対面
クリスマス前のある日。晴天。カリフォルニア州にある町。砂漠の山の事務所。
社長を筆頭に従業員全員が集まっている。ダンカンは部屋の奥にある席で、指を組んだ両手で後頭部を押さえて天井を眺めながら座っている。ダンカンの後ろは大きな防弾ガラスの窓がある。部屋の両側に長くて大きな机が置かれており、ダンカンの右側に男性三人、左側に女性四人座っている。皆、ノートパソコンを開いた状態で置いている。
突然、ドアの付近にアジア系が二人、出現した。背広姿の男と、作業着姿の女。
皆、息を飲んで振り返った。男は無表情で堂々と挨拶した、
「皆様、初めまして。台湾から来ました徐学です」
女も日本訛りの英語で挨拶した、
「私は日本から来た佐藤華江です」
ダンカンは指を組んだ手を下ろすと机に置き、微笑みながら、
「久し振りだね」
徐も微笑む。佐藤は不思議そうな顔をする。ダンカンはサングラスを外す。佐藤が驚くとダンカンは付け直し、
「目を守る為に普段はサングラスをかけている」
ダンカンの近くに座っていたプーランが徐と佐藤を扉近くの席に座らせた。ダンカンはプーランから改めて自己紹介させた。プーランは二人に微笑みながら簡単に砂漠の山と自分の経歴について説明した。
次にプーランの隣に座っていたナニアが周りを見渡しながら二人の経歴や能力を簡潔に紹介した。最後に二人に笑顔で振り向く。
次はロジャンが二人を不安そうに見比べながら自己紹介をした。その後はロサが興味津々で二人を見比べながら自己紹介をした。
女性陣が終わるとダンカンの隣に座っていたクァンが不思議そうに二人を見比べながら自己紹介をした。その次はアヌラックが周りを見渡しながら、二人の能力を熱弁した。
最後に崔。崔は腕を組みながら佐藤を睨み、低い声で自己紹介をした。佐藤は不満そうに崔を睨み返す。プーランが穏やかな声で、
「崔。佐藤と徐の入社は既に決定している」
崔は腕を解きながらプーランに振り向き、
「佐藤は人殺しですよ」
ダンカンは頬杖をつきながら、
「俺とプーランが日米両政府と話し合った結果だ。佐藤には償いを兼ねて今後、活躍してもらう」
崔は暗い顔で俯いた。隣に座っている徐が不安そうにそれを見やる。佐藤は冷たい目で崔を眺めている。
パン、と両掌を合わせるとクァンは明るい声で、
「明日は皆で社長の仕事を見学するんだろう」
プーラン・アヌラック・ナニア・ロサ・ロジャンはニッコリと笑った。




