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「傀儡2」  作者: 強者☆
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「迷-しんじつ-宮」 13

『ようこそ・・・楽園へ・・・・』





目の前の男がそう言った・・・




俺は何言っているのかが全く理解できなかった




ただ、目の前に紗江という女の子が、以前の人間とはまるで別人であったことと


狂ったように叫び、動かくなくなってしまったことに戸惑うばかりだった・・・





『何、言ってんだよ  お前、誰なんだよ!』





『私の事を覚えているか・・』




『あぁ、微かにだけどな、前に母さんの病院に来たやつだろう』




『そうだ・・・』




『何でここにいるんだ?そしてこの子はどうなっているんだ』




『それは、お前が全て答えを導き出すことだ・・・私が答えるものではない』




『俺が?なんだよそれ・・意味わかんねーよ!』




『・・・いやでも分かる時が必ず訪れるだろう・・・』





「何言ってやがるんだ・・・こいつも頭がおかしいんじゃないか・・」





京介には理解の範疇を超えていた




それも当然のこと「哀川 京介」が描き続けている「傀儡プラン」誰もが答えを知らず・・・何のためにプランが作成されたかも実際は理解しきれてはいなかった・・・




ジャニスは哀川 京介の意志を継ぎ、紗江を傀儡として引き続き作り上げ、そしてそこにある答えを知ろうとしていた、長きにわたるプラン、実際の指導者を失くした今、残された最後の傀儡「新垣 紗江」に託されたものはいったい何なのか・・・そして、導かれるように現れた、彼の息子、(小川 京介) 必ず ここに答えがある。




その答えが、傀儡の超越したものを意味するものなのか、破滅的なものなのか・・・


傀儡を最後まで見届けない限り、答えはない・・・




「哀川 京介」はいったい何処で産まれ、何のために存在し、何故死んだのか・・・




これを知る為にも、傀儡を見届け、残された彼のPCのデータを手に入れる必要があるのだろう・・・





『私の名はジャニス・・・』




『HEAVENS・・・』




『そうだ、カフェのオーナーであり、このビルの所有者でもある・・・』




『このビルの・・?このビルは母さんの・・母さんの・・』






京介の胸は押し潰されるように締め付けられ言葉が途切れた・・・






「母さん・・母さん・・・」






『君は、小川 愛美の息子だね・・そして、哀川 京介の息子でもある・・・』








『!?』






『あんたは親父を知っているのか!』






『よく知っているさ・・・君のお母さん、いや、「てんてん」が起こした事件も全てね・・・』






『母さんを悪く言うんじゃねー!母さんは騙されていたんだ!』






『そうじゃない、全て彼女が望んで起きたことだ・・・』







『そんな事はあり得ない!辞めろ!母さんをそれ以上侮辱するんじゃねー!』







『クックック・・・そうだな・・君にとっては世界に一人しかいない大事な母親だったな・・・』






『この野郎・・・殺してやる・・・』






小川 京介は支えていた紗江の体を床に静かに置き、立ちあがった




ジャニスはその姿を見ながらニヤニヤと薄ら笑いを浮かべた








『小川 京介・・・お前は真実を知りたくないのか・・・』







「ピタッ・・・」






ジャニスへ向かう京介の足が止まった・・・






『真実ってなんだよ・・・』





『君の母親の過去、父親の過去についてだ・・・メディアには知られていない本当の事実だ、君はそれを知る権利がある、哀川 京介の息子としてだ・・・』





『哀川 京介・・って・・俺はそんな奴知らないし、親父だなんて思ってもいないさ』





『では、知らずにいて、いいのだな・・・』





『てめぇに・・俺達親子がどんなに苦しい思いをしたかなんて分からないだろう!勝手に俺を作り死んでいった奴の過去なんてどうでもいいんだよ!母さんを母さんをあんなにしやがって------!』







小川 京介の怒りは限界値を超えていた・・・





今までに抱え込んできた苦しみ、怒り、言いたくても言えない、聞いてもらいたくても聞いてもらえなかった思いが爆発するように溢れでていた・・・





「ピクッ・・・」





紗江の指が何かに反応するかのように動いた・・・




その反応をジャニスも小川 京介も見逃していた・・・






『京ちゃん・・・・』





二人の視線が紗江へと向けられた・・・





「信じられん・・先程、ガラスの破片で制御したはずなのに・・回復が早すぎる・・今までの紗江ならば自分から目覚めることはなかったはずだ・・・これも小川 京介の力だといのか・・」





ジャニスは、どの人格で目覚めるかが予測できてない為、ボイスレコーダーを「ガラスの破片」へセットアップした




小川 京介は目覚める紗江に一瞬驚いたが、どうにも止められない怒りの想いが納まらずジャニスへと再び向かい始めようとしていた






『京ちゃん・・・ごめんね・・・私・・・私・・・』






縋る様に京介のズボンの裾を掴んできた・・・






『・・・』






京介は足を止め、紗江の方を向いた






『放してくれ・・・君には関係のない問題があるんだ・・・』






『京ちゃん・・・ごめん・・・』





先程の人間のとは思えないほどの変わりように戸惑いを感じたが、恐る恐るしゃがみこみ紗江の手を解こうとした・・・





『京ちゃん、ありがとう・・・ありがとう・・・逢いたかった・・・』





「・・・母さんになってるとでも言いたいのか・・・・」





『目覚めは・・・てんてんのようだな・・・』





そのジャニスの言葉に京介は反応した・・・





『目覚めは、てんてんってなんなんだよ・・・母さんは病院に居るんだよ・・・あり得ないんだよ』








『そうか・・そうだな・・だが、現在存在している てんてん、いや小川 愛美は崩壊後の愛美であり、てんてんの時の小川 愛美ではない・・・お前はその子が何故そうなっているかを本当に知りたくないのか?』







『・・・知りたくなんて・・・ないよ・・・』





『全てを受けるのだ、小川 京介・・・君にはまだやるべきことが沢山ある・・・』





『やるべきこと・・・』





『そうだ、過去を消すも、未来を創るもお前次第さ・・・人間の最も醜い部分を曝け出す傀儡の業・・・』







『傀儡の業・・・』





『紗江を安心させてくれ、君になら出来るはずだ、私にはそれは出来ない・・・彼女は本当に可愛そうな女の子なんだよ・・・』





『可愛そうな・・女の子・・・この子も・・母さんのように・・』






紗江を見て幾つもの思いが駆け巡った・・・






屋上での会話 、先程の狂気な姿・・・彼女は操られているのかもしれない・・・






母さんみたいに最後は壊れてしまうのかもしれない・・・









京介は何も言わずに紗江を静かに抱きかかえた・・・











































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