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姿見に映った未来は…、不仲な婚約者との(想像以上に)冷え切った結婚生活だった  作者: IROKA


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11/54

#11 手袋の下に隠した指輪

翌日。私たちは王都へと出発した。

その馬車の中で。

「その手袋とマフラー使ってくれたんだな。」

向かいに座っているラスが嬉しそうに言った。その笑顔に、罪悪感でいっぱいになる…。だって。ラスにもらってから一度も使わずに、ずっと放置していたから。

「…ありがと、ラス。リボンとファーがかわいいし、とっても、あったかいわ。」

お礼を言うと、ラスがまた微笑むから、心の中で何度も謝った。ラス、ごめんね。ごめんね。本当に、ごめんなさい。

「手袋とマフラーがセットになってるのね。フェミニンなデザインも、水色の色合いも、リアによく似合ってるわね。ラザラスが選んだの?」

「だろ??店で見たとき、リアにぴったりだと思ったんだ。」

ラスが得意気に頷いた。

「青系統を選ぶあたりがあんたらしいけど、意外といいセンスじゃない。」

エスターが、ラスの選んだプレゼントを褒めるから、私は自分の人でなし具合や、冷淡さが浮き彫りになるのを感じてしまう…。

「それとな、この手袋とマフラーに保温魔法を付与してもらったんだ。寒い日でも、リアが外出出来るようにさ。」

「気遣ってくれて、ありがとう…。」

『ありがとう』と口では言ったけれど、心の中は、"ごめんなさい"でいっぱいだった。ラスの気遣いを無下にしてきたのだもの…。

「でも、この手袋とマフラーは誕生日プレゼントじゃないわよね?リアは冬生まれじゃないもの。」

「…うん。去年の冬にもらったの。誕生日じゃないけど…。」

ラスは、誕生日以外でもプレゼントをくれたのだけれど…。私はいつものように、"仕方なくくれたものなんて嬉しくない"と、物置へ放置したのよ…。

それからエスターが、1番触れて欲しくない話題を振ってきた。

「そういえば。ラザラスがリアからもらった誕生日プレゼントは毎年聞かされているけど、リアがもらった物は聞いたことないわね。」

「えっ!?ラス。私があげたプレゼント、エスターに教えちゃってたの?」

「そうよ。毎年恒例なの。こいつの、リアにもらったプレゼント自慢。」

プレゼント自慢なんて、嘘よ…。だって、私があげた物はどれも…。

「それで?これまで誕生日プレゼントには、なにをもらったのよ?」

なぜかエスターが、ラスからの誕生日プレゼントを聞きたがる。本当に、教えたくない…。私が、ラスへあげたものを知っているなら、比較されてしまうから。私とラスの、プレゼントには大きな差がある…。

「教えてくれないなら、本人に聞くからいいわ。ラザラス、なにをあげたの?」

私がなかなか口を開かないから、エスターはプレゼントを贈った本人に話を振った。

「リスのぬいぐるみに、つばの広い帽子だろ。あとは、刺繍のセット、ブローチ、フラワーリーフのヘッドドレス。それから、青いバラのドライフラワー、イヤリング。去年は指輪だ。」

「ねぇ、もしかして。アクササリーは、青系統なんじゃない?」

「…ええ、そうよ。どれも、青い宝石がついているわ。それから。帽子には、青いリボン。それにね、よく見たら。リスの目の宝石も、ブラックブルーなのよ。」

ラスが、11歳以降のプレゼント履歴を話してしまったから、観念したわ。

「自分の瞳の色ばかりじゃない。あんたって、ほんと独占欲の塊ね。」

「ああ、そうだよ。どうせ俺は、独占欲の塊だよ。」

独占欲と言っているけれど、プレゼントからは、私を想って選んでくれたのがちゃんと伝わってくる。なんの記念日でもない日にくれた、この手袋とマフラーからもね。

リスのぬいぐるみは、あのとき捕まえられなかったリスの代わり。日差しに弱い私のための帽子。私の趣味である刺繍。今、身に着けている手袋とマフラーも、私が寒さに弱いから。

