「迷-しんじつ-宮」 12
ジャニスの首を絞める紗江・・・
ジャニスの意識は遠のき始めた矢先に室内の扉が大きな音を立てて開いた
「辞めるんだ」と大きな声をだし、紗江に駆け寄る男・・その姿は哀川 京介の息子、小川 京介の姿がだった
「君か・・何の因果なんだろうか・・必ずと言っていいほど君はタイミングよく現れる・・これも京介さん・・貴方のプランなのですか・・・」
ジャニスには心のどこかでどんな風に発した
紗江の腕の力が緩んだ瞬間、ジャニスは紗江の腹部を蹴り、手を解き背後から床へ落ちた
「ドカッ」
『ウグッゥ』
紗江は蹴られた衝撃で真後ろへ吹っ飛んだ
『貴様!殺してやる!殺してやる!』
顔を真っ赤にし、目を血ばらせジャニスに再び襲いかかろうとした
『辞めろ-!』
背後から小川 京介が紗江を抑え込んだ
『放せ!放せ!』
バタバタと暴れ、爪を立て京介の腕へと食い込ませた
『ぎゃぁぁぁぁぁ----!放せぇぇぇぇぇ!』
ジャニスは意識が朦朧とする中、ボイスレコーダーを探した・・・
「あんなところに・・・」
先程まで、紗江のプログラムを見ていたPCの傍にボイスレコーダーが落ちていた
「何故だ・・・」
不思議に思ったが、体を引きずるようにPCの場所まで向った
その間の間、小川 京介は必死に紗江の事を押さえつけていた
『放せ!放せ!』
『目を覚ませ!おい!』
ボイスレコーダーの所までいき、手にした
『・・・紗江!!』
大きな声で紗江の名前をジャニスが呼んだ
すると狂ったような声をだし、京介を引きずるようにしながらジャニスへと向かってきた
『ぎゃぁぁぁぁぁ---』
『なんて力だ・・・クソッ!』
京介は女とは到底思えないほどの力に驚いた
『逃げろ!』
京介はとっさにジャニスに向かいそう言った
『大丈夫だ・・・そのまま来い!紗江!』
ジャニスの手にはボイスレコーダーが持たれいた
『あぎゃぁぁっ!』
ドタドタドタ!
その姿はまるで四本足の獣のようにも見えた・・・
『ジャニス---!死ねぇぇぇぇぇ---』
部屋中に奇声が響きわたった
「ドタドタドタ」
紗江がジャニスの前までたどり着くと
ジャニスはボイスレコーダーを再生した
「カチッ」
『ガラスの破片』
『ぁ・・・ぁ・・あああああっ・・・あぁ・・』
紗江の体がガクガクと震えだし、目玉を白めに向けた・・・
「ドサ」
京介の体は硬直する紗江の体から崩れ落ちた
『いやぁぁぁぁぁぁ-----!消えたくない!消えたくない!・・・・くそっ・・・ジャ・・・』
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「ガクン・・・」
紗江の体は全身の力が抜けるように床へ倒れこんだ・・
「ドタ・・」
『ハァ・・ハァ・・いったい、何が起こったんだ・・・』
京介は、屋上、1Fロビーで話をした紗江の姿とさっきまで狂気に満ちた紗江が同一人物なのか困惑した・・
そして、倒れる紗江の先にいる、金髪の男に目を向けた・・
「あ・・あいつは・・・母さんの病院で一度すれ違った奴だ・・・なんであいつがこんな所にいるんだ・・」
ジャニスはぐったりしながら床に座り込みボイスレコーダーを紗江に向けたままの姿だった
『あんた・・・何者なんだよ・・・前に母さんの病院にも来てただろ・・・』
するとジャニスは、顔をあげることなくこう言った・・・
『ようこそ・・・楽園へ 小川 京介・・・』
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