「記-さけび-憶」 完結
「哀川 京介」の肉声で呪文が唱えられた・・・
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『あっ・・・』
紗江は呪文を認識したかのように茫然と動きを止めた・・ジャニスは急いで紗江の体をⅩから放した
『大丈夫か!Ⅹ』
『ゴホッゴホッ・・すみません代表・・』
『・・・』
紗江は床にぐったりとしていた・・・
『Ⅹ、お前はそこで休んでいろ、私は紗江を部屋へ運んでくる』
『すみません・・』
ジャニスは紗江を抱え部屋へと向かった、紗江の体は全身の力が抜けとても重いものだった・・
ジャニスは思った、女一人をこんなに重く感じるのは傀儡だからなのかもしれない・・・
「一人の体で数名もの人格や意思や紗江には混同している・・・考え過ぎか・・」
地下に降り廊下を歩いていると紗江の意識が戻った、ジャニスは不思議と恐れる事も無かった
今までに、哀川京介と歩んできた、傀儡の道、覚醒や崩壊を幾つも見ている、「ガラスの破片」の後の傀儡はいつも静かなものであると知っていたからであった
『大丈夫かい紗江?』
『・・・』
紗江はジャニスの顔を覗き込むように見た、その姿は幼児のようでジャニスが最も嫌う人格であった
『(*´∀`*)ダイジ』
紗江はそう答えた・・・
ジャニスは綾瀬 千佳の人格が現在、紗江に降臨してると判断した
『そう、大事にしないとダメだから部屋でゆっくりと休むんだ』
『うん』
紗江はジャニスの体から離れ、自分で部屋へと走っていった
「タッタッタ・・・」
ジャニスはその後を追うように着いていった
紗江は部屋に入ると直ぐに部屋に置いてあるぬいぐるみを並べ始めた・・・
「この人格は色々な問題がある・・だが、傀儡として、綾瀬千佳の意思はマレを見るものがあった・・消す訳にはいかないか・・・京介さんはどう感じ、どう考えたのだろう・・・私には失敗作にしか感じれなかったが・・・」
「ガサガサ・・ガサ・・」
『あったぁ』
紗江の手には拳銃が持たれていた・・拳銃とは言えモデルガンで弾も入っていない物だった
「何をするつもりだ?」
紗江の行動に興味を感じた・・・
『あん・・た・・なんて・・死ねば・・・いい・・のよ・・・』
紗江の声がたどたどしく聞こえた
「カチ(引き金を引く音)」
『バーン!』
紗江はぬいぐるみのこめかみに拳銃を宛がい撃つ真似をしていた
『キャハハハハハ!キャハハハハ!』
そして、数秒後に口から泡を吹き天井を見つめながら後ろに倒れ込んだ
ジャニスは直ぐに紗江を抱えベットに寝かせ、精神プログラム用ヘッドギアを被せ、両手足を固定バンドで固定した
紗江の中で何かが動いている、数分間での人格変化、このままでは紗江は自滅していく・・数年もの間の研究が無駄になってしまう・・・・そう言う訳にはいかないのだ・・・哀川 京介の最後の傀儡なのだから・・・
「カチャカチャ・・・カチャ・・」
紗江の脳裏から映し出される映像を見始めた・・・
「メモリーに何か手掛かりがあるのかもしれない・・・」
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「なんだこれは・・・」
映し出された映像は次々と場面が変わるものだった、今までにこんな症状・・いや現象は見た事が無い・・・
この原因と考えられるのは二つある、一つは「ガラスの破片の呪文」もう一つは「小川 京介」の存在・・
言いきる事は出来ないが、恐らくこの二つ以外は考えられないだろう、何故なら彼女はそれ以外を知らないからだ・・・
次々と変わる場面にはジャニスの知るものと知らない物があった・・・そして違和感を感じるものがあった・・
「無い・・いや、出て来ない・・・」
幾つもの記憶映像の中、「新垣 紗江」自身の記憶映像が全く無かった・・
Ⅹを襲った時にあった記憶は元々の紗江の記憶だったはず・・・現に「佐原」の名を発していた
「おかしい・・」
ジャニスは紗江の体に精神安定剤を投与し、データを吸い続けた
「・・・まてよ・・彼のPCに何かヒントがあるのかもしれない・・」
ジャニスは㈱ MIOの役員室へと向かった・・・
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