なんか生えた
ーーーーーーーーーーーーーーーーー1週間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(は〜。眩し。もー朝か。なんか頭痛い。は〜。色々と気分悪い。にしてもなんでこんなにずつうがひどいんだろ?特に心当たりは...最近ずっと外出てないせいかな。でも全体的に痛いとかじゃなくて右の方だけ痛いんだよな〜。触ってみた感じちょっとボコッとしててなんかめっちゃ硬い。鏡で確かめたいけど布団から出たくないしな〜。は〜。だるい。めんどい。...............................................起きるか。)
「ふあ~。くあ〜。」
(目やにがすごい事になってる...。目が全然あかん。)
パチッ
「開いた。」
(んで、鏡。鏡。)
「おはよう...。」
「おはよう。イリシア。まだこの前のことひきづってるのか?冒険者登録も6歳からなんだから別に不思議じゃないだろ。」
(うるさいな〜。もう。)
「あとお前その頭どうした?」
「その頭って?」
「左...お前の方から見て右のほうなんかボコってなってるぞなんか紫っぽいし。誰かに殴られたりでもしたか?」
「そうだとしたらすぐに言うでしょ...。」
(にしても紫がかってる?どういうこと?自分が本当に人間か怪しくなってきたんですけれども...。)
「僕って人間?」
「一応?」
「一応とは?」
(本当にどういうことだよ。)
「だってメアリーは魔族だもん。」
「は?」
(聞いてないんですけど。)
「だって言ってないもん。」
(口に出して言ってないんですけど!心情を読むのやめてくれよ...。)
「だからこんなのできたのかな〜。そういえば母さんは角とか生えてなかったけど?」
「そりゃ熟練の魔族であれば角を消すことくらいお茶の子さいさいってもんだよ。」
「ふ~ん。まあ、なにわともあれ暫く外に出ないほうが良さそうだね。」
「なんで?」
「なんでってそりゃあ...バレたら色々不味くない?」
「まあ...大丈夫でしょ。領主に匿ってもらってるわけだし。」
(なおさらあかんやんけ...)
「だったらまず領主様に確認しに行ったら?どうせ今日暇でしょ。」
「お前が行けばいいじゃん。」
「俺は今行けないっつーの。角(仮)のせいで。」
「まあ多分大丈夫っしょ。」
「だめに決まってるでしょー!」
(わお。お母様。)
「だいたい魔族だってことは近所の方ぐらいにしか明かしてないのよ!教会とかにもしばれたら大事になるったらありゃしない!」
(近所の人には明かしてるんだ...。)
「教会にはバレてはいけない的なこと言ってたけどなんで?」
「教会は魔族を特に適ししてるからな。」
「でも戦闘集団とかではないでしょ?」
「いや?兵士とかザラに居るぞ。色んな国にいるから全部合わせたら十万ぐらいは行くんじゃないか?ちなみにここは魔族の領地的なところにかなり近いから結構いっぱいいるぞ。」
(んな比叡山延暦寺みたいなやつがおるとは...。じゃあ僕やばくない!?お母さんは角しまうことができるらしいから大丈夫だろうけど...。実際今までそれで大丈夫だったわけだし...。お母さんに角をしまうコツとかでも教えてもらうべきかな?)
「お母さん。角をしまうコツとかってある?」
「えっとね。スッとやって一回ボン!とやってホイだよ。」
(?????)
「...というと?」
「悪いイリシア。母さんは教えるのが壊滅的なんだ...。前に一度魔法を教えてもらっていたんだが1mmもためにならなかった...。」
(なるほど。つまり僕は詰んだってことですな!)
「失礼ね!まあとりあえずギルドで依頼を受けるついでに私が領主様に話はしておくわ。イリシアはとりあえずそのままずっと家にいるように。あと朝ご飯ちゃんと食べなさいよ!」
「は~い。」
(暫くは大人しくしとくか...。)
「あれ?お父さんはいかなくていいの?」
「俺は飯食ってから。」
(まだ食ってなかったんかい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「暇だ〜!」
(お父さんもお母さんもおらんし誰か話し相手でもおらんかな〜。蜘蛛みっけ。抹殺しよう。まじで虫を殺すぐらいしかやることがないんだけど。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー1時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ゴキブリだー!」
(逃げろ〜!あ!そうだ。氷漬けにしよ。)
パキパキパキ
(氷作るときってこんな音なるんだな〜。いつも真面目に聞いてなかったら知らんかったわ。.................................暇!話が広がらん!)
