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ナイフ
朝から冷や汗をかくなんて思ってもいなかった。
一人暮らしの1LDKの部屋、仏壇が部屋に似合わず置いてある。去年、両親を事故で亡くした。僕は、手を合わせて行って来ますと制服に着替えて部屋を後にした。
両親が亡くなった当初は廃人になってしまった。しかし、一年経過して寂しさは不思議と消えた。
歩きで高校まで歩ける。前方から神無月知恵という金持ちで容姿端麗な才色兼備女が歩いて来た。
僕の視界に知恵が入った瞬間にナイフを首筋に当てられた。開けてはいけない不思議な扉が開かれた瞬間だった。その向こう側には想像をはるかに越える世界が待っていた。
「わたしに、監禁されなさい!」
知恵が僕の首筋にナイフを当てながら言った。
「何の冗談だよ?」
「わたしは、真剣よ。」
二人の前に車が停車した。僕は後部座席に押し込まれた。そして車は発進した。
「初めまして、神無月知恵です。」
と僕に車の中で手錠をして知恵は自己紹介した。
「あなたも、自己紹介しなさい。死にたくなかったら。」知恵は本気らしい。
「‥‥佐藤健太‥‥。」
「身寄りの無い可哀想な少年よね。」
と妖艶に知恵は言った。