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第七話 美味しい


馬車が街の門を抜ける事にも気付かず、いつの間にか赤色に照らされた平原と夕焼けになっていた。


ここはまだ、四方位門の中の為、治安が良くて盗賊は全くと言っていいほどいない。まあ、外は普通に盗賊がいるので護衛もこの馬車に沢山、乗っている。


そんな中、僕は......


「これ食うか?」

『ありがとう』


レビがお菓子を出してきた。量が尋常じゃないクッキーだ。

少し黄緑色のクッキーだから、ハーブクッキーか薬草クッキーだろう。定番のおやつだと聞く。


レシピ本を思い出す限りでは、薬草クッキーは苦味を抑える為に、甘みを無理やり打ち消すような量のハチミツをぶち込む。


この手のモノは一度食べてみたいと思っていたんだ。


一つ手に取る。


大体、手のひらの二分の一くらいの大きさだ。


実食............ん?柑橘系の酸味とサッパリとした甘さ。苦味は抑えられている。


なんでだろう?思ったよりくどい甘さでも苦くもない。


「疑問な顔だな。このクッキーはレモンと薬草。後は数種類のハーブ、てんさい糖を入れている俺が作ったクッキーだからな」


筋肉がモリモリな明らかな武闘家系の男でも、料理が出来るだと!?しかも砂糖は非常に高価だ。並々ならない程、こだわっている......!


「薄いがなぁ」

「勝手に食うなよ!?というか不味いと思うなら食うなよ!」


驚いているとゲムがクッキーを三つ程掴んで口の中に入れていた。その間に感想を書いておこう。


『レモンの実の酸味とてんさい糖の甘味やハーブが薬草の苦味をしっかりと消せていて、サッパリとした甘さがとても良かったです!!』


そう書いて、ゲムに怒っているレビに見せる。


『レモンの実の酸味とてんさい糖の甘味やハーブが薬草の苦味をしっかりと消せていて、サッパリとした甘さがとても良かったです!!』

「そうか。そりゃあ、良かった。喉乾いてないか?ハーブティーあるぞ。」


そういえば、バックの中には食料や水もない。有難く貰おう。


『はい』

『ありがとう』

「そうか。今すぐ用意する。」


そう言って木のコップを荷物から取り出す。


そして取り出したのは小さな片手鍋。そこにちぎったハーブを入れる。


水と火が無いままなんですけど......?


「ちょっと待ってろ......トウロウ・トルア・トルア・トルア・トルア・リモルド・リモルド・ィマ」


宙に魔法陣が出てきて、そこから水が溢れる。ソレを鍋で受け止める。水が湧き出なくなる頃には、鍋にコップ一杯程度の水が注がれた。


「さて、次は......トウロウ・トルア・トルア・トルア・トルア・ホート・オリュプル・アリャル」


魔法陣が今度は下の位置に生成。その上に鍋を重ねた。


するとあっという間に水がお湯となり、沸騰した。


その後、魔法陣から鍋をサッと放すと魔法陣消えた。


「後はエキスが出るのを待つだけだ。」


鍋をぐるぐると揺すり、かき混ぜながらそういった。


「もういいかな?」


そう言って、茶こしを木のコップの上に置いて鍋に入ったハーブティーを注ぐ。


「ラズベリーリーフティーだ。」


琥珀色のラズベリーリーフティーを渡され、受け取る。というか、なんだこの男......女子力が高めでは無いか?そう疑問に思いつつ、まずは一口。


クセが無いあっさりめのお茶?

もう少し甘酸っぱさがあると思ってた。


「さあ、どんどん食べてくれていいよ。」


そう言って、レビは自分が作ったクッキーを一つ手に取り、一口、また一口と食べていく。


そして僕も、それに釣られて手がクッキーへと伸びる。


そして、ラズベリーリーフティーが飲み終わった頃には眠気が出てきた。


「そういえば、リラックス効果があるんだった。」


そう口にしたレビが最後の記憶だった。








あれ?いつの間にか寝てたようだ。そして毛布が掛けられている。


おっと、そういえば、初対面の人の前で寝てしまった。所持品を取られた。というか餌付けされてるし、あれが睡眠薬だったら拉致し放題じゃないか。


油断した。所持品チェックだ。


ナイフ.....本数分ある。金貨......数的に10枚以上抜かれてないはず。紙束......盗まれる心配は無いだろう。衣服......ある。


あれぇ?この人たち......外見が厳ついただの優しい人?


そうだよね、あんな美味しいクッキーとハーブティーを振舞ってくれる人が悪い人な訳が無い。


あの三人を見ると、イビキをかいて寝るゲムに頭が下がったレビ。それと身体が固定されてるかのように動かないレブロ。


みんな、寝ているのか?


馬車の外は朝焼け。昨日とは位置が真逆だ。


さて、起きたけど、することが無いから起きていよう。


ぼーっとしていると、なにかがコチラを見ていることに気が付いた。


視線を感じる......。


辺りを見渡すがこの三人以外、見当たらない。


するとガシャと金属と金属が擦れ合う音。


その方向をいると、コチラを見ているレブロが居た。


お前かぁあーーー!


レブロを見ると目を逸らし、真っ直ぐの方向であるレビの方向を見た。


......シャイなのかな?


そう僕は思いつつ、座席に体重を預け、ぼーっとした。




眠気と戦いながら書いたので誤字が多いかも

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