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妹のラブレターを代筆したら、無敵美少女アイドルと同居することになった。  作者: 坂井ひいろ
Season1

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59/99

059 兄貴の最終攻撃がきまった。

西宮月にしみや つき視点>


 キラッキラに輝く兄貴がいた。眩しいぞ。ボクの大好きな兄貴。ボクの理想で、憧れで、そして・・・たぶん、初恋の人。血のつながっていない兄貴。そのことが分かる前からボクは、兄貴にずっと恋をし続けていた。いけないと思うほどに兄貴への思いがつのる。胸が苦しくて張り裂けそうになる。


 兄貴が血がつながっていないと知った時、ふさぎ込む兄貴を見ながらボクは心の奥底で喜んでいた。兄貴に恋してもいいんだって、子供心に歓喜した。そして自分のズルさに、いたたまれなくなった。


 でも兄貴、西宮陽にしみや ようは『西宮家の長男』だ。兄貴が宮本京みやもと けい社長にキッパリとそう言った時、ボクは理解した。死ぬほど嬉しかった。ボクと兄貴のきずなは一生切れない。そう、だって兄妹なんだもん。涙が零れ落ちそうだ。


「キミの兄貴ってすげえな」


 ボクシングバンタム級、世界チャンピオン、八重橋元気やえばし げんきボクの耳元でささやいた。元気の腕がスッと伸びてきてボクの肩を支えるように引き寄せてくれた。背中に当たる元気の腕が心地いい。心の奥底に沈んでいたどす黒い氷が溶けていく。


「あんがと・・・。元気」


 ボクは元気の耳に小さく答えた。ボクは兄貴の横に座る佐々木瑞菜ささき みずな様を見た。美しい!感動的な美しさだ。潤んだ瞳、長いまつげ。ちっちゃな唇。サラサラなロングヘア。これぞ正統派無敵美少女、ボクの女神様だ。


 兄貴!かっこいいぞ。女神様の御前だ。頑張れ兄貴。『カマレズ』なんて化け物をぶっ倒すのだ!ぐふふふふ。てか、兄貴の言っていることが難しすぎてさっぱりわからん。


「僕は、森崎弥生もりさき やよいさんの会社『Be Mine』の立ち上げを手伝っていて気付いたんです。今の大人たちは間違っているって。世の中には、弥生さんみたいな才能あふれる高校生が沢山いるんです」


 兄貴が宮本社長を真っ直ぐに見つめる。くーっ。真剣な兄貴の顔。ヘタなドラマの主人公なんかよりグッとくる。恐れ入ったか!『カマレズ』め。


宮本みやもと社長!社長も、もうとっくに気付いているんじゃないですか。媚びを売るだけの型にはまったお茶の間アイドルじゃあ通用しないって。だから社長は瑞菜さんを無敵美少女に選んだんじゃないですか?大人に負けずに自分の意見をハッキリと言う、触れることも恐れ多い雲の上の存在として。瑞菜さんは僕たちの代弁者なんです」


「・・・」


 兄貴が『カマレズ』を追い詰めている。ぐっはは。ラスボスめ。兄貴の会心の一撃を食らうのじゃー!


「僕たちはテレビより、ネット動画やスマホゲームに触れている時間の方が圧倒的に長いんです。自分専用にカスタマイズができて、裏切ることも、歳を取ることもないバーチャルアイドルや着ぐるみのゆるキャラの方が、よっぽど僕たちには身近な『いやし』なんです。でも、それじゃあ前に進めない。だから僕たちは、前に導いてくれる絶対的な女神を瑞菜さんの中に求めたんだと思います」


「・・・」


 効いてる。兄貴の攻撃が『カマレズ』を黙らせている。


「僕たちは生まれた時から、膨大な情報の津波にさらされて生きているんです。情報にもみくちゃにされながら、自分を見失わないように必要な情報を見つけ出すカンを養いました。もう、大人たちが作ったブームになんかに易々とのっからないんです。雑誌やテレビだけでなく、大企業が作り出す商品やサービスだって僕たちがネットでささやいた言葉を追っかける時代なんです」


「確かにそうね。キミ、いったい何者なの。とても高校生とは思えない。で、キミは何がしたいの」


「宮本社長!ネットワークゲームをしたことあります?」


 兄貴。ゲームの話か!それならボクの得意分野だ。


「まあ、少しはあるけど」


 くっははは。無理をするな『カマレズ』。貴様にはエロゲー以外似合わん。ディープな百合の世界のエロゲーを想い描いてしもた。でへへ。いかん。ボクはまだ中学生なのね。はい、兄貴、続けてください。


「ネットワークゲームの世界では年齢や性別、国籍だって関係ありません。仲間になったみんなが自分の才能を出し合って敵を倒すんです」


「そのようね」


「偉くならないと自分の意見が通せないような、今の日本の企業とは大違いです。先輩や偉い人に媚びへつらって、ゴマをすって、偉くなるまで待つなんて馬鹿げてます。そんな企業は滅びます」


 ビジネスドラマで良くある『新人君、あるある』なのね。上司とのバトルは無意味で得るものない。んで、新人君はあえなく左遷。トホホな展開ってか。


「言ってくれるわね」


「年齢や性別、国籍も関係ない。才能のある人を世界からつどってチームを作る。その一つが森崎弥生もりさき やよいさんの作った『Be Mine』なんです。『Be Mine』のスタッフは最高のチームです」


 弥生ちゃん!兄貴が褒めとるぞ。んぐ。弥生ちゃんの顔が恥ずかしそうだ。西洋ドール、なんてかわいい。抱きしめてほしいぞ。


「で、キミはどんな会社を作るのかな?」


『カマレズ』め。聞くまでもない。兄貴と瑞菜様が組んだら世界最強。天下無双の黄金チームじゃ。がは。


「僕は会社は作りません」


 えっ、えぇー。そうなの兄貴!なんでやねん。


「僕はゲームの中にあるような仲間や協力者を見つける酒場のような場所。カフェの主人になります。僕には人を集める才能があるみたいです。そこで、クラウドファンディングや仮想通貨、税理士や弁護士、弁理士と言った武器と防具を売るんです。アイデアはあるけど文章が苦手な人。文才はあるけどアイデアにつまった人。キャラクターを画くのが得意と言う人。背景やメカが得意な人が集まってユニットになったらすごいマンガ、アニメができると思います。エンターティメントだけじゃありません。自動車やロボット、旅行や伝統工芸だって新しく進化できると思っています。情報の波に鍛えられた僕らの中には、カリスマになれる才能を持った人が沢山いるんです」


 兄貴の言うことはチンプンカンプンだけど『カマレズ』には効いている。『カマレズ』の顔が子供みたいに楽しそうだ。いけ、兄貴!


「キミ。すごいわね。私もあなた達と同じ時代に生まれたかったわ」


「宮本社長!社長にも手伝って欲しいんです」


 出たー。ゲームの定番。ラスボス勧誘。どうする『カマレズ』。兄貴の誘いを断ったら一生悔やむぞ!


「分かったわ」


 兄貴の最終攻撃がきまった。兄貴!すっげーじゃん。ラスボスを仲間に引き込んだ。うぐぐぐぐー。やっぱり兄貴はボクのヒーローだ。でも、ボクは『カマレズ』が怖い。だって、ニューハーフでレズビアンなんだよ。しかも見た目、スーパー美人なのだ。

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