コン コン
「すいませーん。誰かいますか〜?」
(この声...どっかで聞いたことあるような...。てかこれ僕出たほうがいい感じかな!?おでこは...神で隠そうと思ったら隠せないこともない?試してみるか。ほいっと。うん。無理。短い。このままで出たら流石にまずいと思うし...。ひとまず誰もいないふりしとくか。)
「誰もいないのかな〜。」
ガチャ
(なんで開けてんだ非常識か!)
「すんませーん。誰かいませんか〜?」
「いますよ...。で、なんのようですか?」
「あっ!この前のキマイラ倒してたやつ!」
「あ~。えっと~騎士団の〜ラ、ラス?いや、ライ、ライリン...だっけ?」
「そうそう!覚えてくれt
「だから勝手に行くなっつってんだろ!クソボケライリンが〜!」
ボコッ!
(わお。Drop Kick.)
「お久しぶりです。...リュートさん。」
「久しぶりだな。イリシア。」
「人にドロップキック平然とすんな!めっちゃ痛えんだけど!」
「そうか。それなら良かった。日頃の恨みが溜まってたからな。」
「てかちょっと待てよ!なんで俺の名前は覚えてなかったのにリュートの名前は覚えてんの!?おかしくない!?」
「日頃の行い。」
「ですね。あと別に覚えてないわけではないですよ?ちょっと忘れてただけで。」
「ちょっとそれはリュートの決めることじゃないでしょ!」
「でも同調してるよ。」
「ちょっとそこ!」
「なんですか?」
「なんで同調するのさ!?」
「同感したからです。」
「っあ、そう!で同調って何?」
「(無視)で、僕に何かようですか?」
「ああ。その頭のことでな。君の母さんからは話は聞いているんだがこれからどうするつもりかなどを聞いてこいと言われてな、領主様に。」
(あの人人使いあっら!)
「どうするも何も消せるようになるまでじっとしてるしかなくないですか?」
「いや。病気だといえばなんとかなる...らしい。」
(不安でしかねえ...。)
「で、どうするってことだ。バレたらここからは出てってもらうことになるっていうかそっちのほうが安全だからさ。」
(バレたら責任重大だな〜。どうしよ。)
「ちなみにそれ聞いてどうするんですか?別に得に領主様がすることは変わらないと思うんですけど...。」
「次男のレイ・アスタリア様の先生にしたいそうだ。だから君の方針によって決まる。」
「あっ。じゃあいいです。ずっと家に閉じこもります。」
(めんどくせーし。家でも多少なら魔法の練習できるし。)
「あ、いや、でも、もちろん給料は出るよ!それにかばうことに付いてできる限りのことはするって言ってたよ!どうだい?」
「あ~。いや~。...。」
(めんどくさ〜い。)
「なんか領主様から言われてます?」
「うん。まあ。一応...彼の意思は尊重するができるだけ家庭教師になってくれるように説得してくれとね。」
(あんたも大変なんだな...。)
「でもめんどくさいから嫌です。あとそもそも教えるのしたら領主の家ですよね?」
「うん。まあ、そうなるだろうね。」
「教会の人が来ないって保証があるんですか?」
「まあ、そこは〜領主様がなんとかしてくれるんじゃない?流石に...。」
(怪しいな!この上なく怪しいな!あんたもおんなじ疑問を持ったんだろうな、きっと。)
「つまり絶対ではないんですね?」
「まあ、うん。」
「じゃあやりません。」
「分かった。領主にはそう伝えておくよ。角戻すの頑張ってね。」
「はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「なんか俺の存在消えてない?俺なんのために来たの?」
「知らん。」
「僕が知ってたらおかしいですね〜。」
(まじで本当になんで来たんだ。この人。)
バタン
(暇になってしまった。)
「誰かやることを与えてくれ〜!暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ〜!」
「ハア ハア ハア」
(疲れた。寝よ。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー4時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふああぁ...おは...じゃないわ。間違えたわ。」
(てか誰もいないし誰に挨拶したんだ俺は。)
ガチャ
「ただいま〜。」
(おっ。ナイスタイミング(?)!ちょうど暇だったんだよ。)
「おかえり〜。」
「まさかまた寝てたの?」
「だって他にやることないし...。」
「この前から十分寝たでしょうよ。」
「まあそういう細かいところは気にしない気にしない。そういうところ気にしたら負けだよ!」
「何と戦っているのかは知らないけど...まあいいわ。夜ご飯にしましょ。」
「は~い。」
「あれ?そういえばお父さんは?ちょっと鍛錬してから帰るだってさ。」
「じゃあ...お母さんまず風呂入ったら?」
「そうね。そうするわ。少しご飯の準備しといてもらえる?」
「は~い。じゃあ、作るもの勝手にしてしちゃっていいよね?」
「いいけど...ちゃんと野菜もいれなさいよ。」
「わかってる。分かってる。」
(こんな日常がずっと続くといいな...。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー3時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「じゃあもう7時だしもう寝るね。」
「そうね。おやすみ。」
「よく休めよー!(←2時間前ぐらいに帰ってきた父)」
(今日別に特に運動してないんだけど...。)
コンコンコンコン!
