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序章

 始めましての方もそうでない方も、この度はこのページにたどり着いていただき、何かしらの縁を持つ事が出来て嬉しい限りです。 実は今まで書いてきた作品ももちろん気に入っているのですが、今回が本当に書きたかった事になる予定です。 なので書いている本人はかなり本気で読者様に楽しんでいただけるように何度も見直ししながら練りこんでいます(当人比)。

 出来れば末永くお付き合いできる事を願いまして、この場を借りて深く感謝の意を述べさせて頂きます。


 本当にありがとうございます!

 読者様が居るからこそ書けているのです、本当に。


 それでは、序章をお楽しみください。


 新しいゲームソフトを買ってきました。タイトルは「アスタート・サーガ」。


 この作品は、いくつかの質問に答えて一番近いキャラクターとして表示されるキャラを主人公として話が始まる、マルチエンディングのストーリーが売り・・らしい。


 自室に戻り、一息ついてからゲームを起動する。 タイトル画面に流れるピアノを主としたやさしい音色の音楽も程々に聞き流し、早速キャラ作成の画面へ進む。 まずは性別。 ……なんだけど私は男でありながらキャラを作るときは女性キャラを作るのが当たり前になっていまして……。


 だけども、これはオカマでもネカマでもない。 単純にモチベーションの問題。 キャラクター達が見せる細かなしぐさや表情など、誰に焦点を当ててプレイするかを決める訳だからここは当然のように女子を選択する。


 すると画面が一旦暗転し、やさしい表情をした女神像が画面狭しと、やや大きめに表示される。


 質問のスタートだ。




 あなたは街道を歩いていると、足を挫いてしまったらしい青年を見つけた。 人通りは多く彼に対して目を向けるその視線は、多い割には助けに入る者は居ない様だ。 こんな場面に遭遇したならあなたはどのような行動をとるだろうか?



 > 自分が助けなくてもこれだけ人通りの多い場所だから、誰かが助けるだろうと様子を見る。


   目を合わせないようにして、面倒事にならないようにその場を立ち去る。


   考えるまでもない、助けたほうがいい。



 ふむ、三択か……。 こういった選択肢で問われるのはその主人公の性格をどうするかだよな。 つまり一番上の回答の様子を見るという行動は、慎重であり、また、保守的であり、人目を気にするタイプの主人公になる傾向が多いだろう。


 真ん中は本当に自分の事だけを考えて動く、自分以外には興味を示さないような冷淡なタイプ。


 一番下は考えは浅そうだが、直情的、正しいと思えば人目も気にしないなんてところだろうか。


 そこまで分析したのだから自分の求めるヒロイン像に近い行動をとらせる。 下の選択だろうか。 自分では決して取らないであろう行動であっても、主人公を選ぶというシステムならこういう選択のしかたもアリだ。

 もちろん、性別を男にして自分の分身アバターを作るような感覚でキャラメイクをするのも否定したりしない。

 何しろ、ゲームというのは人それぞれの楽しみ方があっていいのだと思う。 ……続けよう。




 あなたは友人が果物屋でリンゴを万引きしているところを目撃した。 友人と親しい関係にもあるが同時に店の主人とも顔見知りだ。 この場合はどのような行動を取るだろうか?



 > 万引きは悪いことだ。 友人を説得する。


   自分もそのリンゴの万引きに加担し、恩恵を受ける。


   見て見ぬフリ。 これからは友人とは関わらない。



 ……少し迷う選択肢だが、これも自分がこれを目撃したのならという事ではなくヒロイン像と照らし合わせて選択する。 友人だという所がポイントなのだろうが、ここは自分の意見としてもヒロイン像としても、下の意見を採用する。 どの程度の友人なのだろう? そこまでは書いてないのだし多分これは知り合い程度の友人なのかも知れない。 続けます。




 あなたは末席ではあるが貴族という立場を得ることが出来た。 奴隷や使用人も数人居て暮らすことに関しては充分な未来が約束されたのだ。 あなたはこの先の未来に何を望むだろうか?



 > 人間はみんな平等だ。 奴隷や使用人という枠組みは取り払って家族のように接する。


   さらに上の活躍をする為に、名門の仲間入りを目指す。




 今度は二択のようだな。 使用人ってのはメイドとか……あとメイドとか? メイドしか頭に浮かばない私のボキャ貧具合はおいといて。 ここで問われているのは家族とか、人間関係、身分などだろうか。確かにメイドとか居たら気分良いだろうなぁ……ご主人様とか呼ばれたい。 そんな身分の更なる上……なんてのは魅力的な響きだ。 

 奴隷っていうのはどうなんだろう。 同じ人間なのに上下を作ってしまう事は、これは日本に居たら全く考えられない。

 とりあえず上を選択する。 続けます。




 あなたはまとまった休みを取ることが出来た。 同じように友人も休みが取れたようだ。 あなたならこの休日をどのように過ごしますか?



 > 友人を誘って出かける。


   誘われるようなら出かけるが、自分からは誘わない。


   自宅でゆっくりと読書でもして過ごす。




 これはまた分かりやすい選択肢だ。 どれだけアクティブに行動を起こすタイプなのかを問うているのだろう。 休日は休むべし。 とは思うけども、ヒロイン的にはある程度活発に動いて貰いたい。 上の選択肢を選ぶか。 続けます。




 街には祭りの時期が近付いていた。 野菜の収穫を祝う祭りのようだ。 あなたはどのように祭りに参加しますか?



