第二章 「迷-しんじつ-宮」
ジャニスは役員室へ向かった・・・
(株)MIOの役員室に哀川京介が使っていたPCが置かれているからだった
全ての始まりの場所として、京介の亡き後ここにPCを移動していたのだ
「何かの答えがあるのかもしれない・・・」
ジャニスは役員室に入ると急いで京介のPCを立ち上げた・・・
「キュイィィン・・・」
静かな室内にハードディスクが起動し始める音が響いた・・・そして数秒もしないうちにディスプレーがついた・・
ジャニスは急いでPCを操作した
「カチャカチャ・・・」
「カチ、カチ」
京介により分類された「傀儡ファイル」が映し出された
以前、ジャニスはこのファイルには全部目を通してはいた、その中でどうしても理解できない部分があった
それは、技術者と操者の認識の捉え方の違いだと考えていた、だが、こうして紗江が実装され始めると幾つもの謎とぶつかる、きっと、この理解できなかった部分が傀儡にとっての鍵なのかもしないと感じた・・
「K file」
「カチ」
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「結衣」
「真美」
「亜衣」
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「琴菜」
「綾瀬 千佳」
「ゆな」
「小川 愛美」
「竹内 美央」
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ファイルは自分が直接手を下したものとそうでないものに分類されている・・
ジャニスは、もう一つのファイルを開いた
「K file evolution」
「カチ」
「進化された傀儡を意味しているようだが・・紗江の傀儡形式が進化とは思えないが・・」
ジャニスは頭の中でそう呟いた
「新垣 紗江」
「佐原 翔」
画面には二名の名が映し出された
「新垣 紗江」をクリックした・・
哀川京介により生前書かれた文章がズラッと並べれた・・・
ジャニスは再び、京介の文章を読み始めた・・
そこには、佐原が徐々に新垣紗江にのめり込んでいった様子が書かれていた
「やはりただの記録か・・・」
ジャニスは手応えを感じるものがなかった
「・・・いや、違う・・・これは予測された行動を記憶しているものだ・・・」
○月○日
佐原、新垣 紗江に接触、彼女の個人情報を引き出す
○月○日
新垣紗江の友人と思われる人物が佐原により殺される
ともに母親も殺害
○月○日
佐原の思い込みが激しくなり、紗江の友人を次々に殺し始める
ただの行動記録と思ってみていたものは、哀川京介の傀儡としての操作記録であった・・・
「京介さん、あんたって人は本当に凄いお方だ・・・」
記録の最後まで行くと紗江が佐原を殺す場面へとなった・・
そこでこんなことが記載されていた
○月○日
新垣紗江は完全に傀儡として覚醒し、佐原を抹消するするだろう
だが、それは肉体の抹消ではなく、精神の破壊を意味するものである
紗江のプランとしては、共に生かし、共に殺す、そして、来たるべき時が来たらそれぞれの役割を行うよう構築する
「・・こんなものが書かれていのか・・・?」
ジャニスは最後の文章に見覚えが無かった・・・
哀川 京介のプランでは佐原は死に至るものではなかった・・・
二人を生きながらに殺し、何らかのプランで再始動しようとしていたのだった・・
「京介さんはそんなことは一言も言ってなかったが・・・」
「恐らく、次に行われた「(株) MIO」のプランで佐原を何らかの形で起用するつもりだったのかもしれない・・・
佐原の死により、自分が前面に出てプランを進行させることになったのか・・・?
いや、それは違う・・傀儡の操作は彼でなければ出来ないはずだ・・・」
「いずれにせよ、大きくプランの変更がかかったのは事実と言う事なのか・・・」
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ジャニスは煙草に火をつけた・・
「カチ・・」
「フゥゥ・・・」
「来たるべき・・・か・・・」
「どんなプランを描こうとしていたのだろう・・・・」
ジャニスはモニターを再び見つめた
すると、薄らと何かのタグが見えた・・
「隠しページか?」
「カチ、カチ・・」
タグは無反応だった・・・
「おかしい・・・これは何かの細工だ・・・彼自身が掛けたセキュリティなのかもしれない・・」
ジャニスはその後、数時間に渡り、何度もタグをクリックし続けた
「カチ、カチ、カチ」
「何処かに鍵があるはずだ・・・」
一心不乱にPCのデータを調べた・・・だが、それらしきヒントは見当たらなかった・・
「この隠し扉が開かれたところで何かが解決する訳でもないか・・・だが、気になる・・彼の事だきっと何か隠してあるはずだ・・」
時刻は午前0時を指そうとしていた・・・
「パッ」
午前0時になると、画面にあるタグの色が変わった
「タイマーか・・ニヤリ」
「カチ」
「ブォォォォォ」
PCのハードディスクが壊れんばかりに回る音が室内に響いた
「キリキリキリ・・・・ギュウン・・・」
「これは・・」
そこには真っ黒な画面に顔を隠した女性の上半身が映し出された・・
そして、新たなる項目のタグが映し出されていた・・・
『新垣 紗江』
『小川 京介』
「小川・・・京介・・・何故だ・・彼は子供の誕生と今の事を予測していたのか・・・」
ジャニスは真っ先に小川京介のタグをクリックした
「カチ、カチ・・」
『PASSを入力してください』
「パスワードだと・・・クソ・・では紗江の方はどうだ・・」
「カチ」
「パッ」
画面は切り替わり次のページへと進んだ
「一体・・何が隠されているというんだ・・・」
そこには、紗江の今後の目的とされるプランが記されていた・・
(株)MIOの再建、そして芸能を使った、傀儡ブラン、電波の波長により全国の人間を傀儡化させる大掛かりなものであった・・・
「こんなことを考えていたのか・・(笑)相変わらずスケールの大きい方だ・・」
進んでいくと、そこにはキーマンとして「佐原」の名が記載されていた・・
「この時点でこのプランは消滅していると考えるのが妥当だな・・」
「では、どうする・・・変更の際、残された傀儡の存在価値は無いというのか・・・、冷凍保存を試みた、綾瀬千佳、彼女にもプランは存在してたのか?」
「残された傀儡・・残った・・傀儡・・・」
「小川 京介・・・彼は誰も接触を試みていない・・傀儡なはずはない・・・」
色々な事が頭の中を渦巻いた・・・
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「ガチャ・・」
役員室の扉が急に開いた・・
「さ・・紗江・・・」
紗江は左右に揺れながらジャニスの元へと近づいてきた・・・
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