(こんな夜遅くに誰だろう?まあいいや俺は二階に上がろ。)
「はい。何でしょう?」
「ハア ハア ハア 騎士団の ゴホッ ゴホッ リュートというものです。」
(リュートさん?なんでこんな夜遅くに...?)
「私が領主様にイリシア様のことを報告してい ゴホッ るときにどうやらそれが教会のものに聞か ゴホッゴホッ れたっぽいのです。こちらの不手際です。申し訳ございません。荷物を準備してください。おそらく教会の兵がこちらに今やって来ています。なのでなるべく早く!」
「教えていただいてありがとうございます。少し休んでてください。」
「ありがとうございます。」
「イリシア!アナタ!急いで準備しなさい。」
「分かった!」
「りょーかい。」
(まじかよ。バレるとしてももっとあとだと思っていたのに...今はそれどころじゃない。荷物を準備しないと!服とコートと歯ブラシと歯磨き粉と靴下と...あと一応懐中電灯...こんなもんか?意外と少ねえな。あとはそれを入れる袋ぐらいか。)
「お母さん。準備終わったよ!」
「分かったわ。アナタは?」
「終わったぞ〜。」
「泊まる場所って用意してある?」
「ええ。魔の森に一応。ただ兵がいるかもしれません。」
「ではとりあえずそこを目指しましょう。」
「私が先行します。ついてきて!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー1時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(不気味なほどに兵がいない。でも探知には全く引っかかってない。俺が未熟だからか?いる!)
「止まって!」
ズザアアァァァァ!
「奥に兵がいる。他に道は?」
「残念ながら...。」
(ここを通るしかないのか...。いや、でもここに兵がいるということは...)
「別の場所にいきましょう。ここに兵がいるということは今日泊まる予定のところにも兵がいる可能性が高いわ。」
「そうだな。」
「僕もそう思う。」
(さっすがお母さん!冷静!)
「それではどこに行きましょうか...。」
「方向は真逆だけど王都に行くっていうのは?」
「悪くない案だけどそこで過ごすには少し厳しいかもしれないわ。」
「なんで?」
「教会の規模が桁違いよ。王都ともなればね。」
(なるほど。愚策だったか。)
「メリアス公国はどうでしょう?方角はほとんどおんなじですし。彼らは魔族と人族の共存を掲げています。ミラディア王国より安全という噂もあるくらいですし...」
(何かしらん国が出てきたんだが...)
「ミラディアより安全?ミラディアが一番平和な国って習ったんだけど...。」
「それは一昔前の話ね。最近は差別化が激しくなっているのよ。それにメリアス公国は昔こそ差別がひどかったものの王が変わってからずいぶんと変わったって噂よ。ヒイロはヴェルモントール王国から来たって話だしそれで知らなかったんじゃないかしら。」
(なるほどね~。でも...)
「魔族との共存を掲げてるって言ってたけど無理じゃない?魔族は攻撃的って聞いたよ。」
「それ私に向かって言ってる?」
(あ~。えっと~。なるほどね!)
