表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

目覚め

朝、けたたましく鳴る目覚ましを止め、青年は目を覚ます。

時間は丁度5時を指していた。


「・・・眠たいですなぁ」


ぼんやりとそう呟くと、再び布団を被って眠りに落ちていった。



「滝沢さん起きてください。折角の作ったご飯が冷めてしまいます」


2時間後、滝沢と呼ばれた青年は女性に起こされて目を覚ます。


女性はピンク色の長い髪を後ろで纏めており、表面に文字が書かれただけの半袖のTシャツとズボンを着ている。目は気怠そうではあるが、じっと青年の顔を見つめている。ちなみに胸はとても大きく、『ココアはおしるこじゃない』と大きくプリントされた文字は広がって見える。そして、左腕は肘から下が無かった。


「おや、おはようございます山崎さん。早速で申し訳ないのですが貴方の左腕はどうなされたのですか?」


滝沢は眼を擦りながら、山崎へと尋ねる。


「あ、コレですか?朝食のハンバーグを作るときに混ぜました」


山崎は嬉しそうに答えた。


「・・・朝食は健康食品で我慢します。僕はカニバリズムの趣味は無いって言ってるじゃないですか」


「でも私の肉は美味しいと巷で評判なんですよ?」


「だからといって食べる気にはなれませんよ」


滝沢は溜息を一旦付き、着替え始める。


「そうだ、滝沢さん。また政府から依頼がきてましたよ」


残念そうな顔をしながら、山崎は滝沢に封筒を手渡す。


だが、滝沢は封筒を見る事無く、丸めて脇にあるゴミ箱へ投げ入れる。


「またですか。政府もしつこいんですよね・・・僕は人殺しは好きではないのに」


「そうは言われましても、了解の返事を出してしまいましたので内容を読んでください」


ゴミ箱に入ったクシャクシャに丸められた封筒を拾い、再び滝沢へ渡した。


「勝手に見たんですか?」


「今月入ってコレが来たの5通目じゃないですか。そりゃあ気になりますよ」


「・・・なぜ勝手に決めるのですか?」


「だって報奨金が10億ですよ?滝沢さんは合法的に人を殺せる。私は10億で死ぬほど肉まんが食べられる。誰がどう見てもwin-winの関係です」


全く悪びれる事無く、山崎は言い返す。


「まぁ、良いです。但し、もう27億しか貯金が無いので、報奨金は事務所で管理するという事で」


滝沢は再び溜息を付きながら、コートを羽織った。


「嫌です。あと滝沢さんどこ行くのですか?」


「コンビニですよ。朝食は貴方が片付けておいてくださいね」


「あ、じゃあついでに肉まん買ってきてくださいねー」


返事を返すことなく、コートのポケットに財布をしまい、滝沢は部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