だけど。私は心を守るために、ラスのプレゼントから目を背け、ぞんざいに扱ってきた。心を動かされて、また8年前のように傷つくのが怖かったから。

だから…。18歳の誕生日にラスが私の手を取りはめてくれた指輪も、ラスが帰ったあとすぐにケースにしまい、ずっと放置してきたの。その指輪は今、左手の薬指にはめてある。手袋で隠しているから、見えないけれど…。今さら、堂々とはめられるほど、強い心臓は持ってない…。

「なぁーんだ。ラザラスのプレゼントは、自分の色を押し付けてるってだけで、おもしろくないわね。」

「プレゼントにおもしろさっているか?」

「あんたがリアからもらったプレゼントは、おもしろいわよ。」

「え?そうか??」

この馬車の中が、懺悔室に思えてきた…。これは、自分の過ちを認めるいい機会なのかもしれない。あとはもう、ひたすらラスに謝るしかない。

「ラス、ごめんね。ちゃんと、ラスのことを想ってプレゼントを選ばなくて、本当にごめんなさい。」

「なんで謝るんだよ?俺は、リアからのプレゼント嬉しかったのに。」

…ラスの言葉が本音だとわかるから、なおさら罪悪感が強くなる。いっそ、『あれはない』と罵って、笑い飛ばしてくれた方が、気が楽なのに。…でも。こういう自分本位なところもよくないわよね。自分の罪の意識を軽くしたいからって…。

「リアは、気にしてるみたいだけど。ラザラスは本当に、毎年喜んでいたわよ。」

「リアにもらったものは全部覚えてる。11歳のときは、ハンカチ。12は万年筆。13は馬用のポーション。14はハンカチで、15は万年筆、16はハンカチ。17が枕で、18はカフスボタンだった。」

黒歴史だわ…。自分が選んで贈った、歴代のプレゼントを聞いていて、いたたまれない気持ちになった。ラスが気にしてないことが余計、私の稚拙さを際立たせる。

「ラザラスはね、ハンカチをもらったときは、汚れた手じゃリアに触れないからなって言っていて。万年筆のときは、これでリアに手紙を書けってことだって言って。馬用のポーションなんて、ぷっ…。もはや自分用じゃないのに、これでリアの家にはやく行けるなって…。あははっ。」

「あのポーションはな、リアが水魔法で生成した水から出来てるんだ。そこらに出回ってるやつとは違うんだからな!!」

「はいはい。その話は、もう聞き飽きたわ。あと。枕のときは、リアを感じながら眠りにつけると言っていたし、カフスボタンも、もちろん喜んでいたわ。でも、おもしろさを期待していた私は、どうして急に普通のプレゼントなの?って拍子抜けしちゃったのよね。ほんと、リアにはいい意味で期待を裏切られたわ。」

「それは、社交界デビューの年だったから…。」

確かに、カフスボタンは他のプレゼントと比べたらましに思える…。他の物がひど過ぎるから、余計にそう感じるのかもしれないけれど。じつは、カフスボタンを選んだのは、お店の人に勧められたからというだけなの…。

「俺が満足してるんだから、いいだろ。そういう、おまえは、なにをもらってるんだよ?」

(お願い、言わないでっ!!)