「スミマセン...。」
「じゃあとりあえずメリアス王国に行くってことでいいですかね。森を抜けるまでは案内します。」
「助かるわ。お願い。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー2時間後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(眠い...。頭がボーっとする...。異世界来てから毎日長時間寝てるせいかな...。お父さんとお母さんはまだぜんぜん平気そうだ。リュートさんはすでに体力をかなり消費しているはずなのになんであんなにまだ元気なんだ?騎士団でそういう訓練があるのか?今度聞く機会があったら聞いてみよう。)
『!』
「お父さん?お母さん?どうしたの?」
「...囲まれてるわね。」
「ああ。」
「困りましたね。もう少しで抜けられるんですが...」
(ボーっとしてたせいか全然気づかなかった...。気を引き締めないと!)
「ここで一戦交える感じ?」
「それ以外の方法があるの?」
(特に思いつかないですね〜。)
「悪魔の子め!覚悟ー!」
ブン!
(は〜。下手すぎだろ。それじゃ、ただ振り回してるだけじゃねえか。ただ。後ろに明らかにやばいやつがいる。おそらく僕では本当に一歩間違えれば瞬殺されるレベルの化け物が。あいつだけには絶対に近づいちゃいけねえ。お父さんとお母さんに任せるのが得策だな。俺は大人しく周りの雑魚どもを倒すとしよう。流石に殺す勇気はないからな。風刃とか火球とかは流石に使えない。だから使うとしたら...氷、かな。辺り一帯を全部氷漬けにする!)
パキン! パキパキパキパキ!
(わ~お。カチンコチンだ〜。)
「今度から使うときは言いなさいよね!」
「本当だよ...。お父さんびっくりした...。」
「わ~お。イリシアくん君すごいね。ハハハ...」
(この人いま絶対この家族化け物だって顔したな!全く失礼な!)
「はーいはい。今度から気をつけますよ。」
(とはいってももう俺の出番はなさそうだけど。)
「わ~お。危うく俺様まで氷漬けにされるとこだったよ。末恐ろしい才だね〜。早めに摘んどこ♡。」
バシュッ!
(速すg
ガキン!
「下がってろイリシア!リュートさんイリシアを頼む!」
「う、うん。」
「はい!」
(速すぎ。俺なんかが反応できるものかあんなもの。母さんでも反応できないんじゃないか?にしてもお父さんよく反応できたな。我が家化け物しかおらん...僕を除いて。)
ガキン! ガキン! ガキン! ガキン! ギイイィィィィン!
(音が...ヤバい。)
「いい加減これで死ねよーーーー!」
(とっつぅあん怖いっす。)
「アハ♡怖い怖い。」
(お前が一番こえーよ。あれそういえばお母さんはどこだ?)
ボン! バン! ガコン! バン!
(なんかもうひとり知らん人と魔法頂上決戦みたいなの繰り広げてる...。)
「メテオラ!」
(お母様?なんか打っちゃいけないもの打ってません?)
「そんなんで私の結界が破れると思ってるの?w」
バゴオォォン!
(こっわ。恐ろし。ただ...こっちは決着がついたかな。)
「なかなかやるじゃない。」
「あんまり舐めないでもらっていいかしら?」
(で、父さんは...)
「!...父さん!」
「五月蝿え餓鬼だな。」
ブスッ
「えっ?」
ドスッ!
「イリシアくん!」
ザシュッ!
「リュートさん!」
(もう一人仲間がいたのか!気づかなかった!まずいまずい!くっそ腹痛えぇ!痛い!痛い!痛い!)
「アハ♡安心しなよ。殺しちゃいないよん。」
(もう一人もこっちに...!くっそ!痛い!)
ザシュッ!
「がああああああああああああああああ!」
(痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!キマイラのときの比じゃない!)
「立てる?立てる?アハッ♡」
「フゥ フゥ あんたら仲間のところにいかなくて フゥ フゥ フゥ フゥ フゥいいのかい?」
「別にキョーミナーシ」
「いいんだよ別に。俺はあいつが嫌いだ。」
ボゴッ!
「オエェェェェ...ハア ハア フウぅウゥゥうゥ...」
ブスッ!