 > 準備から片付けまで、街の一員として出来る限りを尽くし、楽しむ。


   面倒だが、周りの目もあるので適当に合わせる。


   不参加を貫く。




 今度の三択は協調性? とかだろうか。 私はかなり面倒くさがりなので下の選択を選びたいが、そんな私であるからこそ、ヒロインには活発な部分があって欲しい。 ここは上の選択肢だな。 続けます。




 あなたの小さい頃には剣術の訓練と称した、子供同士のじゃれ合いがあった。 そんな子供達のなかであなたはどのような立場を選んだだろうか?



 > もちろん参加。 剣の稽古に励んだ。


   参加はするけど怪我のしない程度に。


   体を使うのは得意じゃない。 外から眺めていた。




 この選択肢はゲームの中にある、いわゆるポジションを示していると見た。 前衛か後衛か、サポーターか。 私のゲームスタイルはネットゲームなら基本的にソロプレイ。 それ故に自分でモンスター相手にダメージソースを持っていないと立ち回れない。 パーティを組んで戦うようなゲームだとしても前衛職である戦士系の職業を選ぶことが多い。

 チマチマと回復したり、状態異常を直したりというのは面倒なのだ。 だから必ずと言って良いほど力任せなメンバーになりがちだ。 編成を例えるなら、戦士x3、回復職x1、くらいのメンバー構成にする事が多い。


 そんな、戦うのが大好きな私はもちろん、上の選択肢を選ぶ。 続けます。




 あなたは自分に合った剣を探そうと街を探し回っていた。 少し暗い感じの店で目立たなかったせいか後回しにしていた店があったが、そこに入ることででようやく自分にピッタリだと思う剣を見つけることが出来た。 だが金額が所持金のほぼ全額が必要で、購入するとしばらくは食費やら生活費を削るしかない。 あなたならどうするだろうか?



 > 迷う事無く剣を取り、購入を決める。


   店の主人にこの剣を予約したいと相談する。


   気乗りしなかったのであきらめる。




 これは何を決める選択肢なのだろう。 少し迷うが、おそらくは欲に関する問いなのかも知れない。 質問の文章だけではちょっと判断しかねる問題ではあるが……。 買えるものならすぐにでも買った方がいいのかなとも思う。 世界観や金銭感覚がこのゲームではどんなものなのか分からないのでやや不安ではあるが、上の選択肢を選ぼうじゃないか。 さて、お次は?




 あなたは、良く当たるという占星術師の噂を聞いたことがあった。 だが、偶然その占星術師に呼び止められるまではそれは頭の隅にあるだけで忘れていた。 どうして呼び止められたのか少し気になるところではあるが、どうするだろうか?



 > 占いには興味がある。 呼び止めたのは何故かを尋ねる。


   占いは何かのトリックだろう、この際少し付き合って正体を突き止める。


   これが手口かと、黙って立ち去る。




 この問いは、信心深さなどを問われているのか。 私自身は占いは割りと興味ありなのだが、前衛系のヒロインというか主人公を目指しているので、ここは黙って立ち去ってみる。

 質問はまだ続くのか?




あなたは幼少の頃、自分が弱いせいで人を傷つけてしまった。 周りの人間はまだ小さいのだからと慰めてくれたがそれは間違いなく自分の弱さが招いた結果であった。 このような過去を振り返るときあなたは何を思うだろうか?



 > 過去は変えられない。 考えてもどうしようもない事だ。


   今を生きるのに手一杯で考える事もない。


   あれはどう考えても自分のせいだ。 ついつい思い悩んでしまう。




 これはキャラクターの過去に関わる事はないだろうけども、私としてはどうしても考えてしまう話題だ。 これはトラウマのような自分の内にある不の感情とどう向き合っているかという問いなのだろう。 私なら考えてしまう。 でも、だからこそ明るい人を見ると羨ましさもあるし憧れも抱く。 主人公には前だけを向いていて欲しいものだ。


 ……中段を選び次の選択肢へ。




 あなたの人生は良いことも悪いこともたくさん有りました。 統合して考えるなら良い事と悪い事はどちらが多かっただろうか?



 > 幸福に溢れた人生を過ごしている。


   多分、今が最悪の時だ。 これから良くなるとも思えない。


   どちらともいえない。




 ……これは持論なのだが。 不幸を語る人の殆どは幸せに気付いていないで不幸を語っていると思う。 主人公なんだから前向きに、少し自分の考えも織り交ぜておく。 まだ続くか?



 あなたは生まれ育った街を離れる事になった。 それは悲しみを伴うものですか? それとも新しい世界への期待に満ち溢れていますか?



 > 新しい生活の始まりに、胸の高まりを感じる。


   離れられて清々する。


   出来れば、また故郷に帰って来たい。



 これもヒロイン像から考えて上の選択肢にする。 ここで質問は終わった。

 画面が淡い光に包まれ、女神像の姿を一瞬くらましてしまう。 そうしてまたもぼんやりとした姿が浮かび上がる。 全身の服は赤みがかったオレンジのような色の派手な衣装で、二振りの剣を両手に携えている。 これが主人公か。



 あなたのこの世界での姿が決まりました。


 名前 スミカ

 年齢 20

 属性 闇

 職業 闘士


 女がてら、闘士として戦いで生計を立てることを目標にこれまで生きてきた。 生活は妹と二人暮らしの妹にほぼ頼りっきりで、生活力はあまりない。 性格は前向きで楽観的。 普段は姉としての立場がある為に弱いところは見せないが、実際の発言権は妹の方が上である。


 このキャラクターでよろしいですか?


 > はい

   いいえ



 うむむ? 楽観的な部分が随分とプッシュされた内容な気がするのだけども……。寡黙な女戦士みたいなのを期待してたんだけどもなぁ。 とは言え、ストーリーを見てみないことにはキャラも見えてこないよ。 はい を選んで、さてゲームスタートだ。




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