わたし、会社でいじめられました!(泣)
世の中は、不公平だ。
生まれたときからそうだけれど、社会に出ると、益々公平ではなくなる。
自分を測る物差しは、内部の事情で歪められる。その計りかたが気に入らないなら、違う物差しの世界を見つけなければならない。つまり、転職だ。
そして、子どもがするものと思っていたいじめも、大人の社会に存在する。
会社に上司はいても、先生はいないから、子ども社会のようにいじめを止めてくれる大人はいない。
子どもの社会でもいじめを無くすことができていないから、大人のいじめはもっと難しい。そして、たちが悪い。
いじめられる原因は、ほんの些細なことだったりする。
例えば、わたしの場合。
入社して、2年目。担当部署が変わり、新しい業務を覚えることになった、わたし。上司は1年目と同じ、わたしより20歳以上年の離れたベテランの課長、男性。1年目は先輩と2人で行う業務だったため、課長に質問をしたりは特になく、仕事は先輩(女性)に教えていただきながら覚えた。
新しい業務は、わたし1人の担当で、仕事を教えてくれる先輩がいないため、課長に教えていただきながら、覚えることになった。
その年、別の事務所から、ある女性の社員が異動してきた。わたしより9歳年上の、ベテランの社員だったが、違う部署のため仕事上接点は無かった。
ただ、以前課長と一緒の事務所で働いていたことがあり、課長とは馴染みがあったらしい。
わたしが課長に質問をしたり、課長がわたしに仕事を任せたりすることが面白く無かったようで、そんなことのためにわたしは毎日いじめられることになった。
まず、わたしが挨拶をしたりすると睨む。あからさまにわたしのことを嫌っていることをアピールする。
わたしは、このくらいだったら仕事に支障は無いので大丈夫か、と気にしないようにしていた。それが甘かった。
次に、物を隠す。
冬に使っている膝掛けを、物陰に隠す。
お客様とのアポイントを書いた卓上型日めくりカレンダーを破ってシュレッダーにかける。机の中の備品を隠す。
さらに、わたしにだけ分かるように、机の配置を変える、移動する。
最初はこんな些細なことで騒いでも仕方がないと思って気にしないようにしていたが、さすがに毎日続くと精神的に参ってきた。毎日憎しみをぶつけられているようなものだったから。毎朝「わたしはあなたが嫌いです。」とアピールされているようなものだったから。
段々わたしは生きていることすら許されていないのではないかと考えるようになっていた。
わたしがいじめの原因を知ったのは半年後、周囲もいじめに気がついていて、わたしに声をかけてくれたことで分かった。
「ひどいよね、毎年誰かはいじめられるんだよ。」
「あの人は課長が好きだから、あなたと課長が話しているのに焼きもち妬いてるんだよ。」
そうだったのか。
課長も彼女も既婚者で、お子さんもいたので気がつかなかった。
というか、焼きもちって...仕事なんだから会話したり仕事を教わったりするのは仕方がないのでは??
じゃあ、わたしはどうすればいいの?
それからも、いじめは続いた。
彼女は、給料もわたしよりもらっている。その時給のうち何割を、わたしをいじめるために費やしているんだろう。
彼女には、お子さんがいる。
お子さんがいじめられていたら、どんな気持ちになるんだろう。それとも、いじめなさいと教えているのだろうか。
そして、いじめに気がついていても、何もしてくれない、会社。正確に言えば、上司達は彼女に注意はしてくれていたようだったが、「あの人はそういう人だからしょうがないんだよ。病気だと思って。」とか、最終的には「あなたも弱すぎるところがある。」とわたしが悪いような口振りになり、さらには課長まで「俺が原因かなー。」ともてる男のような、まんざらでもないようなことを言う始末。
いや、彼女はどうか知りませんけど、わたしはあなたを取り合っていませんから。
そして、相変わらず続くいじめと、人の物を隠したり移動したり、タイヤをパンクまでしておいて、のうのうと会社から給料をもらっている彼女と、それが許されている会社に、だんだん不信感や憤りをわたしは感じるようになった。
そして、周りの人は同情はしてくれるけれど、助けてはくれないと分かった。
わたしをハブにしようと彼女が言えば、逆らえない女子社員は、後に続く。
決していじめに加わる訳ではない、傍観者たち。
わたしは、せかいでひとりぼっちだと思った。例えようのない孤独を感じていた。
わたしが死んでも、わたしが会社からいなくなっても、誰も気にしないんだろうなと思った。
救いだったのは祖母のくれた言葉。
「社会には、色んな人がいるからね。そういう風にされるのも、給料に入っていると思いなさい。」
そうか、勉強料か。
わたしはとりあえず、1年間耐えることができた。
わたしの人生で最も辛い1年間だったが、耐えたことは、自信に繋がり、異動先の職場でも、大抵のことはなんとも思わなくなった。
さらに人間感知能力(?)のレベルがあがって、お客様からの契約も取れるようになり、仕事の効率も、職場でのコミュニケーションもずば抜けて良くなってしまった!!!
そして不思議なことに、いじめられていた時には「その声が彼女の気に障るんじゃない?」と言われていたわたしの、同じ声で、お客様や同僚、先輩社員に評価される。「その声とトークで契約を取ってきてるんだね!」「あなたに勧められたら、コロっといっちゃうね!」「あなたの接客は素晴らしい」
変わったのは、周りの世界だろうか。
それとも、わたしが変わったのだろうか。
今わたしは生きていることを実感できる。いじめのストレスで8キロ落ちた体重も、元に戻った。
あんなに辛い思いをしたのに、今は会社で働くのが楽しくて仕方がない。
でも、いじめられて良かったとは思わない。因果は必ず帰ってくると信じている。わたしをいじめた彼女の人生が幸せになるとは思えないし、必ず報いがあると思う。だって、神さまが見ているから(笑)
給料の8割を人のあら探しやいやがらせに費やしてきた彼女と、いじめを克服し、どうやったら契約がとれるか勉強し続けたわたしが、同じ成果を出していることはない。
そして、仕事の達成感も、会社からの評価も違うはずだ。
同じような、いや、もっと辛いいじめを受けている人はたくさんいると思う。
会社でのいじめは仕事へのモチベーションを下げるし、長引けば生きる力も奪っていく。
そして、感じる孤独感。
誰にも、この気持ちは分からない。
同じような経験をした人でなければ。
世の中は、不公平だ。
年功序列も不公平。いじめる人、いじめられる人の関係性だって理不尽だ。
仕事をする人、しない人だって給料が平等なのも、不公平。
不公平だなぁ、と思ったけど、割りと公平に出来てるのかなぁ、と思った話。