「迷-しんじつ-宮」 7
紗江は泣きじゃくる京介の頭を優しく撫でた・・・
『よし、よし、もう大丈夫よ・・』
京介の意識は、その場にはなかった・・・
幼少期時代、母親の頭がおかしいと同級生にいじめられた・・
「母さんは、普通の人と何も変わりない、今は病気なだけですぐに良くなる!」
いつも、そう思い、そう言い換えしてた・・・
子供心は残酷で、そういった気持ちを踏みにじるかのように、卑劣な言葉を浴びせられ
暴力を振るわれてきた
そして、いつも怪我をして、泣きながら家に帰っていた・・・
泣いて帰ると、母さんは傷だらけの僕を見て抱きしめて、頭を撫でてくれた・・・
「よし、よし、もう大丈夫だよ・・」
「こんなに優しい母さんを守るのは僕しかいない、皆、母さんの事を知らないから、あんな風に言うんだ・・
必ず、必ず、母さんの病気は治る、治らないなら僕が医者になって治すんだ・・」
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どの位、経ったのだろう・・・、京介は気が付くと屋上ではなく、一階ロビーのソファーへ横たわっていた
「・・どういう事だ・・・夢・・・だったのか・・・」
意識が朦朧とする中、辺りを見渡した・・
「あの娘がいない・・・」
京介は紗江の姿を探していた、屋上で彼女に出会ったことは本当の出来事なのか、夢だったのか、判断が出来なかった
「疲れているのかな・・・こんな場所で俺は何をしているんだ・・・」
昔の記憶、母親を求め、母親から愛をの一心に受けていた自分の姿・・・
あれは俺へ向けられたものだったのだろうか・・・
後から知る事実に俺は苦しめられた
精神病院に入院して、どこの誰から分からないけど金が沢山送られていた
俺は、それを父親からだとばっかり思っていた・・・だが、事実は違った・・
父親は飛び降り自殺をして死んでいる・・、いったい誰が・・・
母は俺が歳を重ねるごとに、「哀川 京介」を俺に求めた・・
そして、時間が経つごとに壊れていった
意味不明な事を言ったり、体を狂ったように求めてきた・・
人ってこんなになるものなのだろうか・・・
人の精神はこんなにも脆いものなのだろうか・・・
・・・・
いや、多分違う・・
母が受けた精神的なダメージは相当なものだったのだろう・・・
俺を産み、生きているだけで奇跡だと・・婆ちゃんから聞いた・・・
何故、母さんはこんな目に合わないといけなかったのだろう・・
『クソッ・・考えれば考えるほど分からねえ・・』
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[HEAVENS Cafe 事務所]
ジャニスは㈱ MIOに設置している監視カメラを見ていた
カメラ1、2,3、~15 順に紗江の所在を確かめるように映していた・・・
「何だこれは・・」
モニターに紗江ではない人影が映し出されていた
ジャニスはモニターをアップにした
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「ニヤリ・・・来たか・・」
その姿を、小川 京介である事確認した
次に、紗江の居場所を探した・・
「パッ、パッ・・」
監視カメラは屋上へ向けられた
そこには紗江の姿があった、金網越しに外の世界を眺めていた
「いつも通りだな・・、さて、小川 京介は屋上へ導かれるのか・・・」
食い入るように画面を眺めた
数分後、京介は屋上へたどり着いた、そして、紗江は京介と出会った・・・
「面白くなってきましたよ・・京介さん(哀川)・・・ニヤリ・・貴方が残した「最後の傀儡」と貴方の「遺伝子を持った息子」が出会いましたよ・・・」
京介と紗江は幾つかの会話をしているようだった、そして、次の瞬間、画像が乱れ真っ暗となった・・
「ザザザ--」
「何だ・・見るなと言うことなのか・・紗江・・」
『仕方ない・・現場に行くか・・』
金髪の髪をかき上げ、数個の指輪を嵌めた
「ガチャ」
『出かけてくる』
『畏まりました』
ジャニスは 株式会社 MIO へと向かった・・
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