必死に目でエスターに訴えかける。

「教えてあげない。私とリアの秘密だから。」

「あぁ、そうかよ…。」

"ありがとう"とエスターに、頭を下げた。

私、ラスには既製品のハンカチで、エスターには自分で刺繍をしたハンカチを贈ったのよ。

「ラス、ごめんね…。」

「リア!?動いたら危ないだろ。どうした??」

思いやりの欠片もない過去の自分の行いに、たえきれなくなり、私は馬車が動いてるのに、立ち上がって移動すると、ラスにぎゅーっとしがみついた。

「リアったら。今度は、どんな思い込みをしているのかしら?」

エスターは、そう言ってからかうけど。思い込みじゃない。私が実際にしてきたことだもの。それに、プレゼントを適当に選んだことだけじゃない。極めつけは…。毎年、代わり映えのしない定型文みたいで中身のない、ラスへ宛てたのかもわからない手紙を書いていたことよ。ラスは今は、嬉しかったと言ってくれているけれど、姿見に映った未来のラスは、寂しそうだった…。

「ラス!!今まで、ごめんね。ラスからもらった気持ち、私もちゃんと返すからね!!」

「んっ…??じゃー、楽しみにしてるな。」

「あんたたち、今度は、どんなふうにこじれていくつもり?あんまり、笑わせないでちょうだいね。」

「いや、笑うなよ。」

それから私は、どうやってラスへ償うかや、ラスに対して抱いていた本当の想いを伝える方法を熟考したわ。



私たちが王都へ着いたのは、舞踏会がはじまる数時間前だった。


「馬を回復させながら来たのに、おまえが仕事に夢中になるから、結局いつもより時間がかかったじゃないかよ。」

「なによ。あんたの着替えなんて、ちゃちゃっと出来るからいいでしょ!リア、ごめんね。時間ギリギリになっちゃって。身支度は、使用人たちに頑張ってもらってちょうだい。」


王都までの道中には、エスターが経営する店や、関わりのある事業がいくつもあって、あちこち寄り道していたら、時間がかかってしまったの。お菓子屋に、洋服屋、化粧品店。宿泊した宿屋もそう。エスターは、従業員の接客、客層、料理、掃除等、目を光らせ視察していたわ。

お菓子屋では、何種類もの果物がキャンディとなって並んでいた。それらの果物は、私たちの領地で協力してつくっている果物なの。カットし、乾燥させ、蜂蜜でコーティングされたキャンディがきらきらと光っていて、ずっと見ていても飽きないのよ。フルーツキャンディと並んで、私がお世話になっている咳止めのキャンディもあったわ。

このフルーツキャンディのお店は、王都にもあるのよ。

エスターは、貴族向け、庶民向けに分けて王都にお店を展開している。大通りにあるお店は貴族向けだから、素材が高級な分、高額なの。貴族には貴族の、庶民には庶民の、それぞれのニーズにあった商品を提供しているのよ。

『お金はね、取れるところからはがっぽり取るのよ。』エスターは、そう言っている。


エスターを、伯爵家のタウンハウスへ送り届け、私とラスは侯爵家のタウンハウスへ向かう。私たちは、領地も隣同士で、タウンハウスも隣同士なの。

馬車を降りると、使用人たちに急かされ、舞踏会へ行くための準備にとりかかる。準備が出来たら迎えに来ると言って、ラスが自分のお屋敷へ帰ると、エヴァンス家のタウンハウスからも、慌ただしい音が聞こえてきたわ。

「あらあら〜。大変だこと。間に合うかしら??」

お母様は、気の抜けたような声でそう言うと、バタバタと準備に追われている私とメイドたちの様子を見て、首を傾げている。以前、ラスは私のお母様のことを、『ふわふわしてる』と言っていたけれど、こういうところかもしれない…。私が間に合うかわからないため、お父様とお母様は、先に王宮へ出発した。