「あん??」
「アハ♡まだそんな体力あったんだ!」
「息子にふれんじゃねえ!」
ブン!
「もう十分触れて手遅れだわボケ!」
「アハ♡がんばれ~。で、僕は君の相手かな♡」
(最悪だ!よりにもよって一番ヤバそうなこいつかよ!?起き上がれもしねえのに!)
「フウぅ あんたらの目的はフウゥゥ 何だ?」
スッ
(かがんだ?なぜ?)
「教えてほしい♡?」
「...ああ。」
「なんでってそりゃ上からの指示でね〜。」
「あんたら本当に教会の手のものなのか?」
「そこに着眼するとはいいねえ君♡ご褒美に一発刺してあげる♡」
ブスッ!
「がああああああああァァァァ!」
(意味がわからねえ!仲間通しで助けたりもしねえ。教会の手のものでもない!じゃあコイツらは一体何なんだ?くっそさっき蹴られたせいで頭回んねえ...)
「はは♡あら?あらららら?戦況が変わってきたね♡君のお母さん強いねえ。もうあいつ倒しちゃったよ。早めに始末するか。」
「な!」
ダン!
(いやお母さんならきっと暫くは大丈夫だ。まずはリュートさんの手当てを...)
「リュートさん...大...丈夫...ですか?」
「イリシアくんか。すまない。体半分が切られてもう生きれるような状況じゃない。」
「そんな...」
「イリシアくん。こっちに来てもらえるか?」
「グス はい...グス」
「完全治癒。」
「え?」
「これで私の魔力はすっからかんだ。イリシアくん
「そんな...グス自分に使えば生き延びれたかもしれないのに!なんで僕に使ったんですか!」
君に生きてほしいんだ。」
「なっ!なんで、なんで僕なんですか!僕なんか...僕なんか...
(僕なんか...前世から何もできないただの無能いつも姉に追いつこうとして努力しても結局姉のようになれなかった。親からはいっぱい罵られた。グズ ゴミ カス 無能 そんなやつに一体何の価値があるんだ。そんなやつに そんなやつに!
「少し私の昔の話をしてもいいかい?」
「ヒック...どうぞ...。」
「私には弟がいたんだ。いつも可愛くて僕に懐いてくれて魔法もできて僕の自慢の弟だった。ただ病気で7歳のときに死んだ。君を初めて目にしたとき髪色だけ変わって弟なんじゃないかと思ったよ。本当に似てたんだ。グスッ こんな僕の弟と思われるのは嫌かもしれないけどスー 一生かけて守りたいと思った。でもなんだろうね。今になってこんなに強い敵と戦って自分がいかに無力化を思い知った。ゴフッ! 最後に弟を守らせてくれてありがとう。」
「デュークさん?デュークさんデュークさん!デュークさん!...うわああああああああああ!」
(僕はなんて無力なんだ...。僕はなんでこんなにも...
「ったく五月蝿えぞ糞餓鬼。」
「アハ♡仕方ないでしょ。」
「そんな...」
(父さん...母さん...
「嫌だ!」
ダダダダダッ
「誰が動いていいつった!」
ボコッ! ドン!
(クソが)
「クソがあああああああああああ!」
「五月蝿えつってんだろ!」
(全部凍てつかせてやる...)
「凍れ!」
バキン!
「ったく、糞餓鬼が!」
ブスッ
「ああ?」
「アハ♡」
「てめえブチ殺すぞ!」
「怖い♡怖い♡」
ガキン! ガキン! ガキン! ガキン! ガキン!
「フー。」
(すべての魔力を振り絞れ。全部!)
「燃えろおおおおおおおおおおおおお!」
「なっ!」
「やば♡」
ドサッ
「全くとんでもない子だねえ♡彼は死んだのかな?ま、いいや。それよりこっち♡おーい。起きろ〜。あれ?なんか怪我治ってる。起きろ〜。起きなきゃ刺すよ♡」
...
「仕方ないな〜。」
ブス!
「刺しても起きないか。全くお話もうちょっと聞かせてあげようと思ったのに...まあいいや。これはこれで面白そう♡ただまだまだ青い。剣も扱えないみたいだし。とりあえず剣と一緒にあそこにほおり込むか。強くなってきておいでよ♡
・・・・
イリシアくん♡」