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SOYUZ ARCHIVES 整理番号S-22-975  作者: Soyuz archives制作チーム
Ⅲ-6. ポポルタ線の戦い
167/327

Chapter145-1. Plan:Grand fleet

タイトル:【大艦隊計画】


独立軍事組織Soyuzと他のPMCとの違いは一体何だろうか。


同じく戦争を生業としている人間であり、一見して変わらないと言われることもしばしばである。

彼らと一線を画すもの。その一つが数十年前に動き始めた「超艦隊計画」と呼ばれる凄まじい計画だ。



21世紀を迎えた昨今、対艦ミサイルと呼ばれる兵器の登場により戦艦は廃れていったのは記憶に新しい。

その渦中にいるSoyuzも例外ではなく、この「手」を持つことになるが些か問題があった。


ハイテク機器を積んだ誘導兵器。言わずもがな、値が張るのである。

湾岸を焼き討ちにすることが多いこの組織にとって、節分の豆のように使えるような代物ではない。


例えるなら鬼退治に豆ではなく小判をばら撒いているようなもの。



コストパフォーマンスが劣悪なのは言うまでもない。



さらに一発で巡洋艦程度なら海の藻屑に出来るほど強力な兵器。



国のガードも硬く、新しいミサイルを買おうにも売ってくれないというケースも出てくるだろう。

仮に購入できたとしても、山のような数は手に入らない。


そこでSoyuzは圧倒的な火力と誘導兵器にも負けない精密さを備えた兵器を配備することになった。


つまるところ。

最新の管制装置を乗せたうえで、21世紀に第二次世界大戦の名優を蘇らせようというのである。

戦艦であれば巡航ミサイル程度、痛くも痒くもない。


異世界に送り込まれている「最上型重巡洋艦 大田切」「超大和型戦艦 尾道」は計画のほんの一部に過ぎないのだ。




また船体・弾薬・その他の機械部品を生産する工場は世界中にちりばめられており、回り巡って各国の失業者減少に一役買っている。


需要がなければ、作ってしまえばいい。なんと至極簡単な雇用政策だろうか。


これを潰すとなれば想像を絶する数の失業者が世に解き放たれ、世界はただでは済まない。

故にSoyuzは国に対しても強力な圧力をかけることが出来る。



このネットワークの張り具合が民間軍事会社とSoyuzを分かつものとなっているのだ。


数百を超える名優と、それを支える舞台裏。


色々な異形によって歪な世界は生かされていると言っても過言ではない。


そんな暗黒組織の上層にいるロッチナは、とあることを告げるべく名優の控える楽屋へと足を運んでいた……










—————————







——地球某所

—-秘匿港




彼が降り立ったのは秘匿されているSoyuz専用の軍港。

独立軍事組織の名にふさわしく、どこの国にも所属しない軍艦がひしめき合っている。



ここは国境も何もない、地球としか言いようのない唯一の場所だ。



ふと目を港に向けてみればあり得ない艦が辺りを埋め尽くす。



米軍のアレン・M・サムナー級駆逐艦、北朝鮮海軍の工作艦や旧日本海軍の伊号400型潜水艦や信濃型空母にはたまた複数の大和型戦艦。


各々、地獄の底から蘇ってきた猛者たちに違いない。



そんな伝説の放送局にやって来たロッチナは、秘匿軍港を牛耳るディレクターに会いに来たのである。


この黄金の角刈りを見ただけで担当者は何かを察したらしい。


「ロッチナ専務ですか。すると……また、出張させるんですね」


「無線では盗み聞きされるおそれもあるのでな……相変わらず助かる。外では難だ、腰を据えて話そう…」


世界の裏で糸を引く男の要件とは。








——————————







護衛がついたロッチナは司令部に通され、どっしりと腰を据えた上で資料を展開する。



「椅子が沈み込み過ぎる、いささか此処にはふさわしくないのではないかな?」



「何せ国境のない、国の存在しない場所です。ご容赦を」



二人が席に着くと衝撃で出されたウェルカム・コーヒーが揺れた。ロッチナは一言、冗談を口にすると淡々と説明していった。



「紙面にある艦艇は本日付で全て第四軍団配属となる」



配属先の第四軍団とは秘匿作戦や特殊作戦用部隊。即ち冴島や彼が率いる戦車に航空機など、U.U送りを意味する。

部隊の性質状、戦死しても名前は一生闇の中を彷徨い続け、日の目を見ることはないだろう。



全てはSoyuz、いや地球のために。



そんな過酷な運命づけられたのは数多の軍艦たちは何も一つだけではない。



アレン・M・サムナー級駆逐艦4番艦バイシクルリペアマン、6番艦モンティパイソン。

それにアラスカ級大型巡洋艦サウスパーク……


その他ずらりと名前だけが無機質に並ぶ。


それを見たディレクターこと、担当者はまるで些末ごとの様に返した。



「大田切やナジン、空母まで派遣したじゃないですか。また補填で?」



「そうだ」



お互いに秘密に生きる人間だ。


その機密について足を踏み入れるような無粋極まりないことはしない。

軍港の担当者でさえ、この艦たちがどこに送られるのかさえ知らないのだから。



それほどまでに異世界の存在、ましてやファルケンシュタイン帝国の存在は知られてはならないのである。



「わかりました、では処理はこちらでしておきます。サウスパークに関しては補給やメンテナンスの兼ね合いもあってすぐは出せません。

それに、一応目的地だけは答えていただきたい。途中で燃料が尽きては話になりますまい?」



ただ、どこまで行くのか。あるいはどれほどの距離移動させるのか。

それだけは聞いておかなくてはならない。


ロッチナは短く答える。



「北極海沖を往復できれば良い」


担当者はさっとメモを取りながら、何かが気になったようでロッチナに言葉を投げかけた。



「了解しました。それと一つ。派遣した大田切は健在ですかね」


すると彼はハンコで押したような定型句で遮る。



「軍事機密だ」



限られた人間しか見ることの出来ないアンノウン・ユニバースという聖域。

しかし、人々はいずれ目にすることだろう。


異世界という存在になって……


解説

・アンノウン・ユニバース/U.U

横浜本部基地格納庫扉先で発見された謎の異次元空間。平たく言うと「異世界」

Soyuzが組織を上げて全世界に知られないようにしているのは、今まで人類がしてきた悪行を再び繰り返さないようにするためだ。

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