身支度を終えると、頑張ってくれたメイドたちにお礼を言い、待たせているラスのもとへ向かう。そこへ、エスターも合流し、三人で馬車に乗り込んだ。


「はぁ。なんか、どっと疲れたわね。」

舞踏会会場の扉の前で、エスターがため息をつく。

「今度からは、時間に余裕を持って行動しような。」

ラスの言葉に、私もエスターも"うんうん"と頷いて同意した。それから。会場の扉を見上げ、今度は、三人でため息をついた。

「間に合わなかったわね…。」

私が、ぼそっとつぶやくと、ふたりは吹き出した。

「仕方ない。好奇の目に晒されに行くか。」

「出たわね。ラザラスの、仕方ない。」

私たちは、遅れて入場した上、ラスが私とエスターのふたりをエスコートしているから注目の的だった。

萎縮しながら国王陛下へのご挨拶を終え、ほっとして立ち去ろうとしたら、陛下がエスターへお声をかけたの。

私とラスは脇へ移動し、様子を見守った。二言三言言葉を交わすと、陛下が近くに寄るようおっしゃって、エスターは玉座へと近づいた。会話の内容は聞こえないけれど、親しそうに会話をしているのを見てラスがあきれている。

「あいつ、いつの間に陛下との繋がりが出来たんだ?自分の店の商品を献上したのか?まさか…。弱みを握ったわけじゃないよな??」

「ラス、不敬よ!!」

ラスの腕に添えていた手の力を強め、ぎゅっと握る。

「ほら、よく見てみて。和やかな雰囲気だもの、きっと上手く取り入ったのよ。」

「上手く取り入ったって…、それっていいのか?まぁ、あの様子なら、大丈夫そうだな。なぁ、リア。喉、渇かないか?飲み物もらってくるよ。」

ラスは、近くにいた給仕からグラスを二つ受け取り、片方を私にくれた。そして、なにかに気づき嫌そうな声を出したの。

「うわぁ、あいつら…。こっちに来るなよ。」

ラスの視線の先に目を向けると、三人の令息がこちらに近づいて来ていた。三人は、私たちの目の前で立ち止まったから、とりあえず挨拶をしたのだけれど…。黙って私の顔を見てくるだけで、挨拶を返してくれないの。困ってラスへ視線を送ると、ラスが耳元で囁いてきた。でも、くすぐったくて耳を押さえたら、ラスってば笑っているのよ。それから。もう一度、囁いたの。

『こいつらのことだよ。悪い虫って。』

「あぁ!例の悪い虫さん??」

「リアっ!!」

ラスが慌てて、私の口を塞いだ。ラスが小声で話したのに、私ってば、噂の悪い虫さんが目の前にいることに興奮しちゃって、思わず普通の声で話してしまったわ。三人は、ポカンとした顔をしている。

「エヴァンス侯爵令息に、フィリア嬢。よろしければ、ご一緒にテラスの方で休憩しません??」

猫をかぶったエスターに話しかけられ、私とラスは顔を引きつらせながら承諾し、テラスへと避難した。


「もう、エスター。一瞬誰かと思ったわよ。」

「俺なんか、背中がぞわぞわしたよ。」

「私だって、吹き出しそうになるの我慢したんだからね。リアが、ぷっ…。『悪い虫さん』なんて言うから。もう、笑わせないでよ。」

「見たかよ?あいつらの、ポカンとした顔。」

ラスとエスターは、こらえきれずに声を上げて笑い出した。私は、誰かに見られてないかと、まわりを見回す。

「リア、平気よ。私たちは、もう注目されてないから。みんなが興味津々なのは、今日はじめて社交の場へお見えになった、ヴェルナー辺境伯令息のことなのよ。」

「そうか。辺境領での、魔物との戦いが落ち着いたんだな。確か、年は俺たちよりなんこか上だったよな?」

「私たちより、5歳年上よ。今回王都へは、結婚相手を探しにいらしたのよ。」

「さすが、エスター。情報通ね。」

「知ってるのは、それくらいよ。それと、ものすごく強いらしいわ。まぁこれは、誰でも知ってることよ。」

誰でもってことはないわよね?私は知らないもの。

「年上とはいえ、心配よね。王都の舞踏会へいらしたの、はじめてですもの。なにも、起こらなければいいのだけれど。」

「えっ!?はじめてだと、なにか起こるの??」

「魔物との戦いには強くとも、社交の場での戦いには慣れてないと思うの。"辺境伯令息"というご自分の価値がどれ程のものか、わかってらっしゃるのかしら。婚約者の決まっていない令嬢はもちろん、野心の強い令嬢は婚約者がいても、より高い爵位の相手を求め、次期辺境伯夫人の座を狙うでしょうね。どんな手を使ってでもね。」

