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ミートボーイ

掲載日:2024/10/27

僕にはコンプレックスがある。


僕は…デブだ。


遠くから見てもわかるくらいのデブだ。


この体型のせいで学生時代は散々だった。イヤな思い出しかない。


同級生にはからかわれ、好きだった人には笑われ…


気の弱い僕は、言い返せずストレスばかりが溜まっていった。


一時期はダイエットもがんばった。


しかし、ことあるごとに周りが茶化してくるので、やる気も失われていった…。


世間じゃポリコレなんて言われているけど…あれは建前だ。


けっきょくは、高身長、金持ち、イケメンがモテる…。


なにももっていない僕はどんどんふさぎ込んでいった…。




そうしてときは流れ、僕はなんとか社会人になった。

内気な性格は治らなかったが、なんとかやっていけている。




ある日曜の朝、僕は外をブラついていた。


インドア派の僕だが…たまにはお日様の光も浴びなきゃいけない。


家から最寄りのコンビニまで歩く。歩いて15分くらい。


キツいけど、少しくらい運動しなきゃ……。


歩くこと10分……。



「ふぅ、ふぅ…やっとゴールか…」


コンビニが見えてきた。


そしたら…コンビニのドアから勢いよく出てくる男がいる。


ぱっと見…ヤンキールックだった。


その男は僕をからかってきた同級生にとてもよく似ていた。


そしてその男をコンビニ店員が取り押さえた。



「クソが…はなせぇ!」

「はなすわけねぇだろ! 万引きヤローが!」



ヤンキーくんは、うつぶせで必死にもがいている。


店員さんは取り押さえるだけで精一杯。まわりにはだれもいない…。


(マズい…あれだと逃げられるんじゃ…そうだ!)


僕はその場に駆け寄って…ヤンキーくんの背中に座った。


ドシン!


「ぐふっ!」


「今のうちに警察を!」


「は、はいご協力、感謝します!」


「その声、ミートボーイ…か?」


ヤンキーくんは僕の同級生だった。


「たのむ! 見逃してくれぇ! このとおりだ!」


(そんなあだ名をつけるやつを逃すわけねぇだろ!?)


僕は少しだけ膝を上げた。


「すまねぇ! 恩に着r」


ドシン!


「ぐはぁ!」


もう一回座ってやった。


ああ! スッキリした! 積年の恨みが晴れたような気がした!


ほどなくして警察が来て、同級生は御用となった。

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