「迷-しんじつ-宮」 8
[㈱MIO地下一階]
倒れこみ眠る様に意識を失った、京介を1Fロビーまで運びその後部屋へ戻っていた
紗江の人格は、「小川 京介」と出会ったことで「小川 愛美」を呼び起こしていた
紗江本来の人格と愛美の人格が入り乱れ、紗江は混乱していた・・
自分の思う事と行動が伴わない、話す言葉も自分の意志ではない・・・
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だけど、こんなの今に始まったことではない・・・
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あの子・・泣いていた・・・
母さんを侮辱するなって・・・
どうしてなんだろう・・・
私はいったい誰・・
何のために生きているの・・・
紗江の脳裏に哀川 京介が浮かんだ・・
『愛美・・・』
「うぅぅ・・・っうっ・・・」
紗江は床に倒れこんだ
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激しく自分の事を犯す彼・・・
私は心から彼を求め・・彼に一瞬でも嫌われないように願っていた・・
その為ならば、なんだって出来るし、なんだってやれる・・・
私にとっては彼が全て、芸能界を引退しても、全財産を失ったとしても彼のいない生活なんて耐えられない・・
「京ちゃん、中に出して・・あなたの子供が欲しいの・・そうすれば貴方は私の傍にいてくれるはず・・・」
狂ったように激しいSEXをし、私は彼のおもちゃにされる・・
それでも彼が愛しくて愛しくて仕方ない・・・
「あぁ・・京ちゃん・・京ちゃん・・・」
紗江の意識は愛美の中にいた・・・
[㈱ MIO 入口]
「ピッピ・・」
セキュリティードアが解除された
小川 京介より、先に紗江を確認しないといけない・・
ジャニスはそう思い、1階ロビーを避け直接地下一階へと向かっていた
「今回の出会いが紗江の傀儡化を大きく進化するものとなるだろう、京介さん(哀川)が残した最後の傀儡のプログラムが明確になる・・・」
傀儡は入れ物に過ぎん、そこに自分の意志など必要ない。
もし、人間が自分の思い通りに動くとしたら・・人は人をどう使うと思う・・ジャニス・・
分かりませんが、俗な方に走るものもいれば、何らかの形で犯罪に使う人間もいるのでは?
その通りや、人が人を操ると言うことは、ただのお手伝いとして使う訳がない
必ず、犯罪や俗な方向に行くもんや、人などそんなものだ
では、京介さんもそのような形に作られるのですか?
・・俗も犯罪も使いながら、その人間の破壊を楽しむんじゃないか?
破壊ですか?
世の中、男と女、綺麗事を並べても所詮、SEXをするただの獣だ
そこ上手く使えるものこそ、相手の支配権を持つことが出来る
だが、快楽と言うキーワードだけでは物足りない・・そこには、絶対的な恐怖が必要や
なるほど・・・恐怖とは暴力でしょうか?
暴力も必要や・・命がある事を実感させるためにもな
その命は誰が支配してるのか、誰のお蔭で自分が存在するか・・・
果たして、その様に作り上げることが可能なのでしょうか?
やるのさ、相手の意志など組む必要はない、全身全霊で相手を壊し、植え付けに行くんだ・・
そして、本人の意思をどんどん消え去っていく・・そのうち、本人はどこかに消えてしまい
ただの操り人形と化す・・・
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京介さんは、初めて傀儡を作り上げる時にそう言った・・・
だが、傀儡を作り上げるにつれて、彼のプラン通りの展開になかなか進まなかった
精神を破壊し、新たなる人格を植え付けるまでは成功するが、そこに消えるはずの本人の意思が強く残っていた・・・
結衣(傀儡NO1)楽園参照
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美央まで・・どれもこれも不完全だったと言えるのではないか・・・
残された紗江に関してはどうなんだ?
今までの傀儡データを何度もインストールし、本人の意識は完全に抹消されたとデータ上は認識されているが・・・
本来、本人が持つ意識と言うのは根底で消せるものではないのでないのかもしれない・・
では、千佳の時はどうだ?
彼女の本来持っていた人格とは一体どんなものだったのか?
彼女の人格は、京介さんよって作り上げられたものに近いと判断できるのではないか・・
どうであれ、彼がいない今となっては証明する事が出来ない・・・
「ガラスの破片」
「我、最強なり」
「覚醒」
「破壊」
紗江がこのプログラムが始動されている以上は、傀儡としての機能がある・・
目覚めてしまった傀儡を止める術は、恐らく「破壊」のキーワードしかないだろう・・
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紗江の部屋の前に着いた
薄暗い廊下にドアの隙間から光が漏れていた
「やはり、ここにいたか・・」
ジャニスはそう思いドアを開けた
紗江は床に寝転がり、意識が朦朧としているようだった・・
『紗江、紗江・・』
「・・・」
「データの暴走が原因だな・・」
ジャニスは紗江を抱え上げ、ベットへ横たわらせた
頭にヘッドギアを被せ、紗江が小川 京介とどのような会話をしたのか?
何を見ていたのかを確認しようとした
「カチ、カチ」
PCを起動させデータを吸い上げはじめた
「ヒューン・・・」
それと同時にモニターに映像が流れる、いつもの流れはそうだった
モニターに屋上で話をする、小川 京介の姿が映った
「ザザッ--」
映るはずもない障害のような砂嵐がモニターに映され、その奥に二人の姿があった
「謎だ・・何故、紗江はこんなにも思い通りにならないのだ・・歴代の傀儡の中でももっとも完成度が高いと言う事なのか・・・」
そして、もう一つのモニターには数字と記号が物凄いスピード流れていた
ジャニスは、その数字と記号を目で追っていた
「・・・予測通りとはいえ・・この答えか・・・」
データの流れが止まるとジャニスはキーボドを打ち始めた
「カチャカチャ・・・」
「カチッ」
データ上に、「小川 愛美」と表示された
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