「悪い令嬢に捕まらないといいけどな。体調が悪いふりや、酔ったふりをして、介抱を求めてきたりな。」

「それで、部屋まで介抱させて、そのまま中へ連れ込んで、媚薬を飲ませたり。媚薬を飲ませるのはムリでも、少しの間でも"二人きりで部屋にいた"ことを誰かに目撃してもらえば、憶測が憶測を呼んで、噂が広まって。責任を取らざるを得ない状況に持ち込めば、相手の思う壺よね。」

「私にも、気をつけるようにって言っていたわよね。酔わせてとか、酔ったふりをして部屋に連れ込む犯罪が増えているの?」

「心配するな。リアは、俺が守るから。」

「私は、あんたからもリアを守りたいわ。」

…もう。ふたりの話がどこまで本気で、どこから冗談なのかわからないわ。

「さぁて。私はそろそろ、情報収集へ行ってくるわね。」

そう言って、エスターは人々の輪の中へ入って行った。

「リアは、ここの方がいいよな?中は、香水の匂いがきついだろ。寒いなら、もうひとつ魔石を足すけど。」

「ありがとう、ラス。」

ラスは、熱を発する魔石をテラスへ置くと、私へ手を差し伸べた。

「リア。踊ってくれますか?」

「ええ、もちろん。よろこんで。」

そう返事をして、ラスの手をとった。見つめ合いながら踊っていると、テラスが私たちだけの空間になった。これまでは、ラスと目を合わせないように踊っていたの。どうせラスは、仕方なく踊ってるんでしょ?私だって仕方なく踊ってるんだから!!そんなふうに意地を張って、嫌々踊っていたから…。

「リアっ!?」

ラスは、なにかに気づいて私の左手を掴むと、確認するように手袋の上から薬指をなでた。それから。ドレスと同じ素材のロンググローブを外して、薬指にはめてある指輪を目にすると、泣きそうな顔で笑ったの。その表情を見て、また胸が締めつけられる。

「つけてくれたんだな…。指輪。」

ラスは、嬉しそうに指輪に口づけをした。指輪を外してから今までなにも言ってこなかったから、気にしていないのかと思ってたのに。指輪をつけただけで、こんなに喜んでくれるなんて…。

「ラス、ごめんね。」

ラスの首に腕をまわし、しがみつく。今までどんな気持ちで、指輪をはめていない薬指を見ていたんだろう…。

「リア?」

「素直じゃなくて、ごめんね…。本当はね。指輪、ものすごく嬉しかったの…。だけど、つけられなかった。こんな"幸せの証"みたいなものをつけちゃって、また8年前の絶望をくり返すようなことにでもなったら、そんなのたえられるわけないもの…。」

「リア…。俺の方こそ、ごめんな。俺が、紛らわしい言い方なんかしたせいで…。"仕方ない"って言葉にこんなに囚われていたこと、気づいてやれなくて、ごめん。」

「違うわ…。ラスを信じられなくて、私が勝手に意固地になっていただけ…。」

「まったく、あいつらが余計なことを言ってこなければ…。さっきも、リアに近づいて来たし。」

8年前、あの悪い虫さんたちが絡んでこなければ、私とラスはすれ違うことはなかったかもしれない。だけど。彼らのせいにするのは違うと思う。ラスの言葉をねじ曲げて解釈したのは、私だもの。

「私、何年もラスに対して、あんまりな態度をとってきたわ。愛想を尽かされてもおかしくないのに…。ラスは、本当に私なんかでいいの??」

ラスは、目を細めて、ふっと笑った。

「リアは、俺のだから…。」


ラスは、私の頬に手を添え、優しく微笑えむと、顔を近づけてきて…。ラスの唇と、私の唇が重なった━━。

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