「記-さけび-憶」 7
紗江は暫くの間、何かを感じる方向を眺めていた
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「この感覚は一体なんなんだろう・・・」
ふと、そんな風に思った・・
すると、途端に目の前の景色が歪みねじれ始めた・・
『うぅ・・』
初めて襲われるような吐き気と眩暈に紗江はその場で蹲り意識を失くした・・・
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無意識の状態の中、紗江の体は痙攣と嘔吐を繰り返し夢の中(過去の記憶)へと落ちて行った・・・
繰り返される、過去の記憶の世界、それは本人のものではなく「哀川 京介」と「傀儡」達のものである・・
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何処か懐かしくも愛しくもあった、「小川 京介」の感覚が引き起こしたものであった
だが、紗江は現時点ではそれを知る由はなかった・・・
気が付くと森の中を一人で歩いていた・・
暫く歩いていると、目の前から一人のハーフらしき女の子が涙を流しながらフラフラになり歩いてきた
紗江は思わず声を掛けた
『大丈夫ですか・・・』
『ぁ・・ぁ・・助・・け・・て』
その娘を抱きかかえた瞬間、紗江の中にその娘の記憶や見てきたものが入り込んできた
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目の前に男の人が2人いた・・
その男たちの事は紗江は見覚えがあった
「京介さん・・」
「ジャニス・・」
二人は少女の体に点滴を何本もさしていた、場所は病院ではなく、とても暗い場所でまるで地下室のようなところだった・・・
京介さんとジャニスは暫くの間、少女に付いて何かを話していた、その時に聞こえてきた名前があった・・
『佐原め・・・無駄にしおって・・・・』
『どうされますか?』
『帰してやれ・・』
『分かりました』
「さ・・はら・・・どこかで聞いた事のある名前だ・・・」
紗江はどことなくそう感じた
暫くすると京介さんはその場からいなくなり、ジャニスも点滴を外し終るとその場を立ち去った
数分後、少女は目を覚まし自分が裸になっているのに気付き慌てて服を着始めた
誰かにおびえているような感じだった・・・
服を着終わるとおどおどしながらも地下室らしき場所を出て階段を上り始め外へ逃げ出した
無我夢中で走る中、後ろから追いかけてくる男が居た・・・
紗江は無意識にその娘が危ないと感じた
そう思ったとたん男は少女の襲い掛かり殴る蹴るの暴行を始めた
『この裏切り者が!なんで京介なんかに!!』
大きな声で絶叫しながら少女の下半身に異物を向けた
「辞めて----!」
紗江の声は届くことなく、少女は男にメチャクチャにされた・・
男は少女を好き放題やると、顔に小便と唾を吐きかけその場から消えた・・
その後、少女は残った力を振り絞り逃げてきたようだった
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「・・・はっ・・」
紗江の目の前には既に命の火が消えそうな少女が一人抱かれていた・・
「ぁぁ・・殺される・・助けて・・・」
今にも消えそうな声で助けを求める少女・・・
紗江はその娘の体を地面へおろし腹部にまたがった・・・
『このまま生きてても生き地獄なだけや・・・ごめんやで・・・』
そう言い、その娘の首を絞めはじめた・・・
少女の顔は真っ赤になり、血を吐きだしもがきながら手足をバタつかせた・・
だが、その力があまりにも弱いもだった・・・
数秒後、少女は手足を地面に落とし静かに息を引き取った・・・
紗江の意識とは別に行われる行為と言動・・・
ただ、自分の行動を傍観するしかなかった・・
だが、どこかでそれが正しいものだと感じていた・・・
紗江は立ち上がり少女の姿をぼんやりと眺めた
「もう・・恐い思いをしなくてすむね・・・」
紗江の心の中はとても静かなものだった・・・
そして、紗江の心の中に残虐的な意識の目覚めの瞬間でもあった・・
哀川京介が作り出した「サタン(呪文)」の覚醒の意味合いを占めていた
快楽的に残虐的な行動を起こす呪文「サタン」・・・
今までに数人の傀儡達が散っていった禁断の領域・・
紗江の意識は現実へ戻り始めて行った・・・
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