「響-なげき-」5
頭の中に声が響いた・・・
「二人の関係は、神と奴隷のような関係・・・神はとても傲慢で悪魔のような男・・・
だが、彼女にとっては何ものにも代えがたい大切な人・・・・」
誰かに後ろから抱かれているような感覚・・・
「どういう意味だ・・・?」
俺は振り返りそいつを見ようとした・・・
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『はっ!はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・』
その瞬間、俺は目を覚ました・・・
体は汗でびっしょり濡れて胸がとても苦しかった・・・
紗江の意識の中に入り込み、「結衣」と接した事で自分にも何か大きな影響が起き始めているのではないかと不安に少し感じた・・・
『今日の今日だ・・こんな夢を見ても仕方がないな・・・夢・・?いや違うかもしれない・・結衣の意識に入っていた時に眠気がさしてきた・・その後、目を覚ました時には現在にいた・・そして、ジャニスは俺自身への負担が大きすぎたと言った・・・・』
あの睡魔に襲われていた時間・・・寝てしまい現生に戻されたのではなく
続きを覚えていないだけなのかもしれない・・・そして寝ている間にあった出来事がロードされたのではないか・・・・
そう感じた・・・
原理としてはあり得ない、あるわけがない・・・だが・・今、俺が行っている事は普通の事ではない・・・明日ジャニスに聞いてみよう・・そう思った
その後、小川 京介は再び眠りにつこうとしたがなかなか眠りに入ることが出来なかった
目をつむると思い出される「結衣」の変貌性、そして、呪文によりそれを制御する、「哀川 京介」・・
何度考えてもあり得ない行為・・・本当にそんな現実があったのだろうか・・・
それとも、全部これは夢であって本当は自分の家で自分のベットで寝ていて、目が覚めたら、母さんが、おはようといいご飯を準備してくれているのではないか・・・
この異常な世界から逃げ出してしまいたいような気持になっていた・・
「母さんを救うためだ・・そんなことも言ってられない・・・それに彼女(紗江)の中に入っている人格(傀儡)達の扉を全部閉めて終わらせる必要がある。そうすることで紗江が紗江でいれて、それぞれの悲しい出来事に終止符を打てるんだ・・傀儡で生きているのは母さん(小川 愛美 通称 てんてん)だけ、必ずそこに答えが見えるはずだ・・・」
この不気味な出来事と、不気味な廃墟で、誰がこんなことをしていると想像できるだろうか・・・
「母さん 待っててよ 必ず普通の母さんに戻してあげるから・・・」
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頭の中をぐるぐるとそんな事を繰り返し思い、いつのまにか眠りについた・・・
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数時間が経ったのち京介は窓から入る光で目を覚ました・・
時計を見ると、午前9時を回っていた
「意外と寝たな・・・」
日差しが入り込む会長室をゆっくりと見渡した、そして寝転がっていたソファーから起き窓辺へと向かった
窓の外を見ると、日々の慌ただしさなのか人が流れるように歩いていた・・・
「流石、関東だな・・地元では見れない風景だ・・・」呟くと同時に現実に引き戻された
「今日も彼女の中に入るんだな・・・」
出口が見えない迷路に入り込んでいるような感覚を感じた・・・
「コンコン」・・
役員室の扉がノックされる音が聞こえた
「はい」
俺は扉の方へ向かおうとした、その時、会長の席と思われる机に何かの資料のようなものを見つけた・・・その資料にらしきものには、「竹内 美央」の名前が見えた・・・
「美央・・あの傀儡の一人だ・・・」そう思ったが資料を手に取る事は無く扉へと向かった
会長室を出て役員室の扉を開けた
「ガチャ」
『おはようございます。お食事が出来ています』
そこには紗江が居た・・・
『あっ・・あぁ・・今行くよ・・どこに向かえばいいんだい?』
『私の部屋で・・・』
『分かった・・』
そう返事をすると、紗江は目を合わせることもなくスッと居なくなった・・・
京介は何か不思議なものを感じたが、どう言葉にしてよいのかも思い浮かばず・・
紗江がいなくなった後、数分考えた後、紗江の部屋へと向かった・・・・
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