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「傀儡2」  作者: 強者☆
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「響-なげき-」8

どの位、寝てしまっていたのかは分からない・・・




結衣の存在の消滅に対し、俺は物凄い哀しみと何かを感じた・・・


父「哀川 京介」への想いは本物であり、死しても尚続く想いのようなもの・・・


最期に抱きしめられ「ありがとう・・」という言葉・・・




俺は、「結衣」をよく知らない・・・ここ2回の精神世界へのダイブのみ・・・


ジャニスが送り込んでくる記憶のデータが哀川 京介と結衣の関係を理解させたのだろう・・




沢山の疑問が渦巻き、どうしても気持ちの整理がつかなかった・・




何故、結衣は真っ暗な監房のようなところであのような無残な死をしなければならなかったのか・・・


また、あの死は自分で行えるものではない・・・誰かに殺されたのか・・・では、誰に・・・




俺の知る人間の中で可能性があるのは・・・父、哀川 京介、それと・・ジャニス・・


この二人ならばやりえる可能性はある・・・




だが、結衣は俺に感謝をした・・・しっかりと彼女の声で「ありがとう」と囁いた・・・


父ではない・・そう考えるのが妥当なのかもしれない・・・




頭の中に響いた声・・・あの声は聞き覚えがある・・・だが・・どしても思い出せなかった・・・










目を開けると俺は見慣れない天井が目に入った・・ゆっくりと頭を傾けた・・・


そこには、新垣 紗江が俺をじっと見つめていた・・・




紗江は俺の意識が戻った事をジャニスに知らせに行った・・・




『小川  京介、大丈夫か?』


『・・・俺は・・大丈夫なんだと思う・・・』


『・・・精神的な疲労が強い、もう少し休んでおくといい』


『いや、大丈夫さ・・』




そういい起き上がろうとしたが体が石のように重く起き上がることができなかった・・・




『君は、精神世界から戻った途端、何かに取りつかれたかのように、暴れだしたんだ・・それで悪いが鎮静剤を打ち、横にさせてもらった。無論、どちらにせよあの状態では経過報告も出来ないからな・・』




『経過・・報告・・?』


『結論から話すと、傀儡「結衣」の扉は閉ざされ消滅した』




「あぁ・・そうだ・・結衣の部屋に居たんだ・・・」




俺は先程まで、頭の中をぐるぐるとその事ばかり考えていたはずなのに、今、思い出したかのような感じに思った




『消滅・・どういうことだ・・』




『分かりやすく言うと、これは仮定だが・・・紗江の中にある複数の人格の傀儡が一つ消えたという事だ・・・霊的な言い方をすれば成仏したような感じだ』




『そうか・・・そうだったな・・・彼女の扉が目の前から消えてなくなった・・・』




『小川 京介・・・成功だ・・』


『成功?』


『そうだ、この複数ある人格を全て消すことにより、その人間の本当の姿に居場所を作ることができると私は考える・・』


『扉はまだ何か所かあった・・・』


『それを全て消すんだ、そうすると、お前の母親の解決策も見つかる』


『母さん・・・』




『今はもう少し休むといい、薬がまだ効いているだろう・・・』


『・・・』




『ジャニス・・・』


『どうした?』


『聞きたいことがある・・』


『・・・』


『モニターで見ていたんだろ』


『あぁ』


『彼女は何故、あんな無残な死に方をしていたんだ・・実際にあのような形で死んだという事か・・それとも・・俺や結衣が作り出した妄想なのか・・』




ジャニスは数十秒黙り込んだと口を開いた・・・




『実際に行われたことだ・・・』




それを聞いた途端、吐き気がこみあげてきた




『うえぇぇ・・ゲホッ・・・ゴホッォ・・・』




体を起こし、手で押さえた・・・




ジャニスはタオルを小川 京介に渡した




『無理もない、あの姿を見た時・・私も尋常じゃない程の恐怖と吐き気に襲われた・・・』




『お前じゃないのか・・結衣をあんなにしたのわ・・・』




『私ではない・・・無論、哀川 京介でもない・・・』




『じゃ、誰が・・・』




『・・・それは・・・恐らく、これからお前が会うであろう傀儡だ・・・』




『何っ!』




『狂乱の傀儡、、彼女は身体能力も上がり、傀儡としても最高の仕上がりと思われたものだった・・・だが、そう簡単なものではなかった・・・自己制御が出来ない傀儡だったんだ・・・』




『狂乱の傀儡・・そいつに結衣は首を落されたのか?』




『そうだ・・・で、そいつは最後どうなった?』




『死んださ・・・』




『どうやって・・』




『彼女、いや、傀儡全てが、哀川 京介の指示のみを効く・・・全ての楔であり、全ての主導権を握る・・制御は彼しかできなかったんだ・・・』




『じゃ、哀川 京介の指示で結衣は殺されたのか?』




『いや、違う・・暴走だ・・プログラムのな・・・』




『プログラム?人間だろ・・・そんなのあり得ないだろう』




『傀儡とは「操り人形」の意だ・・・一種のマインドコントロールのようなものだ・・・』




『人間には意志というものがある、だが、それは必ずしも自由に決めれるものではない、世間体や関係性などを気にしたり、金銭的な問題で自由に出来ない事もあるのが人間だ・・・それは分かるな?』




『それが普通だろう、皆、自分のやりたいように生きれるわけがない』




『そこだ・・・人間の本質の理解・・・そして解放・・「彼だけが私を理解してくれている」という根付けし「彼なしでは何もできない、彼がいないと自分の存在価値すら見出すことができない・・」という精神的コントロールをするんだ』




『そんなことが出来るのか・・・』




『世にあるカルト教団など、このような方式を取っていると言っても過言でないだろう・・・』




『・・確かに・・あるな・・そういう宗教的なもの・・・』




『彼が作り上げた傀儡はそんな安物ではなかった・・・その人間そのものがまるで違う人間に変わるのだから・・・・』




『哀川 京介は何が目的だったんだ・・・』




『それは分からない・・・彼自身、死んでいる・・・故に答えが分からない事が多い・・・お前の母親の解決方法にしてもしかりという事だ・・・』




『・・・』









ジャニスは結衣の死に対して悲しみは無いようだった・・・


数年前の出来事で今更悲しくもないということなのだろうか・・・




彼はその後、俺の体験したデータの分析を始めた、聞くところによると実際の行われた現実と今回のデータの照合らしい・・・




俺は自分の部屋(役員室)へ戻ると告げ部屋をあとにした・・・









































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