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朝練その後〜須藤雄也〜

朝練を終えておれたちは揃って校舎へと歩いていく。

和希とは少しずつ歩調をズラして美少女と並んで歩く。


「須藤、あんた何がしたいのよ。」


不機嫌そうな美少女が囁くような声で問いかけてくる。


「悪い、後で話す。少し考える時間をくれ。」


おれの方も、端的に答えてそれぞれの教室へと向かった。


おれと和希は同じクラスだが、美少女は違うクラスなのでタイミングが図りづらいが……。


昨日テンパって帰っちゃったけど、今日呼び出して色々ぶっちゃけたのはちょっと安直過ぎたかなー。

しかしまぁ、上手く言いくるめて置けるのはこのタイミングでしかないかー。

今はとりあえず、和希の動向を気にしつつ上手く誤魔化していった方がいい。


教室に入るなり和希と軽く挨拶を交わしてそれぞれの席につき、間もなくして担任の先生が来て朝のホームルームの時間が始まる。


「お前らー席つけー。今日はとりあえず挨拶はいいから。朝トイレであった事知ってるやついるかー?」


担任から生徒へ投げかけられる。朝トイレであったこと?


ザワザワとし始める教室。


「せんせーなんかあったのー?」


クラスの女子が担任に問いかける。


「まぁ結論から言うと何かあったな。でも知らないならそれでいい。」


「いやいやせんせーそれはないっしょー!」


「お前ら、その歳だとこういう話が好きなのはわかるんだけどな、今回はちょっと事情が異なるんだよ。余計な事に巻き込まれたくないなら我慢くらいは覚えることだ。」


おれ達の担任、酒井先生が似つかわしくない真面目な態度で生徒達へと向き合う。

その空気に気圧されたのか、先程まで騒がしかったクラスの生徒達が一瞬静まる。

しかし、その一瞬は言葉通り一瞬で、静寂から喧騒へと変わる。


(はぁ、これだから中学生はなー。)


そんな事を思うおれだが、しかしこの話が気にならない訳ではない。

また不良どもが暴れたならとっくに噂になってるだろうに、ゴシップ大好き中学生たちが噂すら耳にしてない辺り割とガチな雰囲気だな。

ちょっと美少女にでも頼んで情報収集してもらうか。


またもう一波きそうだなー。

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