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glow heart -九月の向日葵-   作者: haruki
第一章 「prelude - きっと探してる温もりなら偽ってでも愛して見せる - 」
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#08 成長過程

涼一≫部室≫


ガラガラ。


誰もいないこの時間帯の部室。僕はこの空間が嫌いじゃない。PC の電源を入れる。


起動までの間、机の上に置いてあった柊先輩の作った資料を再度見る。


涼一「やっぱり、すごいな。」


先輩の仕事量と資料の見やすさであったり、その一つ一つがもう洗練されていて凄まじいオーラのようなものを感じる。まるで資料の背景に「ゴゴゴゴゴ・・・」と文字を打たれているようだ。

その時、部室のドアが開いた。


ガラガラ


桜井「日向君?」

涼一「桜井さん、どうしたの?こんな朝早くから。」

桜井「少し早く起きちゃって、また寝るのもなんだから部室で暇つぶしでもしようかなって思って・・・」

涼一「へぇ・・・そう、なんだ。。。」

桜井「う、うん。」


駄目だ、今日の放課後のことを考えると変に意識してしまって会話がまともに出来ないし、続かない。


桜井「ねぇ、日向君。(少し照れながら)」

涼一「は、はい!」

桜井「どうして、そんなに他人行儀な返事なのよ。」

涼一「ごめん、」

桜井「まぁ、いいけど。」

涼一「で、どうしたの?」

桜井「え、あ・・・今日の放課後なんだけどどこ行こうか?」

涼一「えっと、僕は正直、勉強が出来ればどこでも。桜井さんはどこか行きたい所でもある?」

桜井「今日部活なかったよね?じゃあ誰も来ないと思うし、部室にしよっか。」


「誰も来ない」という言葉の魔力は凄まじい。


桜井「日向君?」

涼一「へ?・・・あ、ごめん!考え事を!!」

桜井「それとさ、」


軽く深呼吸をしてから桜井さんは言う。


桜井「日向君って好きな人いるの?」

涼一「え!?」

桜井「え、私そんな驚かせるようなこと言ったかな?」

涼一「いや、そんなことは・・・」

桜井「じゃあさ、気になる人とかもいないの?」

涼一「それは・・・」

桜井「それは??」


なんて心臓に悪い日なんだ。

学生の本分は勉強だ・・・でも、目の前のこんなに綺麗な人から気になる人は?なんて聞かれてしまって、昨日のメールを何度も読み返した時点でもう答えは僕の中で出ている筈なんだ。

言っていいのか?

いや、この気持ちに確信がもっと持てた時なのか?

それは・・・いつなんだ?

そんな僕の口はぐるぐると回るこの思考回路より先に言葉を発した。


きっと反射のようなものだと思う。


涼一「僕が好きなのは、」

和沙「おはよう、日向君。桜井さん。」

涼一、桜井「「!?」」

和沙「どうしたの?二人とも。その顔とても面白いわ。」


本当に心臓に悪い人が来た。


涼一「お、おはようございます。先輩。今日は早いんですね。」

和沙「えぇ、何故か今日は朝から面白いものが見れる気がして早く来てみたら早速面白いものが見れたわ。ありがとう。」

涼一「それは・・・どうも。」

和沙「ほんと、青春ってなんて分かりやすいものなのかしら。ね、二人とも?」

涼一「・・・。」


この人はエスパーなのか!?


和沙「エスパーなんかじゃないわ。」

涼一「心を読まれた!?」

和沙「直感よ。」

桜井「先輩怖!」

和沙「そういう桜井さんも今日は早いのね。」

桜井「えぇ、今日は少し早く起きてしまいまして。」

和沙「そう。早く起きてしまうような心躍ることがあったのね。それはそれでいいわ。まぁ、私はもう教室に行くけれど折角部室で資料をまとめようとしてくれている日向君に伝えておくわ。」

涼一「僕に、ですか?」


一瞬にやりとして先輩は


和沙「いつもありがとう。」


と一言言って去って行ってしまった。


桜井「・・・。」

涼一「・・・。」

桜井「先輩・・・凄かったね。」

涼一「ほんとにね。」

桜井「わ、私も教室先行ってるね。後で、」

涼一「あ、うん。」


桜井さんは先に教室へ向かってしまった。

取り残された僕。


涼一「・・・作業するか。。。」





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