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初めて
「もし‥‥良かったらですけど‥‥わたしの。」
「あのさ、帰りたいんだけど!」
知恵の言葉を遮って健太は言った。
「それは‥‥それは‥無理です。逃がしません!」
知恵は、また、もじもじしながら小さな声で言った。
「てか、双子?キャラ変わって無い?」
健太は、知恵の姿を見ないように言った。
「外でのわたしはSで、プライベートではドMなんです。」
「じゃあ!俺を帰せ!命令だ!」
「それは、わたしのご主人様になっていじめてくれるって事ですか?」
会話が成立しないと僕は思い深いため息をついて窓の外にある薔薇の迷路らしき物を見つけた。