度で済んでいるが、一番面倒なのは死体の後処理。



怪しい光線を当てて爆殺していないため、15mの肉塊が鎮座していることになる。


加えて重量も嵩み、試算によれば45tあるという。

最もな話、異常なほどの体積が問題となってくるのだが。



一報を聞いてメンゲレが駆け付けており、助手の真木が彼に報告書を手渡していた。

動物部門は解剖が出来ないので真木博士に任せているが、一応責任者という称号がある。



「——ああ、真木君か。見分の方に目を通させてもらったよ」



「頭部の激しい損壊・口腔内器官の破損・爪の破損・顎関節の脱臼どころか、支持筋肉の断裂。ここに来て最初に遭遇した生物をぶっ飛ばしたよりは…形が残っているだけマシだ」



「ブレーカーをぶっ差して脳組織をミルクシェイクにならなかったのも良い。骨格標本をつくるうえで補修は最低限で済みそうだ。ただ解剖学となると話は変わってくるだろうな、口の中が滅茶苦茶でアレか?地中貫通爆弾でもぶちこんで殺したようには思えないが……」



「真木君、覚悟は出来ているだろうね。研究はブブ漬けの冷凍倉庫をしばらく貸し出す、そこは安心したまえよキミ。」



大まかに目を通してみたが、内蔵は頭周りを除いてほとんど無傷。


ただ骨格標本一番の見どころである頭の損傷がひどいため、国宝修復と同等の気張りが必要となるのは確かだ。


例えるなら爆散した土器の破片を1つずつ接着剤を着けて形にするくらいの苦労がいるらしい。




 「ざっと学術的に見ればそれだけだが、問題はそれ以前にあの死体をどうやって運ぶかだ。私はメートル法以外の単位を滅ぼしたくて仕方ないが…40ftコンテナに入りきらんそうじゃないか。えぇ?もっとわかりやすい単位を使えバカタレが。それはいい」




演説はここまでとして、実用的な話に入る。


航空輸送になることは決まったそうだが、輸送機の積載量や第一コンテナに収まらないのでソフビ人形のように分割する。


この決定は博士が決めたわけであるが。



「斬首した後適当に分割、それでコンテナに積み替えて輸送機で運ぶらしい。もちろんクール便でだ。アイスを持ち替えるのにドライアイスを入れないバカいるか?それと同じだ。君、疲れてないか。私とあんのボケナス共とは訳が違うんだぞ」




「そもそもゾルターンに生える謎のFUCK物の研究で忙しいからな。ともかく、だ。私の所から使えるヤツを派遣しておく。あ、そうそう。使えなかったら射殺していいからそこの所よろしく。報告書を楽しみにまっている」




ヤード・ポンド法を憎みながら、話題は人員の事について移行する。



解剖ができる植物分野のスタッフを回す、とのことだ。

火竜や撃墜飛竜の解剖などでも人がだいぶ食われた前例があるため、かなりの人数大動員してくれるらしい。



真木が優秀な研究員であることもさることながら


メンゲレの「欠損すると破壊活動を行うようになる三大ポリシー」の一つ、人員不足に該当するからに他ならない。




「多分私のイエスマンを回したところで作業スタッフが足りなくなるだろうから、ゴプニクを脅してハリソンにいる肉屋にも手を回しておいた。相棒のボリス共々合体させてやろうかと言ったら首を縦に振ってくれたよ。長々とすまないね。」




頭でっかちの学者ではなく、作業に特化した職人の手も時には必要だ。大手ラボでは試薬調整をアルバイトにやらせているのと同じだが、時間をこんなところで食っていられない。



こうしてバイオテック、建設機械師団。様々な方面が動き始めていた。















——————————————














「こいつの首を撥ねろなんて言うけど、カッターじゃあ切れねぇぞ?」



「やるしかねぇさ」



例のサイボーグが絶命した周りでは、防水シートが張られ無数のクレーンやショベルなどで囲まれていた。


脱落した魔導シューターの回収は容易だったものの、問題はそのおまけである死体だ。



これがなかなか厄介で、建築用カッターでないとマトモな傷一つ着かないのだ。



たまたま弾痕がある表皮を切ってみたところ、まったく傷がついていない有様。


こんなもの生物学者以外どうだって良いが、前には太い血管を切ってしまったらしくバケツをひっくり返したような血が噴き出したこともあった。


季節は炎天下が容赦なく照り付ける夏ともあって肉が簡単に腐る。

そのため解体作業に集中せざる得ない状況になってしまった。



ようやっと解体が完了左右の腕部からトラックが持ってきた冷凍用のコンテナに放り込み、飛行場へと運んでいく。



———15時56分




「手羽先でもこんだけ時間かかるたぁな。先が思いやられる…」



何時間をかけてようやく腕部と脚部の解体終了。

ケンタッキーでいうところの一番肉があって食べ応えのある部位だけだ。



けれど一番体積を取っている胴体と首がまだ残っている。


フライドチキンにする部位は関節があるため「切り分けすることが」出来た。


一番砲弾が撃ち込まれ、なおかつ最も頑丈な胴体は重機を全く受け付けない有様だ。

あまりにも作業が進まないため、責任者の加藤が来ている程である。




「ダァメだこりゃ。ビクともしやしねぇ。加藤さん、これもうコンテナに突っ込んじまいましょうよ。腐りますよコレ。」




作業に取り掛かるオペレーターの一人が彼にそう呟いた。もうかれこれ何時間もカッターを突きつけているにも関わらず、まったく刃が通らないのだ。ここまで来ると虚無さえ覚えるだろう。



「ここまでやってダメなら本当にダメだな。建物をウェハースよろしくぶっ壊す怪獣がコンクリより柔らかいはずがねぇ。あってたまるか。もういい、もうたくさんだ、クレーンで引き揚げてコンテナにぶち込んじまうか」




もはやヤケである。冷凍コンテナにさえ入ればウイニングランも同然。これ以上のことは全てバイオテックに丸投げすればよい話。損壊も抑えられてどちらも得に転ぶのは間違いない。




「……やらなきゃいけないってわかってるんですがねぇ、正直此処で建てなきゃいけない箱モンが山の様にありますからね…」


怪獣退治は倒して終わり、爆殺して終わりではないのである。

後始末を付けて、初めて事態が収束したと言える。建設機械師団の苦労は留まることを知らない。




次回Chapter165は11月19日10時からの公開となります


登場兵器

・ショベルカー

そもそも兵器ではない。


様々なメーカーから出しており、我々のインフラを支えている機械の労働者。

国内メーカーではコベルコやコマツなどが有名。路上で見たことがある人も多いハズ。

削岩機・カッター・バケットなど様々なオプションを揃えており、間違ってもモンスターをハントするようなものではない。

重機は大切に・安全に・使用用途通りに使いましょう。

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